問題を解決する力
最近、子どもたちとサッカーをしていますと
“強く感じる(危惧する)”ことがあります。
それは
「教えたことしかやらない」
ということです。
正確には、
『教えたことしか “やれない”』
ということです。
実は、このように感じるのは、
サッカーの場面だけではありません。
体育教室や親子教室でも・・・
とにかく様々な場面で感じられます。
このことに関しては
「対象者が子どもだから(仕方ない)でしょう」
という声が返ってきそうです。
しかし・・・
本当に年齢だけが関与しているのでしょうか?
サッカーの話に焦点を当てます。
蹴ること(キック)
運ぶこと(ドリブル)
は、とても大切な技術 です。
【インステップキック】
➀斜め後方から助走をとる
➁軸足(*立ち足)はボールの横にしっかり踏み込む
③軸足の向きは目標の方向に置く
④軸足側の腕を上げてバランスをとる
⑤蹴り足の膝を中心に振り上げる
⑥足首を伸ばした状態で固定する
⑦足の甲でボールの中心を打つ
⑧蹴り足を真っ直ぐに振り抜く
【ドリブルのタッチ】
➀アウトサイドでボールに触れる
➠[理由]スピードが出しやすい(スムーズにできる)・プレーの選択肢が増えるなど
➁上体を起こす
③体軸を整える
④ステップを踏む
⑤蹴り足が届かない所にボールを置かない
⑥利き足のつま先付近にボールを置く
子どもでも大人でも
アマチュアでもプロでも
・・・
サッカーの基礎や基本は、全く変わりません。
ですから、“育成年代”だからこそ、
アレグランでは基礎・基本の習得に努めています。
この基礎・基本の部分が“型(形)”となり、
自身のプレーに大きな力を与えてくれます。
但し・・・
型は必要ですが、
この型がそのまま
実際に『ピッチ内で起こること』の全てを
解決してくれるわけではありません!
つまりは、
型を力(ベース)に、
『相手や状況に応じて、発展・応用させていくこと』
が重要になってきます。
例えば・・・
インステップキックですが、
普通にボールをインパクトするだけでは、
ボールは浮きません。
(ただ単に、ライナー性の低い弾道のボールになります)
では、ゴールキックには、
“基本通りのまま”のインステップキックが、適しているでしょうか?
ゴールキックは、ある程度の飛距離が求められるため、
味方、相手の「頭を越すボール」を蹴ることが求められます。
ですので・・・
通常よりも足首を少しねかし気味に(角度を変えて)
“足の甲の内側”で
『ボールの下をインパクトして』
浮き球の強いボールを蹴る必要が出てきます。
ドリブルに関しても同様です。
利き足が右の場合、基本通り
右足のつま先付近にボールを置きながら
そのまま悠々と相手ゴールに迫れるわけがありません。
なぜなら守備者(ディフェンダー)は、
攻撃側がやりたいことを当然ですが、
防いできます。
つまり、相手オフェンスプレーヤーが右利きの場合、
右側は消されます。
ですので・・・
ただ“漠然”と、利き足側に抜け出そうとするのではなく
『“あえて”左に出る動き』
を見せて相手ディフェンダーを誘い出し、
本来行きたい(オフェンスプレーヤーから見て)右側を開けさせることが
必要になります。
これらは、どういうことかと言いますと・・・
基礎・基本は大切。
しかし、
相手がいる、ゴールがあるサッカーですので、
『基礎や基本を状況に応じて
どのように変化させて使っていくのか』
が大切なのです。
つまり、工夫が必要なのです。
逆に、
言われたことしかできないようでは、
繰り返しますが、状況を打開することはできません。
(実は、サッカー以外の何事も、成功を導くためには、
ただやるだけではなく、この“工夫”というものが必要ではないでしょうか)
しかし現場に目を向けますと・・・
私たちのクラブの子どもたちも、
この「工夫」というものができない子が増えてきているように感じます。
基礎や基本は、定着してきているのに、
応用が利かないのです。
これは、大きな問題でもあります。
ではなぜ、このような『応用が利かない子ども』が増加しているのでしょうか?
それは、
大人が子どもに与える「教育環境」に原因の一つがあるように感じます。
例えば、算数。
という答えの問題・・・。
日本の学校教育の中では
一般的には
「1+1=いくらですか?」
になります。
しかし、
重要なことは
『2という答えをどのように導き出したか』
ということです。
つまり、
◯+◯=2
・・・この◯に入る数字を考えることです。
さらには、
「+-×÷の“計算方法は自由(*本人のアイデア)”で、答えは2になれば良い」
といったような学習の方法を用いると、
自然に応用力は養われるのではないでしょうか。
丸暗記
右向け右、左向け左
の、半ば“言いなり”の学習スタイル
・・・。
ゆとり教育は、
それらの課題を打開するために生まれた方策ですが、
残念ながら実を伴っていないような気がします。
(▶『現実は逆』であるように感じます)
また話を聞く姿勢。
その他の対応(振る舞い)を見ていますと
年齢に関わらず
話が聞けない人・・・
問いに対して答えられない人・・・
増えているように感じます。
そして一方で
「かっこいいな」
「こんな人になりたいな」
と思わせる大人の方もいらっしゃいます。
話を伺いますと、
規模の大小に関わらず、社会のどこかで活躍されています。
(*「~長」といった肩書の方です)
社会のいろいろな場面で活躍できる人は、
ご自身の意見はお持ちなのですが、
人の話も聞く耳があります。
そして、工夫ができます。
これらの大切さを考えさせる、学ぶ時間・・・
サッカースクールの限られた時間で
それを設けるのは、大変悩ましい課題です。
クラブでは、一週間に1回会う子が大半。
そして、その1回が1時間余り。
その中で一人一人にできるだけボールを多く触らせ、
且つゲームも行うとなりますと・・・
やはり、
「根本解決に要する時間に、“余裕”は残されていません」。
しかし、大切なことは変わりはありません。
人の話を聞く『傾聴力』
自分で考える『創意工夫』
自クラブのアレグランでは、時間の許す限り
「子どもたちに話し」、
そして
「子どもたちに考えさせる時間」
を設けています。
ただ子どもたちにこの大事なことを植えつけるには、
繰り返しますが、如何せん時間が足りません。
やはり、
各家庭、及び学校で『問題を解決する力』を積み上げて欲しいと思います。
生まれてから言葉を覚え
物事を理解する過程の中で、
話を聞く・考えるという能動的な姿勢が大切だということを
理解する(理解を促す)ことを疎かにしてはいけません。
将来を切り開くのは、
子ども自身です。
“明るい未来”
“幸せを掴む”
人物は、
『問題を解決をする力』
を有しています。