アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

モラル

先回、人間の劣化についての危機感を書きました。

反響が多かったようです。

多くの皆さまに読んでいただき、感じていただけたことうれしく思います。<(_ _)>

 

そこで、今回はモラルというものを考えてみたいと思います。

先回、「坊主麻雀」から、「いじり、いじめ」、そして「人間性、人間力」に展開しました。

そこまで話を広げる必要があったのか否か。

私はあるように思います。

なぜなら、自身のモラルに触れるからです。

では、モラルとは?

『個人の道徳心、倫理観』です。

 

話は逸れますが、ついしばらく前に、「芸能界のゴタゴタ(*妻子ある者の人間関係)」、「有名コメンテーターの経歴詐称」などが、連日取りだたされていました。

しかし、これらの出来事は、一瞬世間を賑わすのですが、いつの間にか消えていきます。

なぜなら、これらは(近しい方々に迷惑をかけるとはいえ)個人の道徳観や倫理観の問題、つまりモラルの問題だけだからです。

法律のことは詳しくないのですが、これらは警察沙汰になることは、おそらくありません。

しかし・・・

モラルのことは、軽視してよいものでしょうか?

 

道徳観や倫理観というものは、環境、風土、慣習などによって、変わるものです。

ですので、世界の国々の人々と日本人に、考え方や大切にするポイント(*優先順位)が微妙に(→時に大きく)違うところがあります。

 では、日本人の道徳観、倫理観とは・・・?

海外の方々からの、日本人のイメージとして、『武士(サムライ)』があります。

そして、スポーツ日本代表チームにも、“サムライ”という言葉が用いられています。

◎サッカー男子日本代表は、SAMURAI BLUE

◎野球日本代表は、侍ジャパン

日本人の心の象徴として、武士の魂というものがあることは事実です。

武士の魂のたとえとして、「正義感」、「責任感」、「信念」というものがあります。

どの言葉も、私はとても心に響きます。

しかしその一方で、時代錯誤的だ、封建的だ、とマイナスのイメージを持つ人も多いようです。

ただ繰り返しますが、日本人の美徳の源は、武士道からきたものであることは間違いありません。

そして、それは『日本人のモラル(の高さ)』として、世界からも一目を置かれています

 

しかし、このモラルの低下がいろいろなところで見えます。

今日、昨日も別々の公園でボールを蹴るのですが・・・本当にごみの多いこと!!

不可抗力で飛散したものとは思えません。

先回もご紹介しました早稲田大学ア式蹴球部(サッカー部)古賀監督の話の続きです。
「次元が低い話ですけど・・・」という前置きの後、「私が監督として就任したときは、ゴミがグラウンドのそこらじゅうに落ちている状況でした。自分たちだけが使っているわけではなく、小学生や中学生のスクールで使われたりもする。いろいろな人が使う場であるのに、ゴミが落ちていることに気づいてもだれも拾おうとしない。練習や試合観戦への遅刻は常態化していました。レギュラー選手が練習前の夜遅くまで飲み歩くことが許されてしまっていました。」そうです。

つまり、部内には“サッカーが全てだ”という空気感があり、ピッチ外(サッカーを離れた所)の取り組みや人としての取り組みが、疎かにされてしまっていたということです。

それから、まずはゴミを拾うということを監督自ら行ったそうです。

就任されてからリーグ制覇を成し遂げるまで、5年間を要しました。

早稲田大学ア式蹴球部の躍進から見えてくるもの・・・

それはモラルの向上は、サッカーの質や結果を変えるということです。

ただ、

モラルは、個人の心の問題です。

ルール(規定、基準)があるわけでもありません。

また、勝手にモラルが育つわけでもありません。

しかし、モラルを高めようとすれば、必ず向上します。