アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

一生懸命やること

10月も最後の日になりました。

 

秋といえば運動会。

 

その運動会当日に打ち込んだままになっていました記事を

10月の〆の記事として投稿します。

 

 

 

〈10月7日 日曜日〉

 

運動会の朝を迎えました。

 

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今年は快晴・・・

 

といっても実は、

 

本来の当日は、昨日。

 

 

今年は、雨で仕切り直しの開催です。

 

 

ちなみに一昨年は・・・

この順延日も雨。

 

さらに延期になった平日開催の当日も雨のため、

途中で切り上げる結果に・・・。

 

 

秋の天気は、細かく周期が変わるため本当に分かりません。

 

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しかし、今朝は快晴。

正に体育日和です。

 

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親として初めて経験した運動会は、

4年前。

 

 

長女が1年生の時分です。

 

 

小学校に上がっての運動会。

 

 

親としても少し緊張したことを思い出します。(笑)

 

 

徒競走。

 

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身体も小さく

足も速くない娘が、

最も個の力が要求される徒競走でどうなるか・・・

心配でした。

 

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日頃、

自身は指導者として語っています。

 

 

子どもの活動に際して

 

「大人が期待をかけ過ぎないように」

 「子どもが本来の力を発揮できるように」

 

と・・・。

 

 

そういつも口にしている本人でも、

 

いざわが子になると、どうしても“いろいろな感情”が沸き起こります。

 

人間とは、

つくづく勝手なものであると、強く気づかされる瞬間です・・・。

 

 

 

4年前、 

 

親として何もできない自分は、

前日に娘の靴をきれいに洗ってやりました。

 

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そして、当日の朝玄関口で、

 

「一生懸命やればそれでいいんだ」

 

と伝えたことを覚えています。

 

 

 

親は、実はそれぐらいしか子どもにしてやれることはありません。

 

 

 

 あとは本人(娘自身)がどうするか、なのです。

 

 

 

そして・・・

 

運動会本番、徒競走のプログラムが回ってきました。

 

 

背の順で走るため背の低いわが子は、

1年生の先頭(最初)でした。

 

 

心の準備も何もありません。

 

 

いきなり号砲が鳴り、

 

子どもたちは走り始めました。

 

・・・

 

・・・・・・

 

わが子は、

 

親の心配をよそに、

 

1着でゴールテープを切りました。

 

 

 

同時に、自然と熱いものが込み上げてきました。

 

 

 

感動・・・

 

 

何が感動を呼んだのか・・・

 

 

「順位?」

 

 

「結果??」

 

ではなく、

 

『“一生懸命”走ったこと』

 

です。

 

 

 

私が最も望んでいたのは、

 

正にそれです。

 

 

 

順位は上のほうが良いに決まっているのですが、

 

 

「それよりも大切なこと」は、

 

どんな緊張感や不安の中においても

 

『自分を信じて、最後まで全力を尽くすこと』

 

だからです。

 

 

 

 

そういえば・・・

 

つい先日、あるJリーグ関連のテレビ番組内で

 J2リーグの湘南ベルマーレ№8山田直輝選手の

インタビュー特集が印象的でした。

 

 

2017明治安田生命J2リーグ第35節

 湘南ベルマーレ vs. ツエーゲン金沢戦(9月30日 @BMWスタジアム)

 での湘南の先制点を挙げたのは、

 その山田選手でした。(*この試合は、4-2で湘南が勝利)

 

 

公式記録は、1分となっていますが・・・

正確には、キックオフから12秒05。

 

 

この得点には、山田選手の強い想いがありました。

 

「僕は、前に行くという気持ちを出したかったので・・・

  『ボールは絶対に下げない』

  とみんなに言っていて

  その気持ちが開始数秒のゴールに繋がって良かったと思います」

 (山田選手談)

 

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このゴールの一連の流れをご紹介しますと・・・

 

キックオフは、湘南。

 

ボールは、石川俊輝選手⑥から山田選手⑧へ。

そのボールを山田選手が速やかに右タッチライン際のFW藤田征也選手⑭に展開。

 

そのボールを、藤田選手がサポートに近づいたMF菊池俊介選手②と

ショートパス交換(ワンツー)でシンプルに縦に突破。

 

