アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

改めて、やってはいけないこととは? ~ディフェンディングサード~

少し前の試合になります。

 

 

2020J1リーグ 第13節(2020/8/29 19:03kick off @等々力競技場)

 

川崎フロンターレ vs. 清水エスパルス

 

youtu.be

 

 

前半20分、

 

自陣ゴール前でパスを回しているシーンです。

 

 

つまり、

 

ポゼッションのシーンになります。

 

 

ちなみに、

 

清水は4バックですので

 

センターバック間で横パスを繋いでいる状況です。

👇

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ここから縦にボールをつけます。

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(⚽ DF→ MF)

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と、ここまではよく見かける光景です。

 

 

センターバックからボランチへの

 

ビルドアップのパスは、

 

「サッカーでは布石」

 

とも言えます。

 

 

が、

 

しかし・・・

 

この場面のすぐ直後、

 

大変な事態となりました。

👇

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・・・

 

当然、

 

この後は

 

どうなるかは

 

判りますね。。。

 

 

 

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清水が繋いでいたボールは、

 

川崎㉒にインターセプトされ(縦に突破された後)、

 

ゴール正面へ、切り返し気味のショートパスを出されてしまいます。

 

 

それを受けた㉚は、迷わずワントラップシュート。

👇

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ディフレクション(※相手に当たってコースが変わりますが)

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ボールの勢いが優り

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シュートは、ゴール左下隅に決まります。

 

ところで、

 

なぜ、

 

この状況で

 

清水のボランチのプレーヤーは、

 

股を開けてスルーしたのでしょうか?

 

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サッカーには

 

いくつかのセオリーがあります。

 

 

その中の一つ、

 

「サード・オブ・ザ・ピッチ」

 

という概念があることは有名な話です。

 

(👇攻撃方向が左側の場合)

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で、

 

先の画像に戻り

 

確認してます。

👇

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ここでのプレーは?

 

「リスクを冒すこと❓」

 

それとも

 

「確実に繋ぐこと❔」

 

・・・

 

この選択の答えは

 

明らかです。

 

 

ボールは繋がないといけません。

 

 

なぜなら

 

この地点は、

 

ディフェンディングサード

 

だからです。

 

 

このエリアで、

 

もしボールを取られてしまう

 

当然のことながら失点の可能性が高くなります

 

 

それは、

 

ボールを持った地点が、

 

「相手ゴールに近いから」

 

です。

 

 

したがって、

 

「ボールを奪われないためのプレーが

 

 優先されなくてはいけない」

 

のです。

(*但し、それに囚われ過ぎると、ボールが前に出せなくなります)

 

 

だから、

 

リスクを冒すプレーは問題外

 

なのです。

 

 

そして、

 

より確実性のあるプレーをするのであれば・・・

 

「味方を観る」こと

 

がなくてはいけません。

 

 

では、

 

このたびの一連の画像をチェックしますと

 

・・・

 

センターバック➊がボールを持っている時

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目線はボールです。

 

センターバック➊から➋へボールが渡っている時

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ここもボールは目線です。

 

いよいよ自身にボールが入る直前では・・・

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ここでも目線はボールでした。

 

 

つまり、

 

一度も味方を確認することもなく

 

㉓は「スルーする」ことを

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決めていたのです。

 

 

しかし、

 

相手の㉒は、

 

味方(⑥)の至近にいて

 

ボール奪取を狙っていたのです。

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一方、

 

このように

 

意表を突くプレーは

 

どこでするべきでしょうか?

 

 

それは、ここ。※エリアは目安です。

👇

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アタッキングサード(Attacking Third)

 

です。

 

 

サッカーは点を取らなければ勝てません。

(無得点では、負けない事はあっても勝つことはできません)

 

 

このエリアで重要視されるものとは、

 

「相手のゴールを脅かすような、攻撃的なテクニックやアイデア

 

です。

 

 

具体的には、

 

個人の力を活かした仕掛け

 

や、

 

誰も考えていないようなプレー

 

です。

 

 

その基となるのが、

 

『技術や発想』

 

 

アタッキングサードでは、

 

大胆なプレーが求められるのです。

 

 

 

 

話は戻り、

 

ディフェンディングサード(Defending Third)

 

では、

 

