アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

オレたちのサッカー?

あまり多くを語られない西野代表新監督ですが

 

これまでの印象では、ハリルホジッチ前監督が追求してきた

 

『縦に速い』スタイル

 

から

 

『日本人らしい』スタイル

 

に戻そうとしているようです。

 

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この日本人らしいスタイルがどのようなものか・・・

 

実に不明確なものです。

 

 

 

今回は、

 

4年前のW杯後、よく耳にしました

 

「俺たちのサッカー(自分たちのサッカー)」

 

について考えたいと思います。

 

 

 

ご参考までに・・・

 

4年前の長友選手のインタビューを。。。

 

youtu.be

 1分10秒間に5回も「自分たちのサッカー」が・・・一部ファンには神動画と言われているとか・・・。

 

 

 

この時に用いられた「自分たちのサッカー」とは・・・

 

 

『ボールをポゼッション(支配)し、

 

 相手守備網を崩してゴールに迫る』

 

ということを、

 

"自分たちの攻撃の選択肢の最上位に据えたもの"

 

だということが推測されます。

 

 

 

 

では、日本代表の4年前の

 

俺たちのサッカーを具現化(?)したゲーム

 

を振り返ります。

 

 

2014FIFAワールドカップ ブラジル

[2014年6月19日グループC  日本0ー0ギリシャナタル

 

日本代表は6月19日(日本時間20日)、

 

グループリーグ第2戦でギリシャ代表と対戦して

 

0-0で引き分けました。

 

 

前半38分にギリシャが退場者を出し、数的優位に立った日本。

 

しかし、10人を相手に最後までゴールを奪えず、試合はスコアレスドロー

 

 

この時点で、1分1敗となった日本は、

 

かなり厳しい状況でグループ最終戦をコロンビアと対戦することになりました。

(その後、コロンビアにも敗れグループリーグ勝利なしでW杯を終えます)

 

 

 

試合後の主なスタッツは以下の通りです。

 

 ■シュート数

 ☛日本 16:9 ギリシャ

 

 ■枠内シュート

 ☛日本 11:5 ギリシャ

 

 ■枠外シュート

 ☛日本 5:4 ギリシャ

 

 ■パス本数

 ☛日本 644:235 ギリシャ

 

 ■パス成功率

 ☛日本 86%:60% ギリシャ

 

 ■オフサイド

 ☛日本 1:3 ギリシャ

 

 ■コーナーキック

 ☛日本 5:7 ギリシャ

 

 ■ファウル数

 ☛日本 23:18 ギリシャ

 

 ■イエローカード

 ☛日本 1:4 ギリシャ

 

 ■レッドカード

 ☛日本 0:0 ギリシャ

 

 ■ボール支配率

 ☛日本 68%:32% ギリシャ

 

 

ボールは支配すれども、ゴールは奪えず・・・

 

非常に歯がゆい試合となりました。

 

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しかし、裏を返して考えますと、

 

これが日本が目指していたサッカーともいえます。

 

 

 

ゴールを奪えない・・・

 

勝てない・・・

 

しかし、

 

ボールは支配する。

 

 

 

ただ、これこそが

 

"国を挙げて"取り組んできた俺たちのサッカー

 

でもあったと感じるのです。

 

 

 

育成年代の大会になりますが、今から5年前の17歳以下のW杯。

 

1996年生まれのプレーヤー中心で構成されているため、

 

愛称は、"96ジャパン"。

 

その96ジャパンの決戦の舞台は、2013 FIFA U-17ワールドカップ UAE

 

吉武監督(*当時)は、

 

理想のゲームというものを

 

「90分ボールを回し続け、ロスタイムに1点を取って、1-0で勝つ」

 

と語っておられました。

 

 

さらにチームコンセプトは

 

センターバック以外は、"8人のボランチ"を並べる』

 

ということ。

 

 

▶前線に蹴り込むことは皆無

 

▶シュートはボックス(エリア)内が中心

 

▶徹底してポゼッションにこだわるゆえに、シュート数は自然と少なめ

(☝シュートはボールを失う行為であるため)

 

一方で、

 

▶ボール支配率のアベレージは、どの試合も非常に高い

 

 

 

日本はこの大会の初戦、

 

当時欧州王者(2013年UEFAU-17欧州選手権優勝)のロシアに対し、

 

"62:38"ボール支配率で大きく上回りました。

 

「競り合いで勝てないなら、競り合いになる機会を限界まで削ってしまえばいい」

 

というものが、根底にある96ジャパンのサッカー。

 

FP(フィールドプレーヤー)の平均身長は170cmを下回り、

 

歴代日本代表でも突出して小柄なチームでした。

 

大会前から監督は

 

「日本人らしい体格でどこまでやれるか楽しみ」

 

と語っていましたが・・・

 

大柄のロシア人を相手に、その一つの答え(結果)を出しました。

 

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その後、ベネズエラチュニジアにも勝利し、全勝でグループリーグを突破。

 

 

ただその後です・・・。

 

 

決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)に、苦しい現実を突きつけられます。

 

相手は、ワイルドカード(*グループF3位)で上がってきたスウェーデン

 

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序盤から日本がボールを支配して主導権を握る展開となりますが、

 

対するスウェーデンは10人で守備を固め、カウンターを狙っていきます。

 

 

前半11分、自陣からのロングボールに抜けだした2列目のプレーヤーの折り返しに

 

前線のプレーヤーが合わせスウェーデンが先制。

 

