上手ければ、力があれば・・・良い??
五輪が終わり、余韻も冷めやらぬ間に、
次は、W杯ロシア大会に向けたアジア最終予選が始まろうとしています。
SAMURAI BLUE(日本代表)は、アジア最終予選をグループBで
約1年をかけて、アジア代表の座をかけて戦うことになります。
◇このたびの選出されました代表メンバー、及び試合日程等は、下をクリックしてご確認ください。
☟
サッカー日本代表 ~アジア最終予選~ 9/1,9/6メンバー発表
グループBには日本以外は、
オーストラリア
タイ
・・・どの国にも苦戦した記憶があります。
「簡単な試合は、ひとつもない」
と思います。
大事な初戦を前に、自ずと気持ちが高まります・・・。
“日本人”として、
“サッカー人”として、
サッカー日本代表を応援したいと思います。
ところで、このたび発表されました代表選手の中に
最近選出され続けていました、あるプレーヤーの名前がありませんでした。
ケガかな?
コンディションの問題かな?
それとも
新しいプレーヤーを試したいから(外れたの)かな?
・・・
常連プレーヤーが外れるいろいろなことについては、
普通は、上記のような理由がありますが、
監督の説明話では、どうやら違うようです・・・。
話は変わってしまいますが、自身の若い頃を思い出しました。
正に、“指導者になりたて”の頃のことでした。
先輩が、ご自身の友人が(県外で)観た話として、私に話してくださいました。
「○○SCの子どもは、厳しさの中で切磋琢磨しているみたいだよ。
ある子がパスを上手に受けることができなかった・・・
そのような場面で、パスを出した子が怒り、ミスした子に詰め寄り、
その子を蹴り飛ばしたそうだ。(もちろん蹴られた子は泣きます)
しかし、その場にいたコーチは、一切口出ししなかった・・・
理由は、
『プロを目指したいのだったらミスをするな』
『悔しかったら、這い上がってくる逞しさが必要だ』
という考えのようだ・・・」
右も左もよく分からない、若い自分は(疑問を感じながらも)
強い選手をつくること、またその環境で活動する子どもは大変だな、
と、ただただ感じたことを覚えています。
また、実際に試合で出かけて行きますと、チームの仲間だけでなく、
指導者から罵声や暴言、時には理不尽な体罰を受ける子どもも
目の当たりにしました。
そのような経験を経て、明確な答えが見つかりました。
私たちは、
ただただ“小手先だけ上手い”サッカープレーヤーをつくっていくのが務めではなく、
「真に強い『人間』を育てているのだ」
ということです。
強い人間とは・・・?
暴言を吐くでしょうか??
暴力を振るうでしょうか??
・・・それは、あり得ませんね。
仮に、「プロの厳しさを(子どもの頃から)叩き込むんだ」
ということで、子どもたちに接していたとします。
でもその中の何人が、本当にプロになることができるのでしょうか?
ひとまず幸運にもプロになれたとして、その後、
何歳までサッカーのプレーで、生計を立てることができるのでしょうか?
(◎当ブログ内で、これらのことに言及した記事が過去にあります)
☟
まず、「人間としての自分」をしっかりと「正しくつくっていくこと」が大切です。
今回の代表選手選考の時のように、
自身をコントロールできず、
チームの輪を乱す不安があるプレーヤーを、
わざわざ選ぶ監督はいないでしょう。
(*一部、それを分かっていても、招集するもの好きな監督もいるかもしれませんが・・・)
サッカープレーヤに“アグレッシブさ”は、必要不可欠な要素だと思います。
ハリルホジッチ監督自身、
『デュエル』という、
英語で“決闘”を意味する言葉を、これまでも頻繁に用ています。
しかし、その“闘争心”も、
あくまで「コントロールされた中」での話であり、
『自分勝手に暴れまわることとは、わけが異なります』。
このたび、選出されなかったプレーヤーに対して、
Web上では、擁護する意見も聞かれます。
理由は、停滞している攻撃陣の中で、精力的に攻撃的に動き
「相手を混乱させるプレーができているから」だそうです。
しかし、人間が行うものがサッカーであり、
その『人間性』が、そのアスリートの人生につながり、
観ている者もそれ(生きざま)を観て、感動するものです。
そして、「サッカーはチームで動くもの」です。
勝利を得るためには、“チーム力”は欠かせません。
ただ、人が多く集まるチーム内には、時に納得できないことも出てくるでしょう。
しかしそれは、学校や職場も同じではないでしょうか。
もし、異論があるならば、それに必要な話し合いの場を持つべきです。
感情的になって、チームの結束にマイナスになる行動をとってしまっては、
最悪の場合、己がチームから放出されることになり、
「自分で自分の首を絞める」結果を招くことになるでしょう。
最後に、 これとは真逆の出来事が同じ試合で(*開始直前に)ありました。
現在、湘南ベルマーレのジネイ選手の行動です。
ジネイ選手は、今シーズンのファーストステージまでは、
この当日の相手、鹿島アントラーズのプレーヤーでした。
(⇒つまり、ファーストステージ限りで、契約満了で鹿島を出たプレーヤーです)
しかし、この試合のキックオフ前、鹿島の石井監督以下、
ベンチにいる全てのスタッフや選手と挨拶を交わしてから、
ピッチに入って行ったそうです。
いわば、“日本人以上の律義さ”を見せた、
ジネイ選手の『人間性』が表れた一コマでした。