不思議なジュニアのサッカーの環境 ~その1のつづき(GK)~
とにかくGKをやりたがる子は少なく、GKをやるのは、どちらかというと・・・
チームの中で足下の技術が足りない子が務める場合も多いように感じます。
しかし、海外ではあまり見られないと耳にします。
逆に、GKは身体能力が高く、チームで一番サッカーが上手い子がやるもの、
そしてユニフォームも周りと違うものを着られるなど、
様々な要素から花形のような認識もあるようです。
さらに、イタリアやドイツなどの“GK大国”では、
日本のように土のサッカーグラウンドは少なく、
“ゴールデンエイジ”にあたる10~12歳頃にはGK専門のトレーニングを積んでいるため、
技術の習得もより深まり、結果的に完成度の高いGKが育つという仕組みがあります。
それに対して、日本の小学生はGKをやりたがらず、場合によっては、
やむなくチーム全員でGKを回しながらこなしていくため、
なかなか専門的な技術が高まりにくい現実があります。
そして、日本の小学生のGKがゴールキックを蹴らないこと・・・
これにも訳が潜んでいます。
ロングキックが苦手 ⇒
ボールに上手く足を当てることができない ⇒
サッカーの基本が身についていない子がGKをやっている
ということではないでしょうか。
一概にはいえませんが、
キックが上手くできない→
パスがやシュートが不正確→
攻撃に参加させることができない…→やむなくGKを任される・・・。
これで本当にいいのでしょうか?
単純に考えますと、「GKがゴールキックを蹴らない」となりますと
他のフィールドプレーヤー(*大半はセンターバック)が
ゴールキックを蹴ることになります。
そうしますと、同じ人数のフィールドプレーヤーに差が生じ、
攻撃側(*ゴールキックを蹴る側)が数的不利な状況になるわけです。
これは明らかに、「自ら不利な状況をつくってしまっている」ことになります。
ですから、「ゴールキックはGKが蹴るべきである」と私は考えています。
『できないのなら、できるようにトレーニングをするしかない』と考えています。
なぜなら・・・
GKは特殊な技術も要しますが、『サッカープレーヤーだから』です。
想像してみてください。
蹴球とも呼ぶサッカーという競技の中において、
キックが上手くできないプレーヤーを、良いサッカープレーヤーと呼べるでしょうか?
自身が、キックが上手くできなかった日に改めて取り組むトレーニングが・・・
GKのパントキックです。
そのお手本になっています映像のひとつが、こちらです。
日本代表GKの美しいパントキックです。
☟
このたびの映像などをご覧になられていかがでしょうか?
試合で
ボールを蹴ることができないプレーヤー
身体を動かすことに課題のあるプレーヤー
サッカー理解が不足しているプレーヤー
をGKに配置するべきでしょうか?
私は優れたプレーヤーほど、フィールドプレーヤーだけでなく、
GKにも向いているのではないかと考えています。
そして、GKにも専門的な技術は小さいうちから与える必要があると同時に、
『サッカープレーヤーとしての基本技術』を
しっかりと身につけるべき
だと考えています。