バイタルエリア”を含む場所ですので、

 

「とてもセンシティブなエリア」である

 

ということもできます。

 

 

ちなみにバイタルエリアとは、

 

・・・

 

“vital(重要な)”

 

“area(範囲)”

 

です。

 

 

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ボールを取られてしまうと

 

当然ながら失点の可能性が抜群に高くなるので、

 

「ボールを奪われないためのプレー」

 

が、最も優先される場所

 

になります。

 

 

ですから、

 

リスキーなプレーは禁物。

 

 

例えば、

 

前線からチェックにきた相手をかわすようなドリブルをみせる(仕掛ける)

 

場所ではありません。

 

 

具体的には、

 

リスク回避を優先して、

 

フリーの味方にボールを繋ぐことが求められる場所。

 

 

そこで、

 

このたび採り上げたようなプレーは、

 

サッカーのセオリーに反しているとも言えます。

 

 

但し、

 

サッカーは

 

時にセオリーを崩して

 

プレーすることも求められます。

 

 

が、

 

しかし、

 

「スタジアム(場所)」

 

➠Home? Away?

 

 

「時間」

 

➠立ち上がり? ハーフタイム前? 後半立ち上がり? 試合終盤?

 

 

「スコア」

 

➠リードしている? リードされている? 同点? スコアレス? 

 

 

 

そして、

 

「順位(現在の立ち位置)」は??

 

 

▶会場は、等々力競技場(川崎のHome)

 

▶時間は、前半20分

 

▶スコアは、0-0

 

そして

 

▷順位は、川崎が首位、清水は16位

 

 この試合の前の時点で、

 

 「川崎はJ1通算400勝に王手」、

 

 「清水は直近2試合で5得点を挙げているものの連敗中」。

 

・・・

 

今年は

 

コロナ禍のルール変更に伴い、

 

J1からJ2の降格はないものの

 

通常では、

 

この試合の前の時点での16位は

 

清水にとっては、非常に危うい順位です。(※J1→J2)

 

www.jleague.jp

 

 

 

まとめます。

 

サッカーに対して、

 

現代ではいろいろな考えもありますので、

 

批判も覚悟で書きます。

 

 

私の考えでは

 

サッカーには、

 

セオリーというものがあります。

 

 

そのセオリーとは、

 

「ゴールする」、「ゴールさせない」

 

「勝つ」、「負けない」

 

という基準で考える必要があります。

 

 

プロサッカーリーグでは、

 

「優勝する」、「降格しない」

 

という命題があります。

 

 

それを

 

充分に理解した上で、

 

「各々がどのようにプレーするか」

 

を、決定する必要があります。

 

 

サッカーは

 

「○○の▲▲である」

 

と、表されることがあります。

 

 

例えば、

 

その中で、

 

「ルールのある遊び」

 

という方もいます。

 

 

遊び・・・

 

だから

 

“自由に”

 

“楽しく”

 

と、

 

子どもたちにサッカーを与えている方

 

意外に多いのではないでしょうか。

(実際、4種の試合会場で試合中「遊べ、遊べ」と声をかける指導者を見たことがあります…)

 

・・・

 

いろいろな考えがあるかと思いますが、

 

私はサッカーは、

 

子どもにとって教育(教育の手段の一つ)だと考えています。

 

 

何気ない日常、

 

「こんな時はどうする?」

 

と、考えさせられる(考えなくてはいけない)場面、

 

多々ありませんか?

 

 

子どもたちにとって、

 

宿題をする時、風呂に入る時、布団に入る時

 

・・・

 

つまり、

 

『選択や判断』が必要となる場面

 

ですよね。

 

 

そこで、

 

状況も考えないで、

 

自分の思い一辺倒で、

 

果たして上手くいくのでしょうか?

 

 

サッカーには(にも)

 

“セオリー”というものが存在します。

 

 

その材料は、

 

今、自分は、

 

どのチームで、

 

どんな試合に出ていて、

 

そして、

 

その試合は現時点で

 

何分?

 

スコアは?

 

自分の立ち位置は?

 

それによって為すべきことは自ずと変わってくる

 

のです。

 

 

サッカーは、

 

観る者にも多くのことを考えさせてくれる

 

そんなスポーツです。

 

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