 

その後、日本は圧倒的なボールポゼッションで攻勢に出ますが、

 

逆に同36分にカウンターから追加点を許してしまいます。

 

 

前半はこのまま(0-2)、スウェーデンのリードで折り返し。

 

 

後半9分、小川選手の放ったクロスを相手DFがクリアしきれずオウンゴール

 

日本はラッキーな形で1点を返し、

 

その後も同点を狙って圧倒的に攻め込みますが、

 

俄然スウェーデンの固い守備に阻まれ、決定機を作ることができません。

 

 

結局最後まであと1点が及ばず、

 

日本はスウェーデンに敗れ、ベスト16で姿を消すこととなります。

 

 

ここで痛感したのが

 

引いた相手に対しての効果的な攻め手がなく、

 

ボックス近くにいけばバックパス・・・

 

スコアとしても、時間帯としても

 

「攻めないといけない」状況でも

 

まだパス、パス・・・(ポゼッション)。

 

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自分たちのサッカーは、果たしてできていたのでしょうか・・・。

 

固いディフェンスブロックの打開はできませんでした。

 

 

 

2013年の96ジャパン(U-17)。

 

2014年のザックジャパンA代表)。

 

 

この2つのチームを観て率直に感じた課題を挙げます。

 

【攻撃面】

 ▲判断の乏しいパス(とりあえずのパス)

 ▲パスした後のつながりがない(走らない)

 ▲シュートを打たない

 ▲シュートテクニックが低い

  

【守備面】

 ▲ボールホルダーへの寄せが甘い

 ▲シュートブロックが弱い

 

【その他】

 ▲闘争心が少ない

 ▲コミュニケーションを取らない

 ▲監督のイメージした試合ができない(理解力・再現力が乏しい)

 ▲自らで考えない(指示待ち) 

 

 

辛辣な文言ばかりですが、率直に感じた感想です。

 

 

 

そう考えますと

俺たちのサッカーとは、一体何なのでしょうか?

 

 

考えさせられます。

 

「ポゼッションして崩してゴール」は、

 

格下相手には通用するかもしれませんが、

 

格上相手にはどうなのでしょうか??

 

 

また、多くの人々が認識している「俺たちのサッカー」とは、

 

イメージ先行で、戦術の枠組みとしては足りないものだらけのような気がします。

 

 

サッカーで起こりうる状況を考えれば「縦に速い」速攻も必要で、

 

また、相手が守備を固めてきたら「ポゼッションして崩す」遅攻も必要です。

 

 

さらに、96ジャパンの場合ですが

 

セットプレーは、ほとんど練習しておらず(*世界大会前にはやったようですが)、

 

例えば、事前の練習試合や親善大会などでは、ほぼ全てがショートコーナー

 

しかも、ショートで出したボールをいったん最終ラインまで戻して、

 

ボールを回し始めるのも"日常茶飯事"。

 

 

ちなみにコーナーキックから得点・・・

 

2014年W杯では、グループステージで474回のコーナーから19ゴールが発生。

 

そして、14チームはグループゲームにおいて、

 

コーナーから少なくとも1ゴールを得点しています。

 

この14チーム中の11チームが、コーナーからの得点も少し手伝い、

 

ラウンド16に進出しました。

 

 

話は戻ります。

 

 

そして、何より・・・

 

『個人技術と個人戦術(サッカー理解)の秀逸さ』

 

があってこそ、スペイン代表やバルセロナのようなサッカーは可能

 

となります。

 

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日本人はどうでしょうか?

(諦めろとは言いませんが・・・現段階でのことです)

 

 

攻め手を失いボックス周辺でボールを横に回す

 ➠シュートは打てず、ゴールは奪えない

 

相手のプレスにビルドアップミス

  ショートカウンターを受ける

 

 

前回大会で、苦しくなった試合終盤に、

 

CBの吉田選手を前線に上げてパワープレーの場面がありました。

 

ザッケローニ体制下で1度も練習したことのない形・・・

 

つまり、土壇場での捨て身の戦法に、驚きと

 

俺たちのサッカーの限界を感じました。

 

 

「自分たちのサッカーをしてワールドカップで優勝する」

 

と言って臨んだ前回のW杯。

 

 

結果は、ご存知の通り、1分2敗。

 

グループ最下位で敗退。

 

 

 選手たちが口にしていました

 

「"自分たちのスタイル"とは何か?」

 

という点を真剣に考えなくてはなりません。

 

 

"スタイルのようなもの"にすがりながら相手と戦っても・・・

 

相手は、世界各地域の予選を勝ち抜いてきた猛者。

 

 

「自分流で勝つ」

 

・・・

 

それは、現在の日本人プレーヤーの力で実現できるのでしょうか?

 

youtu.be

 

 

 「俺たちのサッカー」については、

 

実のところ明確な定義は無く、

 

最低共通項は「ポゼッションして崩してゴール」

 

という攻撃についての極端なイメージです。

 

 

 

 「日本化した日本のフットボールというものがあります・・・」

 

 

それは就任会見での西野監督の言葉です。

 

 

日本のフットボール・・・

 

私には見えてきません。

 

 

悔しさから再スタートした4年間・・・

 

何を費やして準備したのか・・・

 

前監督は、もういません。

 

 

本大会はもうすぐそこまで迫ってきています。

 

 

泣いても笑っても・・・

 

俺たちのサッカーで世界と戦うことを日本協会は選びました。

 

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