イチロー選手が育った環境
前回、イチロー選手について書きました。
調べる中で、記録にも記憶にも残るアスリートとして、
イチロー選手の偉大さを改めて感じました。
では、そのイチロー選手は、どのようにして野球をすることになったのでしょうか?
そのことについて、今回は調べて書きたいと思います。
イチロー選手は、お父さんの影響で野球を始めたことは有名な話です。
ただ・・・イチロー選手は、お父さんから
「はい、今日から野球のバッティングをするぞ」
ということを言われて、野球を始めたわけではありません。
ではどうやって(どのようなきっかけで)イチロー選手は、
野球をすることになったのでしょうか・・・?
お父さんは、いつもご自身がバッティングセンターに出かける時に、
息子さん(*イチロー選手)を連れて行きました。
そして、自分がバッティングをする様子を、
来る日も来る日も息子さんに見せ続けました。
連れて行くたびに、子どもにはバッティングをさせずに
自分が楽しむ姿を見せ続けました。
そしてついに、息子さん自身から
「僕もさせて」
と言うようになり、
そこでお父さんは、“初めて”わが子にバッティングをすることを許しました。
つまり、お父さんは
「わけが分かっていない子どもに、『ただやらせた』」のではなく、
子どもに『自分からやりたい』という気持ちを起こさせ、
子どもが自分の努力で伸びていく、そのきっかけを与えられたわけです。
ここで分かることが2つあります。
①スポーツを始めるにあたり「○○をやりなさい」という強制はなかった
⇒しかし、ただ放っておいたわけではありません。
「自分からやる」という“きっかけを与える”ことを続けました。
②子どもに対して良いお手本になった
⇒自分を見て子どもが始めるわけですから、適当なことはできなかったはずです。
楽しそうに、そして上手に打つところを見せたはずです。
そんなイチロー選手のお父さんも、野球経験者だそうです。
高校時代は愛知県大会で準決勝まで進出するなど、
競技者としての実績を持っていらっしゃるそうです。
ただ、イチロー選手にどうしても野球をやらせたいと考えていたわけではなく、
「もし息子がサッカーをやりたいと言っていたら、
私も一緒にボールを蹴っていたでしょう」と後に語っています。
つまり、野球であってもサッカーであっても、お父さんはイチロー選手の夢を
応援しようとする姿勢で、横を走ってくれたわけです。
自身の夢を一緒に追いかけてくれる父親の存在は、
子どもがプロ選手になるにあたって、不可欠だったと言っても過言ではありません。
このたびは、短いながら日米の野球界を代表する名プレーヤーの
そのきっかけの部分を取り上げました。
その後、イチロー選手は、地元の有力高校からオリックスに入団し、
どのような活躍を繰り広げたかは、皆さまご承知の通りです。
ある教育団体の「子どもの教育」に関するインタビューに対して、
お父さんは次のように答えられていらっしゃいます。
――野球を通じて、伝えたかったことは何でしょうか?
一朗には、「人はひとりで生きているわけではないんだ」と、
いつも言い聞かせていました。
野球がうまくても、周囲に感謝できない人間ではしょうがないですから。
小、中、高校で出会った野球部の監督や仲間たちをはじめ、ご近所のみなさんも、
常に私たち親子を見守り、一朗の夢を応援してくれました。
私たちが通ったバッティングセンターの社長が、
一朗のために特別速いボールが出るマシンを用意してくれたこともありました。
そういう方々のおかげで、今のイチローがあるのだと、
一朗自身も分かっていると思います。
――子どもの教育に関して、一番大切なことは何でしょうか?
20歳までは、親の責任でしっかりと教育しなければならないと思いますね。
その中でも少年時代、いわば義務教育の間が特に重要で、
この期間に、親や学校の先生をはじめとした周りの大人が、
ちゃんと見てあげることが大切です。
そうすれば、子どもは間違った道には進まないし、
自分の夢や目標に向かって努力できる子どもになります。
――今、日本の教育が問われていますが・・・
教育は一朝一夕でできるものではありません。
地道に、ねばり強くコツコツと種をまいてやっと、花を咲かせるものです。
手間、愛情、お金がかかるものですし、そうあって当然のものだと思います。
教育をおろそかにした結果は、先が見えていますから。
教育はよくも悪くも受け継がれていくもの。
だからこそ、今、日本の将来のために国に真剣に教育に取り組んでもらいたいし、
私たち国民の一人ひとりも、もっと関心を持たなければならないと思います。
そうして、子どもたちがのびのびと夢を描き、育める社会を
みんなで支えていきたいですね。
このたびサッカー選手ではありませんが、
野球界のトップアスリートであるイチロー選手を調べる中で、
改めて気づかされたことがあります。
『子どもへの大人の想い、そして意図した正しい関わり』は、
子どもの将来にとって、とても重要であるということです。
そして、親は子どもの手本であり続けるために、
自身が常に子どもに見られていることを自覚することも大切ですね。