メディア
メディアとは、(伝達・通信・表現などの)媒体、媒質、伝達手段、中間などの意味を持つ英単語で、“medium”の複数形になります。
情報を人々に伝える機関や事業、システムなどを総じて「メディア」と言うそうです。
インターネットやWebサイトなども一種のメディアとみなされますが、
一般的には、『大勢の人に向かって一斉に情報を発信する』新聞や雑誌、
テレビ、ラジオなどの“マスメディア”が、メディアの中心です。
さて、そのメディアのひとつ、テレビのある番組で、
世界的に有名なサッカー選手のプレーや動作解析、
さらには脳の動きまで調べるものがありました。
先のワールドカップ(2014ブラジル大会)前に放送された番組ですので、
2年も前のことになります。
当時、自身がブログも行っていなかったため、
このたび初めてこの件について取り上げたいと思います。
番組は、ブラジル代表のエース、ネイマール選手の動きを
モーションキャプチャーやハイスピードカメラを駆使して分析するものでした。
その番組中、誰もが注目するのが、ネイマール選手の際立つ
「ドリブルの動作解析」のところだったのではないでしょうか。
その主な結果は次の2点・・・
・デモンストレーション中の1対1でのボールタッチ数が左右ほぼ一緒であること
(スロー再生の中でカウント…利き足右12回 非利き足左9回)
結論…「多くの選手が利き足に頼る中、ネイマール選手はどちらの足でもボールを自在に操ることができる」
・ペダラーダ、エラシコ、カヘチーリャ、カネッタ、メイアルア、シャペウ・・・などネイマール選手の得意なフェイントが紹介され、とにかく多くのフェイントを持っている。使うフェイントは、ドリブルをしている最中に思いつき、それを状況に応じて出していき、抜けなかったら別のフェイントを使う。(その繰り返し)
結論…「フェイントの多さがプレーの幅を広げる」
さて、この番組は(W杯前のサッカー熱が高い)当時、
多くの子どもたち、その保護者が観られたのではないかと思います。
しかし、テレビで紹介しているこれ(この結論)を鵜呑みにしてよいのでしょうか?
私なりの感想ですが、
◎ボールは、基本利き足の右足の前にありました。
◎1対1のフェイントをしかけるシーンは、止まった状態(相手と正対して)で、
さらにディフェンス役は、本気で身体を寄せてはいませんでした。
ネイマール選手のドリブルが上手な理由・・・
それはいつも同じボールの持ち方をしているからです。
つまり、
『基本的なボールの持ち方』が確立しているからです。
常に利き足である右足でボールをコントロールできるようにしています。
つまり、
技術の幹となる、右足の前にボールを出してドリブルを開始しているのです。
(●それはファーストタッチからはじまっています)
ネイマール選手は、相手ディフェンダーを抜き去ることに長けており、
そしていろいろな足技(フェイント)を持っているのは間違いありません。
ただ、相手にしかける前のボールの位置、それが1個分でもズレていたら、
タッチの遅れやバランスの崩れが生じて、
ネイマール選手でもボールを奪われてしまうかと思います。
また、ネイマール選手のドリブルの姿勢をみていると、
体の中の芯が一本綺麗に通っており、身のこなしが非常に柔らかいです。
本当に日本の子どもたちが上手くなるためには
きちんと整理しなくてはいけません。
どこにボールを置いているか・・・
基本の大切さ
ブラジル人選手と日本人選手の違い・・・
身体的な特徴の理解
左右でボールをなぶり(←もて遊び)ながらドリブルして、相手にしかけることができるでしょうか?
相手と対峙した時にボールは、自分の真に強い(正確に運べる、正確に蹴る)ところにあるでしょうか?
そして・・・完全に正対した(動きが“0”の)状態で、相手を抜き去ることが果たしてできるでしょうか?
この上記を無視して抜けるのは、
相手が自身とレベル(力)に大きな開きがあるからか、
相手が油断しているから
ではないでしょうか?
本当の力とは??
日本が世界に追いつき、勝つためには???
やはり基本が大切です。
ネイマール選手は、
ボールの置き場所、ボールの持ち方、技術の幹が存在します。
(当たり前ですが、基本が確立しています)
日本の子どもは、低年齢のうちから基本に向き合う必要が間違いなくあります。
加えて、ネイマール選手には、ドリブルやキックの時に分かる、
驚くべき身体のしなやかさがあります。
これは身体的にストロングな部分であり、
日本人は、残念ながら有していないところだと思います。
だからこそ、日本の子どもたちに
“身体を自由に動かせる”ようになる
「トレーニング」や「環境づくり」を
『意図的に導入』していかなければいけません。
メディアも事の本質や、表現の部分に意識を持つ必要があります。
一方、観る側も、いかに観るかということが深く問われます。
視聴者の奇をてらった情報はいくらでもあります。
(むしろその方が多いように感じます)
だからこそ、
情報に正しく向き合うことが、私たちにも必須となってきます。
そして、正しい意識のもとでの活動が必要となります。
私たちアレグランでは、それに真に向き合い、日々活動しています。
(一人でも多くのグッドプレーヤーを輩出するべく・・・)
正にこの数日の『アレグラン日記』は、
基本である“ボールの持ち方”について触れています。
もしよろしければ、
クラブの日記(http://alegrun.link/)もご覧いただけましたら幸いです。