アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

【育成のポイント】自動車に例えて(前輪と後輪のタイヤのコンディションが走りを変えます)

 育成年代とは?

 

 

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広義で捉えますと

 

・・・

 

「幼児から高校生まで」

 

ではないでしょうか。

 

 

 

 

日本サッカー協会の登録制度を参照に

 

5種の女子

 

4種の小学生

 

3種の中学生

 

2種の高校生

 

と分かれています。

 

 

そしてこれ以外は、

 

1種となります。

 

 ・・・

 

Jリーガーもここに属するわけです。

(※一部2種登録選手もいますが)

 

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したがって、

 

日本では2種までのカテゴリー・・・

 

ここが育成年代と言えます。

 

 

 

 

中でも

 

最も競技者数の多いカテゴリー

 

小学生年代の4種は、

 

正に競技者(子ども)の取り合いをしている状況です。

 

 

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なぜ?

 

 

 

 

それは、どこの団体も

 

「試合がしたい」

 

そしてその試合で

 

「少しでも結果を残したい(勝ちたい)」

 

からです。

 

(ここの部分は後に述べますが、大人はこの年代で結果を望むべきではないと思います)

 

 

 

 

どうして??

 

 

 

 

それは

 

私のような民間クラブで

 

明確な広報となるのは・・・

 

「勝利の数」

 

つまり

 

「結果」

 

だからです。

 

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現実社会が

 

そうなっては欲しくないのですが・・・

 

 

大人にとっては

 

『勝利の数 = 良い育成の結果』

 

という図式が、

 

誰でも簡単に頭に思い浮かべやすいもの

 

ですから、

 

ついついそれに流されてしまいがちです。

 

 

 

 

私は断言します。

 

 

 勝利の数 = 良い育成の結果

 

・・・

 

「それは決してイコールにはならない」

 

ということを。

 

 

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「負け惜しみ」

 

と言われても

 

ここは声を大にして言います。

 

 

 

 

小学生時分の結果なんて

 

いとも簡単に覆されてしまう

 

ことを。

 

 

 

 

「子ども時分の結果は将来に直結しない」

 

 大半がそうなっています。

 

 

 

大切なことは

 

その後の伸び

 

なのです。

 

 

 

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小学生年代で

 

結果を出す必要があるのでしょうか?

 

 

 

 

 

その部分が、私は全く理解ができません。

 

 

 

 

一方で、

 

『勝利を目指し、懸命にプレーする習慣を身につけること』

 

は大切です。

 

 

 

 

では

 

▶小学生年代で本当に必要なもの

 

▶身につけさせなければいけないもの

 

▶やっておかなければいけない経験

 

とは??

 

 

 

 

子ども時分に求めること

 

・・・

 

 

チームで、メダルやトロフィー、カップを獲ることでしょうか?

 

 

個人が、地区や県選抜に選出されることでしょうか?

 

 

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・・・

 

 

どれも違います!

 

 

 

 

20年以上もこの(育成の)世界に身を投じていますと

 

とんでもない才能に出くわすことがあります。

 

 

 

 

これまで自身も、

 

千人に一人のような才能に出会いました。

 

 

 

 

どこにいてもキラキラ光るその才能は、

 

どんな場所に行っても際立っていました。

 

 

 

 

そんな子は・・・

 

 

実は

 

“誰が教えても”

 

(小学生時分は)輝きます。

 

 

 

 

その子を擁し、その子を中心に据えて

 

チームがそこそこ試合を勝ち上がることも充分可能です。

 

 

 

 

でも、

 

子ども(人間)の大半は、

 

自身もわが子も含め

 

「普通」

 

なのです。

 

 

 

 

普通は、

 

決して悪くありません!

 

 

 

 

その普通の子を、

 

“いかに成長させていくか”が

 

育成年代はとても大切になるポイント

 

なのです。

 

 

 

 

普通の子ですから、

 

その育成には

 

時間もエネルギーも要すものです。

 

 

 

 

さらに中には、

 

不器用な子だっています。

 

 

 

 

でも、

 

そのような子もサッカーは好きで

 

上手くなろうとトレーニングに参加します。

 

 

成長を欲しています。

 

 

 

大人は子どもの

 

「成長したい」という願望を

 

認めなくていけません。

 

 

 

 

そして、

 

そこの部分に光を与えなくてはなりません。

 

 

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だから・・・

 

育成年代は、

 

口を酸っぱくしながらも根気強く子どもに向き合う指導者の姿勢

 

