熊本地震
4月14日の夜から連日、テレビ、新聞で、熊本地震のニュースが届きます。
知れば知るほど、このたびの地震の甚大さ、恐ろしさを感じます。
そして、いたたまれない気持ちになります。
どれだけ多くの方々が、恐怖を感じながら毎日を過ごされていらっしゃるのかを考えると、心が休まることができません。
昨日、J1リーグで試合後、鹿島アントラーズの熊本県出身の植田直通選手が、インタビューに言葉を詰まらせていました。
そして、(インタビュアーの「プレーで勇気づける」ということですね」という投げかけに対し)「僕には、それしかできない。頑張ります。」と声を絞り出しました。
そして、「(涙をこらえるのは)無理でしたね。育ったところが、あんな風になって。衝撃を受けて、今すぐにでも行きたいと思った。鹿島側にも湘南側にも激励の横断幕があって、グッときた・・・」その後の取材に対して答えていたそうです。
植田選手の心の“痛み”、“苦しみ”は、計り知れないものがあります。
一方、インターネットのニュースで目にしましたが、震災に関することに対し(バラエティ放送延期に)苦言を呈する人もいます。
この苦言を呈された方は、ご自身が出演するはずだった番組が、急きょ延期になることを知り、次のように私見を述べたそうですが・・・
「熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係無い馬鹿げた行為。人のスケジュールをおさえといて、勝手に何も言わずにキャンセルするとはね。・・・(*このあとのコメントは、見るに堪えません)」
どうやらインターネットのテレビ局に出演予定があったようなのですが、その番組が延期になったことを憤っているようです。
自身がご出演予定の番組が、「地上波テレビではないから」という理由もあるようですが・・・。
つまり、「バラエティ番組が、熊本の状況を伝えるための報道を妨げる訳ではない」ということです・・・。
しかし、私はどうしても違和感を感じてしまいます。
『“人の痛み”を感じる』
『相手を慮る』
『遠慮する』
といった考えや行動は、悪いことなのでしょうか?
これを日本人的だと(日本人の欠点として)マイナスとして捉える人がいます。
ただ日本人のこの『思慮深い部分』は、海外からも高い評価を得てきたことではないでしょうか。
自分の仕事をキャンセルされたからといって、そのような考え、そしてSNSを通してのコメントは、やはりありえません。
さらに遺憾なことは、この方は(本業とは別な顔として)Jリーグアドバイザーとしての立場もおありだからで
す。
Jリーグが発展することは、日本代表の強化にもつながります。
それだけでなく、この国でサッカーを始めた子どもたちの夢が広がります。
Jリーグは、さらに大きく成長してほしいです。
しかし、その発展と成長のために絶対に犠牲にしてほしくないことがあります。
それは、『心』です。
植田選手の心から湧き上がる涙に、私も涙が出ました。
同じ人間として、そしてサッカー仲間として。
早く余震が収まり、このたび被災された皆さまが穏やかな生活を取り戻すことができますよう心より祈るばかりです。