アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

大切な3つのコントロール…その1 “心”

良いプレーをするために必要なもの(要素)があります。

それは、『コントロール』です。

 

サッカーにおいて、一番分かり易い“コントロール”は、

「ボールコントロールではないでしょうか。

サッカーをあまりよく知らない方も含め、

誰が観ても分かるプレーヤーの「ボールのコントロール」の部分は、

ゲームの出来栄えを左右する、とても重要な要素を占めています。

 http://livedoor.blogimg.jp/kurrism/imgs/7/9/79c4ed4a.jpg

 

次に、「身体のコントロールです。

上手く身体を動かすこと、

身体が安定していること、

これらは、ボールコントロールを支える力でもあります。

http://www.soccerdigestweb.com/files/topics/14885_ext_04_0.jpg

 

そして、先回も書きました「心のコントロールです。

(*ちなみに心はheart、mind、spiritなどの言葉がありますが・・・

       ここでは感情的な意味での心(heart)の意味合いが強いでしょうか)

 

心が乱れてしまいますと、身体もブレ、技術もブレてしまいますので、

やはり私は、心の部分をまずは強調したいと考えています。

 

結局は、人間がしているのがサッカーであり、スポーツであり、

そして、人間の一生が人生だからです。

 

一昨日のニュースで、次のようなタイトル記事がありました。

“ジェイ先制弾もペットボトル投げ警告 名波監督「次は使いません」”

ジェイ、名波監督とは?

そのお二人は、静岡県磐田市をホームタウンとする、Jリーグに加盟する

プロサッカークラブ、ジュビロ磐田のプレーヤーと監督です。

ジェイ選手・・・本名ジェイ・ボスロイド選手は、国籍はイングランド

昨年シーズン(当時)J2に所属していたジュビロ磐田に完全移籍で加入。

リーグ戦に32試合出場し、20得点を挙げ、リーグ得点王に輝きました。

今シーズンは、J1に昇格したチームの中で、14試合出場10得点。

Jリーグ公式ホームページ参照:2016年7月30日時点

このジェイ選手の来日後の活躍はもちろんですが、

これまでの経歴も素晴らしいものがあります。

イングランドの名門、アーセナルの下部組織出身で元イングランド代表選手。

U-16を皮切りに、U-18、U-20、U-21と育成カテゴリーでの代表歴があり、

正真正銘の世界レベルのプレーヤーです。

ただ・・・そのような経歴を持ちながら、アーセナルのトップチームへの昇格は

ありませんでした。(*最初の契約クラブはコベントリーFC)

イングランド代表で、現在テレビ解説者のマーティン・キーオン氏は、

ジェイ選手を次のように語っています。

アーセナルの若手として必要なものをすべて持っていたが、

態度が悪く自信過剰な面があったことが、トップ昇格へ繋がらなかった

 

あくまでこれは、第3者の評価ですが、これは今シーズンに入ってからも

2回報道がなされています。

 

ひとつが、先日のペットボトルを投げたことに端を発する警告。

www.sponichi.co.jp

 

二つ目は、6月にチーム内で生じた問題です。

www.nikkansports.com

 

私もJリーグを観戦する中で、ジェイ選手のパフォーマンスは、

「やはりワールドクラス」

と思わず、つぶやく場面が多々ありました。

フォワードプレーヤーとしての潜在能力の高さ・・・間違いなく素晴らしいものが

あります。

しかし、チームとしての和や規律を重んじる監督からは、外されてしまうシーンが

今シーズンに至っては2度あったわけです。

(◎自身の信念に基づき、チームづくりの本道を進もうとしている名波監督の姿勢は、

  毅然としてとても立派です。自身は街クラブですが、監督して学ぶところがあります。)

ジェイ選手は一方で、ジュビロに加入したばかりの2015年3月8日に行われた

J2開幕戦、ギラヴァンツ北九州戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、

その賞金10万円を、東日本大震災の復興支援に寄付。

さらに、6月6日の対ツエーゲン金沢戦での賞金も、同様に寄付。

そして、その6月の13日には、被災地も訪問したそうです。

 

ジェイ選手は、得点感覚に優れた、素晴らしいプレーヤーであると共に、

ピッチを離れれば、とても“nice guy”なのです。

 

だからこそ・・・感情(*心の面)のコントロールができれば、

さらにその評価が高まることと思うのです。

 

また、監督の方針から外されてしまうと、試合出場の機会は減少し、

それが「自らの行いによって、自らの活躍の場を奪う」という、

とても残念な結果が生まれます。

 

選手はチーム(監督)から、日々のトレーニングの中で

厳しいプログラムも、課せられるわけです。

そして、チームには方針があり、そしてそのチームの中でも競争が行われます。

時に、ままならない状況にも出くわします。

ですから、自らの心をコントロールすることも持っておく必要があります。

 

一方、闘いの場に出る、サッカープレーヤーに闘争心は必要です。

しかし、その“熱い状況下”においても、どこか“冷静な心”を備えておくことが

大切です。

 

技術面や肉体面だけでない部分、

感情面のコントロールを身につけることは、

「スポーツだけでなく、何事においても」

実はとても重要になってくることです。

育成期の子どもを持つ(指導する)大人は、その部分を正しく理解し、

目の前の子どもに向き合う必要があります。