それ(わが子の成長)をじっくり待てる親の姿勢が求められるのです。

 

 

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ここで、ひとつの例を紹介します。

 

 

 

それは柔道家小川直也氏の話です。

 

 

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小川氏は世界柔道選手権では3度優勝、

 

1992年のバルセロナオリンピックでは銀メダルを獲得。

 

さらに現役引退後は、プロの格闘家として活躍されたことでも有名です。

 

 

現在は道場を開き、子どもたちを指導されています。

 

 

ご自身の長男で小川雄勢 選手は、

 

2014年の高校選手権無差別級で優勝、

 

昨年バクー(アゼルバイジャン)での世界柔道選手権団体混合で金メダルを獲得。

 

2020年東京五輪の期待の星として注目されている選手の一人として成長しています。

 

www.sanspo.com

 

 

一方、

 

父である小川氏は息子に対し(最初は)

 

「柔道だけはやらせたくなかった」

 

と思っていたそうです。

(現に「女子の中では数少ない男子だから出番が多い」との理由でクラシックバレエを習っていたそうです)

 

 

 

 

「(五輪メダリストの)自分の息子だから強いだろうというイメージが、

  足かせになるんじゃないか。柔道を嫌になってしまうのではないか」

 

との理由でスタートは遅く、

 

雄勢 選手が柔道を始めたのは9歳の時でした。

 

 

その時、

 

小川氏は自らが教えようと、自宅を取り壊し道場を開設。

 

 

 

 

その指導方針は、

 

”勝ち負け”よりも”礼儀”や”受け身”の『基本を徹底的に教えること』。

 

 

だから、雄勢 選手は、当時試合では負けてばかりだったそうです。

 

 

しかしそれに対し、父である小川氏は全く動じませんでした。

 

「トップクラスになると負けることはできなくなる。

 小さい頃は”負ける”ことも覚えないといけない。

 (子どもの頃の)負けた経験が糧になる」

 

の信念のもと、息子を育成していきます。

 

 

一方、周囲からは

 

「(負けてばかりで)大丈夫ですか」

 

と言われることも多々あったそうです。

 

 

ただそれに反して息子は、

 

高校へ進学すると全国レベルにまで成長していきます。

 

 

しかしここでも驚きのエピソードがあります。

 

 

高校最後の夏の全国高校総体では3回戦で敗退。

 

 

大きな挫折に直面した息子に小川氏は「休ませたほうが良いだろう」と、

 

海外旅行に連れて行ったそうです。

 

 

それから(全国高校総体の)1ヶ月後、

 

雄勢 選手は、大学生も出場する全日本ジュニア選手権で優勝を果たします。

 

 

 

 

育成年代で何を子どもに為すべきか

 

それは、

 

①その競技に必要な基礎基本を固めること

 

②その競技をする人間の人間力を高めること

 

この2点

 

 

 

 

もちろん、

 

その種目(競技)を好きになること

 

は重要なのですが・・・

 

そこが変に誇張され

 

「子どもに本当のことを伝えない、与えない」指導者

 

「諦めたり、少しの背伸びを躊躇う」親

 

が多いことが気になります。

 

 

 

本当のサッカーは

 

「タフで難しい」

 

正に“人間力”が問われるスポーツです。

 

 

 

 

「嫌いになっては困るから」

 

という安直な理由で、

 

簡単なこと、ラクなことしか与えない・・・

 

本当に気になります。

 

 

 

 

サッカーはもとより、

 

スポーツ自体は、難しく苦しくとも

 

スポーツそのものが楽しいものです。

 

 

だから、

 

無理やりに楽しさをアピールしたり、

 

無理やりに難しい部分を隠そうとしたりしないほうが良い

 

と私は考えています。

 

 

 

 

話は横道に逸れてしまいましたが、

 

①基礎基本を固めること

 

人間力を高めること

 

これに尽きます。

 

 

 

 

これを

 

どれぐらい我慢強く、拘りを持って

 

指導者が取り組むことができるかがカギになってきます。

 

 

 

 

 

 

子どもの育成を

 

正しく理解し、大切なことを確実に施す指導者、

 

それをバックアップする保護者

 

・・・

 

この2つは

 

自動車の前輪、後輪の関係と同じなのです。

 

 

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車はなぜスムーズに走るのでしょうか?

 

 

 

そして大切なこと・・・

 

あなたの車は

 

「目的地を目指して走っていますか?」

 

 

そして

 

「目的地まで到達しそうですか??」

 

 

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