藤田選手は速いクロスを中央に送り・・・走り込んだ山田選手⑧が右足を一閃。

 

ジャストミートしなかったものの、

 ボールは相手GKの手かすめ、ゴールへ。

 

キックオフからゴールまでのこの流れが、

 

“12秒05”。

 

 

正に電光石火。

 

 

一度もボールは後ろに下げられることなく

 ゴールへと向かいました。

 

youtu.be

 

 

このゴールと山田選手に対しての

 曹貴裁チョウ・キジェ)監督の評価のコメントが心に残りました。

 

「『思いっきりやる』

 ということが大事なのに

  それをあいつ(山田選手)は忘れていた。

  ここ最近、

  以前の自分のサッカーに対する気持ち、イメージとか

  『“生きる”という責任感』

  とかが・・・。

  

 あいつ、

 思いっきり打ったら、当たり損ねて入ったじゃないですか。

 

 でも、そんなもんでしょ

 

 “サッカー”て

 “人生”て・・・」

 

 

 

 

元日本代表監督、アルベルト・ザッケローニ監督が常々口にしていました

 

『インテンシティ(Intensity)』

 

という言葉をふと思い出します。

 

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インテンシティとは何か?

 

サッカーでボールを持ったら、一番大事なことは何でしょう?

 

 

それはゴールに向かうこと。

 

インテンシティの高いサッカーとは・・・

 

チーム全体がアラートな状態(*ここでの意味は研ぎ澄まされた状態)を維持し、

鋭くゴールを目指すサッカーのスタイル。

 

 

潤沢な資金を基に、優れた個の力を活かしながらゴールを狙うスタイルは、

2部リーグであるJ2を戦うクラブでは、そのような攻撃方法の実現は

難しいといえます。

 

 

個々のインテンシティを高め、

 

個の能力で打開というよりも、

集団の力でゴールを狙うことが大切になります。

 

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例えば、インテンシティの高いサッカーを実現するためには、

「攻守に亘りスプリントする回数の多さ」が絶対に求められます。

 

 

チームの目標(勝利)のために献身的な姿勢

 

つまり・・・

 

一生懸命やる

 

姿勢・態度です。

 

 

湘南ベルマーレのサッカーは

正に監督が、

インテンシティを高めることを選手に求め、

それを選手たちがピッチで具現化しています。

 

 

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その湘南を率いる曹監督は、

 

一生懸命やることが大切

 

それは「人生」も同じ

 

とまで言い切りました。

 

 

 

正にその通りです。

 

 

 

しかし、現代の日本人は、一様に泥臭さを嫌う傾向にあります。

 

華麗におしゃれに・・・。

 

 

 

一方、

 

一生懸命は

“泥臭い”ものでしょうか?

 

 

全力で表現する、行動することは

恥ずかしいことでしょうか?

 

 

 

私は、子ども時分に身につけるべきことは、

その一瞬一瞬を一生懸命やる習慣だと考えています。

 

 

 

 

 

話を運動会に戻します。

 

 

束の間の空き時間、

保護者席でブログ記事の構想を練っていますが、

近くで聞こえてくるのは・・・

 

「去年は何位だった」

 

を中心に

 

勝敗や結果ばかり・・・。

 

 

 

「大人が子どもの姿勢や行動に目が向いていない」

 

ような気がしてなりません。

 

 

 

順位は後からついてくるもの。

 

 

まずはその瞬間を大事にすること。

 

 

一生懸命やったその先に、結果がついていきます。

 

 

そして、

 

今、上手くいかなくとも(結果が伴っていなくとも)

必ず成長していけるものと私は信じています。

 

 

 

子どもに親が求めたいものは・・・

 

それは

 

「その時を一生懸命やる」

 

ことです。

 

 

目の前のことを一生懸命やることは

その言葉の通り、懸命に人生を生きることにもつながります。

 

 

人間は、人間の一生懸命な姿に感動します。

 

 

そして、

 

(サッカーチームに限らず)どんな組織も

結局は、一生懸命やる人間を求めます。

 

 

 

それは、

 

一生懸命やる姿勢が、最後は結果へと繋がっていくからです。

 

 

 

最後に・・・

 

湘南ベルマーレは10月29日、今シーズンのJ2リーグ優勝を決めました。

 

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