アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

サッカーから何を感じるか?何を得るか?が大切なことなのです

先月、

 

日本でも馴染み深い

 

イタリアの

 

ボローニャのニュースがありました。

 

 

 

そのボローニャFCですが、

 

現在、日本人プレーヤーの

 

冨安健洋 選手⑭が所属しています。

 

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ボローニャは、

 

先月5日に行なわれたセリエA第30節で、

 

敵地で強豪インテルと対戦し、

 

2-1で見事な逆転勝ちを収めました。

 

 

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そして

 

この試合ですが、

 

ボローニャは前半22分に先制された上、

 

さらに、後半12分にはロベルト・ソリアーノ選手㉑が退場となり、

 

数的不利の状況にも追い込ました。

 

 

 

その劣勢のゲームで流れを変えたのが、

 

後半20分に冨安 選手⑭との交代で送り出された

 

若干18歳のガンビア人FWムサ・ジュワラ選手㉖でした。

 

 

 


後半29分に左サイドでのスローインから・・・

 

相手方のペナルティエリア内でのクリアミスに反応し、

 

利き足の左足一閃。

 

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同点弾をゴール左隅にねじ込みました。

 

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その3分後には

 

驚異的なスピードを活かしたドリブルの仕掛けで、

 

対応した相手DFアレッサンドロ・バストーニ選手が退場となるファウルを誘発。

 

 

 

その直後に、

 

同郷ガンビアのFWムサ・バロウ選手が逆転ゴールを決め、

 

ボローニャが勝利を収めました。

 

youtu.be

 

 

で、

 

このムサ・ジュワラ選手は、

 

4年前に母国を離れ、

 

“一人でボートに乗り込み”、

 

イタリアのシチリア島メッシーナに上陸した

 

のです。

 

 

???

 

 

つまり、

 

所謂

 

ボートピープル

 

だったのです。

 

 

 

ボートピープルとは??

 

 

ボートピープル(英語: boat people)

 

・・・

 

紛争・圧政などの下にある地から、漁船やヨットなどの小船に乗り、

難民(経済・政治)となって外国へ逃げ出した人々である。

*出典: フリー百科事典:ウィキペディアWikipedia

 

 

 

ここ日本では、

 

今一つ想像がつかないボートピープル・・・。

 

 

withnews.jp

 

 

 

世界の各地では、

 

日本では信じられない光景があるのです。

 

 

 

まず、

 

このたび採り上げました

 

ボローニャFC所属のプレーヤーの故郷、

 

ガンビア」とはどこにあるのでしょうか?

 

 

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国名は、

 

ガンビア川に由来。

 

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今から約半世紀前の1965年2月18日、

 

イギリスから独立。

 

 

公用語は、英語。

 

 

2015年12月10日に

 

当時の大統領ヤヒヤ・ジャメによって一度は、

 

ガンビアイスラム共和国(Islamic Republic of the Gambia)に

 

変更されましたが、

 

ジャメ大統領の後任として就任したアダマ・バロウ大統領は、

 

イスラム教徒は全体の90%であり、

 

 他にキリスト教徒やアニミズム(土着宗教)がいるため、イスラム共和国ではない」

 

と述べ、2017年1月28日に国名を元に戻しました。

 

 

 

 

日本語の表記は、

 

ガンビア共和国

 

 

通称ガンビア

 

 

ちなみに、

 

漢字表記では“岡比亜”と書くそうです。

 

 

 

ムサ・ジュワラ選手は、

 

現地「Calciomercato」の報道によれば、

 

2016年、単身難民として

 

“14歳”で、イタリアに渡ってきたそうです。

 

 

そのルートは、

 

セネガル西サハラ、モロッコチュニジアを陸路で越え、

 

最後は、

 

船で命からがらイタリアのシチリア島にたどり着いたそうです。

 

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その際、

 

ムサ・ジュワラ(少年)は、

 

