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アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

強い子しか見てくれない・・・

「強い子しか見てくれない・・・」

 

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これは、今から10数年前に、前のチームを指導していた際に

Kくんが口にした言葉です。

 

Kくん・・・

初めて会った時は、小学2年生。

少人数しかいないクラスの中でも、全く目立たない存在でした。

他の同級生たちは、

 

 速い

 ガッツがある

 上手い

 

など・・・

それぞれに、各々個性がありました。

 

Kくんは、といいますと・・・

 

 ボールにも積極的に行かない

 ボールに触ったらただ蹴るだけ

 相手がドリブルで向かってくると逃げてしまう

 

といった具合に、

ガッカリさせられることが多かったことを記憶しています。

 

それから2年後、4年生になった時、

初めて夏の合宿を伴う遠征大会に参加しました。

Kくんは、バスに乗り込むと出発しても、

しばらく緊張のあまり震えていたのを覚えています・・・。

大会でも途中交代で出場させたのですが、芳しい動きはできませんでした。

 

5年生になり、小学校の部活動と並行して、休まず活動に参加していました。

しかし、相変わらずゲームでは、思い切ったプレーができず、

ボールリフティングの回数は、他の仲間にどんどん差を開けられ、

全く目立たない存在になってしまっていました。

 

ただ・・・恒例の居残り練習、

“リーダー対決(*指導者を交えた紅白戦)”には、

すすんで参加するようになり、

サッカーに対する気持ちは高まりつつあるようでした。

 

そして、小学校最後の6年生になったばかりの頃でしょうか・・・。

リーダー対決の後、一緒にサッカーゴールの片づけをしている時でした。

ボソッと何かをつぶやきました。

 

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それが、このたびのタイトル・・・

 

「監督は、強い子しか見てくれない・・・」

 

でした。

 

「今、何ていったの?」

と聞き返しますと、

同じことを言いました。

 

「“監督”って・・・(ボクは)ちゃんとKのことも見ているぞ」

と話しました。

 

「リーダーのことじゃない。学校の部活の監督のことだよ」

と答えました。

・・・

 

〈2人しばらく沈黙の後〉

私…

 「じゃあ、具体的に部活はどんな感じなの?」

Kくん…

 「試合で使えそうな子ばかりに指導をして、

  自分のように(試合に)出ない子は、放っておかれている」

 

とても複雑な気持ちになりました。。。

 

小学生時分に目立つ子、

“11歳、12歳の頃に試合で活躍している子”

 

それが、この先も大成しているのでしょうか?

順調にプロサッカー選手になっているでしょうか?

 

このことに関しましては、3か月ほど前に、当ブログ内でも触れました。

反対に今(小学生時分に)、

 目立たない

 速くない

 力強くない

といった子が、後から伸びてくる場合・・・多々あります。

 

Kくんは、6年生の1年間で大きく成長しました。

ただ私が指導していました前のクラブは、

残念ながら中学のカテゴリーを有していませんでしたので、

その先の成長を見ることはできませんでした。

中学からは、他の競技に変わり、スポーツは続けたようです。

 

 

あれから長い年月が流れ・・・

今年、毎年秋に開催されています市内小学校の対抗戦を観戦しました。

 

感想としては、全く時が止まった感を受けました。

 

例えば、あるチーム(学校)のケースです。

 

チームのエース格のプレーヤーが、

ゴールキックも蹴って、得点も狙いにいくかたちです。

 

???

 

「一体どんなサッカー?」

 

と感じられたことと思います。

 

つまり、一人の大柄な子が、

1⃣GKに代わってゴールキックを前線に大きくボールを蹴ります。

2⃣アバウトに前線に放り込まれたボールは、相手ゴール前に落ちます。

3⃣後方からロングラン。

4⃣蹴り込まれたボールの処理にもたつくボールを奪い去り、シュート。

・・・

これで点数が入ります。

 

しかし、

何かサッカーの技術、またサッカーの魅力のようなものが、

この一連の流れにあるでしょうか?

 

一方、小柄で、スピードに乏しく、エゴイスティックにプレーができない子は、

ベンチに座らされ、プレーの機会すら与えられません。

(驚くことに、選手交代をしないで一試合を通す場合も見受けられました)

 

そこにあるのは

単純に

試合に勝つことだけ

 

プレーヤーの育成には

全く焦点が当たってはいませんでした。

 

ただ一方で、この構図・・・

次のようにも考えることもできるでしょう。

 

子どものうちから

勝負の厳しさを知ること。

 

具体的には

 

◇普段から監督に見てもらえるような(かまってもらえるような)

 プレーヤーでいること

 

◇試合で使ってもらえるような(チームに貢献できるような)

 プレーヤーでいること

 

確かにそのこと(社会そのものを含めた現実)を知るのも

スポーツだから経験できる

“厳しさ”

であると思います。

 

ただし、

育成年代の指導者は、

「これから芽を出そうとするプレーヤーに光を与えてあげる」

という大切な側面も有しています。

 

甘やかすのではなく、スタンスとして

どのプレーヤーにもチャンスの機会は残すべき

だと、私は考えています。

 

小学校の部活動サッカーを観て感じることは、

先のスケール(基準)に当てはめた選手選考が多々見受けられます。

 

目立つ

速い

力強い

・・・

つまりは、身長が高く、足が速く、自己主張が強いプレーヤーです。

そこに・・・

◎確かなボールコントロール技術

◎サッカー理解

といったものは含まれていません。

 

仮にも、選ばれて先発で試合に出るプレーヤーたちですから、

全くボールが蹴れない、止めれない、運べない子どもたちでは

ありません。

 

しかし、随所のプレーは荒っぽく、基礎・基本を感じさせません。

 

つまり、将来的な可能性を感じないのです。

 

では、小学校の部活動では、

相対的にどのようなプレーヤーが選ばれている(好まれている)のか・・・

それは、力任せにプレーして、とにかく今現在、相手に優る子どもです。

 

つまりは、

今目立つ子なのです。

 

その子たちを軸に据えて、

勝たせたい、

また、

勝たせようとする

という雰囲気を大いに感じます。

 

これから伸びようとする芽、地面から顔を出し始めた芽にも

目を配り、育ててあげるのが、『育成』であり、

 

“義務教育期間”の子どもたちには、

その意識で向き合う必要があります。

 

 

試合に出してもらえない子

でも

サッカーが好きで努力を続けている子

そのような子どもにも正しく光を当ててあげること・・・

それが本当の普及活動であり、

これから育っていく子ども(育成年代)を担う大人の務めである

と私は考えています。

 

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