ニーズとは?
ニーズとは?
ニーズとは、求め、要求、需要などを指します。
需要の高い食品として、レトルト食品があります。
[レトルト]
“簡単”や“便利”、“即席”のような意味で使われているこの言葉は、
実は、レトルト食品(レトルトしょくひん)からきているようです。
気密性性及び遮光性を有する容器で密封し、加圧加熱殺菌した食品。
広義では缶詰も含まれ、食品業界では加圧加熱殺菌全般を指すそうです。
(※ちなみに“レトルトパウチ”は、和製英語ではなく、
Retort pouchiという英語が同様の意味で通用しているそうです)
軽量で取り扱いやすく、簡単に開けられること、わずかな時間で温められること、
さらに容器の廃棄処理がしやすいことなどの特徴があります。
簡単で便利で、すぐにできて、そして安価な
レトルト食品は、消費を大きく伸ばします。
つまり、「消費者の『ニーズ』に応えた」部分が、
広まった要因といえます。
この技術を開発された技術者、研究者の方の熱意や努力は
素晴らしいと思います。
さて、この『ニーズ』というもの(考え方)ですが、
私たちが担っています社会教育の分野でも大きく捉えられるようになりました。
以前、ある企業コンサルタントの方に相談をさせていただく機会がありました。
その際に、直接ご指摘を受けたことが、
「あなた(クラブ)がやろうとしていることが
対象者(お子さまや保護者さま)のニーズに合っていないような気がする」
ということでした。
さらに、自クラブが掲げています
『子どもの成長』という理念が、「(保護者さまに)伝わりにくい」
ということも指摘されました。
先方のお話では、
伝わりやすいキーワード…
例えば、
大会で優勝したことは? (具体的に)○○ができるようになるとか?
が
動機をくすぐるそうです・・・。
確かにそうです。
では、これまで自身が頻繁に用いてきた、『成長』という言葉では、だめなのか?
その日から考えました・・・。
何度も、何度も考えました・・・・・・。
しかし、『子どもの成長』という言葉の他に見つかる言葉とは?
そもそも「ニーズ」とは?
見つかりませんでした。
頭に浮かぶ言葉は、やはり『子どもの成長』です。
一方で、この『ニーズ』というもの・・・
そのものが、子どもの成長につながっていれば良いのですが・・・。
改めて、食品で考えてみましょう。
要求や需要という意味の、『ニーズ』ですが、
簡単、便利、安価で、そこそこ美味しければ(ニーズは)高まります。
食品は購入後には、
「口に入り」
それから
「お腹に届き」
その後
「消化吸収」
されていきます。
食べる人間側にとっては、
その食材、添加物、味付けなどが、
積み重なれば、(※ここでは健康面などはなしと考えて)
それが『習慣』となっていきます。
つまり好きな味として、定着していきます。
ことさら、これが人間の教育という分野であれば・・・。
『教育とは、正に“繰り返しの賜物”』です。
「大人は子どもに良いものを与える」
「子どもはその良いものを吸収しようとする」
この2つにより、
子どもはより良く成長していきます。
環境は、人間の人格を形成していきます。
そして、重大なことに、
その形成された人格が、
その子どもの将来をも左右します。
子ども時代に過ごす場所、そして経験。
『ニーズ』に応える・・・
ある意味、危険な考えではないでしょうか。
簡単、便利、楽、安い・・・
ニーズというものに則した環境でしか育ったことのない子どもは・・・
将来、どのような人間になっていくのでしょうか?