アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

人間の劣化?

『人間の劣化』と書きますと、「言いすぎですよ!」という声が返ってきそうです。

しかし、先に書きました熊本地震のこと(インターネットテレビバラエティ番組延期)に関することを考えますと、本当に人間が劣化してきたように感じずにはいられません。

書き足りないところがありましたが、熊本で地震の大きな被害が出た後のバラエティ番組延期のことですが、このインターネットテレビに出演予定でした(Jリーグアドバイザー契約をしています)ご本人の番組は、坊主麻雀というものでした。

出演者4人で麻雀をして、勝てば500万円、負ければ丸刈りにするという内容だそうです。

やはり、インターネットのテレビとはいえ、この大震災のタイミングに、このような番組を発信することには、大きな疑問と違和感を覚えます。

その後のご本人談では、(もし番組が放送され、自分が優勝した場合)賞金は全額寄付するということだそうですが、そのような寄付の仕方はいかがなものでしょうか?

番組を「見たくなければ、見なければいい」ということを言われるかも知れません。

その通りで、テレビやインターネットは、「見るもの」「見ないもの」を必ず選ばなければいけません。

しかし、見せる側は・・・面白ければ、何をやってもいいのでしょうか?

麻雀をテレビで競い、負ければ頭髪を刈る・・・そんな内容の映像を公開する(放送する)必要があるのでしょうか?

よくテレビ番組では、「いじる」ことをネタに、笑いをとったりする番組があります。

負ければ罰ゲーム。

人が陥れられる(辱められる)姿を、画面の向こうで視聴者はほくそ笑む・・・。

出演者は当然出演料をもらうのですが、本当にこんなものが番組として成り立つのでしょうか?

今回の問題に挙がった番組延期(自粛)騒動に限らず、たまたまテレビをつけた時に見る光景に、多々疑問を感じてしまいます。

 

子どもたちの周囲には、いじめの事件が大きな問題となっています。

ここでいじめの問題について書くには、スペースに限りがありますので、あまり多くを述べることはできません。

ただ気になるのが、自由主義の風潮の中、テレビやインターネットでも、好き勝手に人をイジリ、それがイジメと境目がわかりにくくなってきているのは事実ではないでしょうか。

見たければ、見なくていい・・・。

だから何をやってもよい?(別に法に触れているわけではないし・・・)

 

大人の劣化した姿が、

子どもの劣化を招き、

それが「社会問題になっている」と感じるのは、大げさでしょうか。

 

人間が人間をつくり、その『人間がするのがサッカー』です。

大学サッカーのことになりますが、昨シーズン第89回関東大学サッカーリーグ1部で、優勝を果たした早稲田大学監督が『大切にするたったひとつのこと』として、ある雑誌の取材に答えていました。

「『指導した17年間(*Jクラブ下部組織、高校、大学サッカー部)の実感』として、“人としての成長”がないとプレーヤーとしてもチームとしても、成長しにくいと強く感じました・・・」

技術や戦術を吸収して、成長していくのは人間です。

劣化した人間性では、良いプレーなどは決して望めないわけです。

トップレベルに進めば進むほど、人間性、人間力は問われていくものです。