アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

広島ユースから学ぶ ~つづき~

先回の続きになります。

あるサッカー関連の番組で話をされていましたことを、ご紹介します。

・ボールが来たら前を向く

・前に向かってプレーする

・ゴールに向かう

・相手の倍走る

・攻守の切り替えのスピードを相手より速くする

・最後の勝負の部分で闘う

など

『サッカー選手としてのベース』を太くすることを目標に

育成年代のプレーヤーを育ててこられた、現U-16日本代表の森山佳郎監督。

 

番組メインキャスターの方が、

「(サンフレッチェ広島ユース監督時代に育てたプレーヤーの中で)

この選手は予想通り、上手くいったな、上手くいっているなと

思う選手はいますか?」

の質問に、

即答で「槙野です」と答えられました。

 

槙野選手の特徴として・・・

◎明るい

◎ポジティブ

◎自己表現できる

 その3つとともに、次のようなエピソードも語られていました。

 

当時、週に1回朝練習をやっていたそうです。

内容は、土のグラウンドで1対1を1時間。

槙野選手は、地面が土であろうと(関係なく)、

スライディングし、身体を張り、全力でやっていた。

このことが、強烈に印象に残っていたそうです。

 

反対に、

「中学時代にこの先大丈夫かなと思ったけど、

その後上手くいったなというプレーヤーは誰ですか?」

という質問に、

「現日本代表の柏木選手の話」を始められました。

●精神的にネガティブ

●身体は小さい

●フィジカルは弱い

●足が遅い

ただ、 

○常に周りが見えていて

○ボールが来る前に顔が上がっていて

○(フィールドの)遠くが見えている

ということは、“ユースに入団した時から優れた特徴”であったそうです。

 

しかし、蹴れない、(体と心の)弱さが目立っていた。

“上手い”けど、「正直なところ、中学、高校止まり」で、

「プロは難しいな」と感じられたそうです・・・。

 

その後は、ご承知の通り、

槙野、柏木両選手とも、サンフレッチェ広島のトップチームで活躍。

現在は、浦和レッズの守備と攻撃のそれぞれ中心プレーヤーとして

ほぼ毎試合、スタメンで活躍。

それだけでなく、2選手とも日本代表にも選出。

柏木選手に関しては、長年日本の中盤を支え続けてきた遠藤保仁選手の後継者として、

現在は代表チームの7番をつけ、ボランチのポジションを担っています。

 

育成年代の指導は、

“難しさ”と、“楽しさ”両方が同じくらいある仕事だとつくづく感じます。

 

難しさとは、今感じていることが、そのまま将来につながるわけではないということ。

「上手いな」、「できるな」と感じていても、それが絶対ではないということ。

将来は未知数であるということ。

 

楽しさは、その反対で、「どのように変化するのかな?」という楽しみです。

 

とにもかくにも、答えは未来にあるという部分です。

 

「指導者は選手の未来に触れている」

この言葉は、かつてUEFAヨーロッパサッカー連盟)の

テクニカルダイレクターを務められたアンディ・ロクスブルグ氏の名言です。

 

私たちのような育成年代の選手に関わる指導者は、

無限の可能性を秘めたプレーヤーと共に生き、

その成長を隣で感じることができます。

 

ただ一方で、“プレーヤーの将来を左右する”とても大切な役割を担っている

という側面もあります。

 

話は戻りますが・・・柏木選手が、どうやってここまで成長したのでしょうか?

それは、ご本人に尋ねないと分からない部分でもあります。

育成年代に、心と体の脆弱な部分を危惧されてきた柏木選手が、

日本代表の主力へと成長してきた真の要因は分からなくとも、

間違いなく、自身の行動や考え方を変えようと努力や意識をされたはずです。

 

今から3年前の2013年シーズンに、次のようなエピソードがあります。

柏木選手は、リーグ序盤戦で絶不調に陥りました。

とにかくパフォーマンスが安定せず、試合を重ねれば重ねるほど

気持ちはどんどん落ちていったそうです。

一方、チームは開幕から5戦負けなし(※4勝1分)の、絶好調。

チームの雰囲気はとても良かったのにも関わらず、

柏木選手だけが“笑顔”でいられない状況に・・・。

当時を振り返ると、

「チームが勝って嬉しいはずなのに、なぜか気持ちが乗ってこない」

「自分自身に自信が持てなくて、試合の中でボールに触ることすら怖くなっていた」

そうです。

「最悪だ・・・このままじゃ、ヤバい・・・」

日々の生活から“笑顔”が消えていったそうです。

そんな矢先、柏木選手の頭のなかで思い出されたのが、

サンフレッチェ広島ユース時代の恩師である森山佳郎監督の言葉だったそうです。

 

その言葉とは・・・

 

「気持ちは引力だ。気持ちの持ちようで、なんでも物事は良い方向へ行くんだ」

だそうです。

 

この言葉を思い出し、心機一転、

「とにかく今日からは笑顔でサッカーをしよう!」

と気持ちを切り替えるようにしたことで、

Jリーグ6節の湘南戦、ピッチ上の自分に“変化”が起きたそうです。

 

「サッカーが楽しい!」

“自然”とそう思えている自分がいて、気がつけば、

自らいろんなところに顔を出しては、ボールをもらいに行っていたそうです。

その試合は、前半30分に柏木選手のスルーパスから興梠選手のゴールを演出。

さらに、後半28分には右コーナーキックファーサイドのサイドネットに

直接ゴールを決めたそうです。

 

『とにかく自分のイメージどおりにプレーができて、とてもサッカーを楽しめた』

そうです。

 

後日、

「プロになってからも、ゴリさん(森山監督)の言葉に救われるとは・・・」

としみじみ思ったそうです。

 

そして、

「僕のようにメンタルを克服したいと思っている人がいたら、『恩師の言葉』を

思い出してみるのもいいかもしれない」

とWEBサイトで語っています。

 

人は変われます。

そして、

多くの場合、その傍に良い指導者の存在があります。

『指導者が話す、一言の偉大さ』を痛感しました。

 

また、小さい頃から将来活躍するために大切な要素を築き上げてきた槙野選手。

そして、自身の意識改革や努力で、ウィークポイントを克服した柏木選手。

『成長のカギは、結局は自分自身にある』ということを再確認させられました。