大人が子どもにしてあげる本当のこととは
年明けから数日が経過したある日、
別室にいた自クラブのスタッフでもある妻が
私のいる部屋に入ってきて、
少し険しい顔で、(いきなり)次のような言葉を口にしました。
「アレグラン(*自クラブ)は、やっぱり間違っていない!」
???
(急に何を言い出すのだ・・・)
よく分からない状況に、
問いかけました。
「何があったの?」
ちなみに、妻がいた部屋は、私たちの"仕事部屋"で、
仕事用のPCも置いてありますので、
クラブ宛の何らかのメールでも見たのかと思いました。
最近はなくなりましたが、
クラブを根本から立て直そうとしていた
"混乱期"には、いろいろなメールが入ってきました。
その大半は、
クラブに対しての見当違いな要求でした。
(ちなみに、それらの要求をされた方は、自ずとクラブを辞められました)
久しぶりに頭を悩ますメールでも入ったのか?
と思いましたが・・・
どうやら違っており、
元日発行の新聞を読んで、心に響いたところがあったようです。
妻の返答は
「確信した・・・アレグランは今も過去も大切なことをやってきた!」
でした。
・・・
すぐさま
妻が運営していますブログを開きました。
ブログの名は
です。
(まだ一度もご覧になられていらっしゃらない方は、こちらのブログにもぜひお越しください)
夫婦とはいえ、
ブログは、全く別で運営しています。
"各々の素直な想い"を反映するために、
妻もこのブログ(サッカーの素)には、基本ノータッチです。
で、その妻が書いていた内容が、
こちらになります。
👇
力がこもっています。
文面から、今までにない勢いを感じました。
そして、
妻自身が、今何を想い、子どもたちに向き合っているのかが確認できました。
正に"アレグラン"らしい内容だったかと思います。
ブログをご一読いただくとご理解いただけるかと思いますが、
私たちは、現場の待遇改善を望んでいるのではありません。
(もちろん、我々の生活は苦しく、このままではいけないのですが・・・)
投げやりな考え方ではいけませんが・・・
指導者とは、そもそも報われないものだと思っています。
殊更、
「サッカーの指導」
「対象者は子ども」
という2つが揃うと、
残念ながら世間一般では
『子どもと遊んでいる』
と思われることが多いです。
悔しい限りですが・・・。
確かに、目的がズレていて、
サッカー、子ども相手に、一儲けしようと考えている大人が大勢いるのも事実で、
▲草サッカー大会で勝ち
「子どもの夢を叶えてあげている」
▲サッカーウエアーを着せてボールを蹴らせて、子どもと時間を過ごし
「子どもの将来の道を開いてあげている」
と、勘違いしている団体も多々あります。
「草大会で入賞すれば、子どもは上手くなったのでしょうか❓」
「クラブチームでサッカーをしている子は、健康で、賢くなるのでしょうか❓」
これは何回も書いていますが、
実は、どれも違います!
我々、育成年代の指導者が為すことは、
子どもたちの成長を確実に導くことです。
その成長とは、
大会で勝利したり、入賞したりすることとは、
関係がないことを、
大人は充分に心得ておかなければなりません。
殊更
育成年代は、個人差が大きいのが特徴です。
それが試合では、結果となって如実に表れます。
▷足の速い子
▷身体の大きい子
▷先天的に感覚の良い子
・・・
つまり、早熟系の子を有しているチームが、試合で勝利を収めます。
これは自身の経験上、事実です。
ですから、
これらの子どもが偶然揃った年に、
急激に良い戦績を叩き出すことがあります。
そして、
その影響(噂等)で、子どもを集め、
クラブが大きくなったりもします。
・・・
でもこれは、
子ども個々の成長ではありませんし、
それを実現しているクラブが良い団体と考えるのは、
全く的外れというものです。
ところで本題ですが、
本来、私たち育成期を担当するクラブが見据えるところは、
子どもたちの将来です。
プレーヤーとしてはもちろんですが、
子どもたちが
一人でしっかりと生きて、世の役に立つこと
ではないでしょうか。
「今、勝つ・・・のではなく
将来(人生)に勝つ」
のです。
スポーツには、負けることが多々あります。
試合はもちろんですが、
続けていく中で、自分に負けるシーンに多々出くわします。
「もうだめかな」
「これくらいでいいかな」
「楽しいから・・・まあ、いいか」
手を抜いた適当なサッカーは、
「楽しいのではなく、ただラクをしただけ」
なのかも知れません。
スポーツに正しく向き合えば、
必ずそれに気づかされます。
一方、
そうやって真っ直ぐに向き合えば、
逃げる子
言い訳する子
が出てきます・・・。
何も特別なことを求めているわけではないのに・・・。
時代のせいでしょうか?
これが現代っ子というものでしょうか?
そして、巷には
「子どものうちに楽しいことを経験させれば伸びる」
という現実に即さない、安直な言葉が並びます。
一生懸命やれば、息が上がりますよね?
上手くなろうとすれば、困難なことに出くわしますよね?
「疲れる」
「気分が乗らない」
から
適当にプレーして、一見楽しんでいるような子を多く見かけます。
夢中になるから、楽しめるのでは?
本気でやるから上手くなり、楽しめるのではないでしょうか。
参考までに・・・
かつて予測を裏切るプレーで観客を楽しませ、
"奇術師"とも称された元ブラジル代表MFのジャウミーニャこと、
ジャウマ・フェイトサ・ジアス氏の現役当時の言葉が印象的です。
「楽しむ? 負けて、何が楽しいんだよ?」
その通りです。
負けは悔しい・・・
できなければ悔しい・・・
だから明日は勝てるように、
できなければ、できるようになるまで挑戦する
ことが大切なのです。
話は少し逸れますが・・・
ブラジル人プレーヤーは、
試合の所々で、何か"遊び"のようなプレーをしますので、
「適当にやっている」と感じている方
・・・
多くいるのではないでしょうか。
それは大きな誤解です!!
不断の努力により培われた技術が、心身に余裕を生み出し、
魅惑的なプレーへと繋がっているのです。
その源は、真剣なボールの奪い合いを繰り返す中、
培われた力なのです。
日頃から"遊び半分"にプレーしているわけでは、決してありません。
話は戻り、
逆に
「ただただボールを蹴るだけ」
それで何が変わりますか?
成長は・・・ありますか?
そして、
好きなサッカーをしているはずなのに
その気になれない子
・・・
放っておくことは、できませんね。
生きていくためには
もっと大変なこと、
例えば、やりたくないことだって、
現実は、山ほどあるのだから。
好きなことすら
がんばれないで
夢中になれないで
本気になれないで
「人生を楽しめますか?」
そのような
ジリツできていない子
を
どうやってジリツさせるか
が
私たちの仕事の本分なのです。
「こんな時代だから・・・」
で済ませてはいけません。
良い人生を送るためには、
2つのジリツができなくてはなりません。
それは
です。
自立と自律ができれば、
その子は、どんな道でも一人で歩いていけます。
どんな場所でも活躍できます。
少年少女のサッカーの指導者には、
これ(自立と自律)を促すことは無理なのでしょうか?
いえ、
無理ではありません。
サッカーには、
スポーツには、
子どもの自立と自律を導く力があります。
大人はそれを強く信じ、
そこに向き合い続けることが大切です。
子どもの将来を指し示せる指導者に・・・
これからもそれを目指し、歩んでいきたいと思います。