印象に左右されず、真実を見極める
7月に入り、気温が上がり、テレビも新聞も
水分補給
塩分補給
などが大きく喚起されるようになりました。
ところでこの熱中症・・・
人間の身体調節機能を奪い、
めまい、失神、頭痛、吐き気、体温の異常な上昇等を引き起こし、
最悪の場合は、死に至らしめます。
この熱中症というもの・・・
身体が頑強ではない、
乳幼児や高齢者が罹り易いのですが、
近年のケースでは、
日頃、運動部に所属し、
“比較的体力もあるはず”の学生が、
熱中症になるケースが度々あります。
先日、次のようなニュースがありました。
最高気温34・7度。今年一番の暑さの中で開幕した埼玉大会では、
開会式で数人の選手が熱中症のような症状を訴えた。
埼玉大会では2年前から熱中症対策として、
通常は五回終了時にのみ行うグラウンド整備を、
三、六回終了時に入れて選手、審判、観客に水分補給を促す。
開幕戦を戦った開智の捕手、市川は守りからベンチへ戻るたびに
スポーツドリンクを飲み、冷やしたタオルで首を冷やしたり顔を拭いたりした。
七回からは救援のマウンドにも上がり、
「めちゃくちゃ暑かったけど、冷やしタオルが気持ち良くて大丈夫でした」。
夏は始まったばかり。
暑さ対策も勝利へ向けて必要不可欠となる。・・・
時代は変わりました。
私たちが子どもの頃・・・
まだ時代が“昭和”だった頃は
「水は飲むな」
は当たり前・・・。
しかし、
そんな時代にも、夏はありました。
日差しはきつく
地面からの熱は強く
肌で感じる空気は湿気で重く
汗が止まりませんでした・・・。
年功序列が当たり前の時代
上級生ならまだしも・・・
特に下級生の頃は、最悪でした。
そんな時・・・
雑用を“理由”に水場に行き、
先輩の目を盗んで、
“こっそり”蛇口から水を飲んでいました。
おおっぴらに水を飲むことは
気持ちの弱い「根性なし」
集団の規律を乱す「我がまま者」
・・・
即、レッテルが貼られました。
しかし一方で、
熱中症が問題になることなど、
特にありませんでした。
「熱中症で倒れた人はいなかったのか?」
といいますと、
気分が悪くなって保健室に行く人、
部活ではなくとも、朝礼、集会の最中に倒れた人はいました。
ただ、今の世の中では信じられないことですが、
当時は、それで保護者が学校や教師にクレームを入れることなどは
少なくとも私の周りではありませんでした。
話は逸れますが、
例えば、子どもが何らか原因でアザを作って帰宅しても、
「お前が悪い事をしたから仕方ない」
と、逆に親から子どもが叱られた時代でした。
当時の環境は、多々理不尽さを感じることがありましたので、
大人になった今、
身近な子どもたちを見ると、羨ましく思うこともあります。
しかし、
私たちの時代の子どもは、どこか心身ともに骨太で、
現代の子どもは、どこか脆弱であるように感じます。
『◯◯にならないように』
(失敗しないように、困らないように)
予め大人が整えて環境づくりに努めて
子どもはそれ(大人が準備してくれること)を当たり前のように享受し、
さして「恵まれている」とも感じていない・・・
もどかしさを感じます。
一方、大人は
子どもに気に入られるために
必死で何かを為そうとします。
なぜなら・・・
単純に“子どもに人気の大人”、
子どもにとっての満足度の高い環境をつくれる大人は、
受け入れられる傾向にあります。
だから大人は、人気取り(人気投票に勝つこと)に走ります・・・。
逆に今現在、
『子どもにとって都合の悪い環境は却下』
されてしまいます。
このような状況の中では、
子どもは子ども自身が
工夫したり
我慢したり
することは、必然的になくなっていきます。
スポーツは“科学”です。
全てが根性で、何とかなるわけではありません。
大人が大人の都合ではなく、
将来を視野に入れた育成
と
子どもが育ちやすい(成長していける)環境づくり
に、常に努めなくはなりません。
ですが、
大人がやたらめったら環境づくりにやっきになり、
「大切なこと」を忘れてはいないでしょうか。
ままならない状況の中、
我慢して、工夫し、何とか状況を打開すること・・・
現代の子どもたちはできているでしょうか??
大人は環境づくりと称して、
書籍やネット、メディア等で挙がったものを鵜呑みにして
例え誤ったものであったとしても、
何でも“環境づくり”に取り込んではいないでしょうか?
大切なことは、時代が変化しても決して変わりません。
時は動き、
より良いもの、新しい(効果的な)方法も見つかっていますが、
重要なことは、
自分の目や耳から入る情報を、きちんと脳で見極め、
“本当に正しいこと”を
『選択できるか』ということです。
繰り返しますが、
私の子ども時分は、
子どもが生きにくい(伸びにくい)時代でした。
昔に戻したいとは決して思いません。
しかし、
だからといって、
何もかも変えよう
巷に流れた情報をそのまま導入しよう
とは思いません。
先人の知恵
昔から行ってきたこと
は(理論上)正しかったのだということも多々あります。
今回触れました
水分補給のことにつきましては、
つづき(次回)に述べたいと思います。
正しいことを見極め
必要な情報なのか否かを
取捨選択できるか・・・
『何をどれだけ実行するのか』は、
大人の正しい判断にかかっています。