2万5000人の未成年の中の一人に過ぎない存在でした。

 

 

イタリア当局により、

 

ナポリの南にあるポテンツァ地方に移送。

 

 

当時未成年であったため、

 

法的な保護者を必要としており、

 

それに名乗り出たのが地元のクラブ、

 

ヴィルトゥス・アヴィッリャーノのコーチであった

 

ヴィタントニオ・スンマ氏。

 

 

マチュアチームでプレーし始めた彼の才能はすぐに全国へ広まり、

 

セリエAの約半分のクラブが、

 

彼をスカウティングするほどになったそうです。

 

 

これを耳にするだけでも、

 

素晴らしいタレント(才能の持ち主)

 

だということが分かります。

 

 

 

ただ次に、

 

またまた試練が訪れます。

 

 

彼はガンビアを離れたとはいえ国籍を持っていたため、

 

未成年者の国際移籍と扱われ、

 

イタリアサッカー連盟には認められませんでした。

 

 

しかしそこで、

 

彼を助けたのは代理人のエンツォ・ライオラ氏

 

と、弁護士のヴィトーリオ・リーゴ氏でした。

 

 

一旦下れた裁定に異議を唱え、

 

特例としてFIGC(イタリアサッカー連盟)に

 

移籍を認めさせました。

 

 

 

移籍先は、

 

ACキエーヴォ・ヴェローナ

 

 

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プリマヴェーラ(※育成カテゴリー)最初のシーズンで15試合に出場し、

 

8ゴール1アシストを記録し、

 

周囲から注目を集める存在となっていきました。

 

 

2018年11月11日、

 

出場機会を得ることはなかったのですが、

 

初のトップチームの招集を受けます。

 

 

その後、

 

トルネオ・ヴィアレッジョ(※イタリアの国際ユースサッカー大会)

 

に参加するトリノへ短期レンタルを経験。

 

欧州サッカーにも“甲子園”がある。久保建英のライバルは名選手の息子? - セリエA - Number Web - ナンバー

 

 

そしてついに、

 

昨年の5月25日に行われたフロジノーネ戦(セリエA 2018-2019 第38節)で

 

プロデビューを飾りました。

 

[セリエA] 第38節 フロジノーネvsキエーボ LIVEスコア | ゲキサカ

 

 

 

そして、

 

それから約一か月後の2019年7月8日、

 

現在所属のボローニャFCと契約。

 

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2019-20シーズン終盤にトップチームに昇格。

 

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さて、

 

今回は、とても前置きが長くなってしまいました。

 

 

 

このたびの

 

ムサ・ジュワラ選手の背景

 

・・・

 

これこそが、

 

サッカーで学ぶべきことの大切な一つである』

 

と、確信しています。

 

 

 

それは何?

 

 

 

苦労した末に幸福が待っている・・・

 

と、いうこと??

 

 

 

もちろん、

 

それ(を感じること)も

 

学びの一つでもあります。

 

 

 

でも、

 

私は違うのです。

 

 

 

説明します。

 

 

サッカーは、

 

“グローバル”な

 

スポーツです。

 

 

だから、

 

世界を感じることができるのです。

 

 

世界には

 

いろいろな国や地域があり、

 

それぞれの場所で、

 

必ずと言ってよいほど、

 

サッカーが行われています。

 

 

そして、

 

つくづく感じることが、

 

「日本は、日本の子どもたちは、

 

 非常に恵まれている」

 

と、いうことです。

 

 

 

このたびピックアップしましたプレーヤーが、

 

母国(ガンビア)を脱出したのは、

 

14歳の時。

 

 

 

わが子は、

 

まもなく13歳。

 

 

 

親の仕事の関係で、

 

他の友だちに比べると

 

経済的に不安定(苦しい)環境下で

 

現在も生きています。

 

 

でも、

 

「海を渡り、他国に逃れる

 

 なんてことは、

 

 全く現実には起こりえないこと」

 

です。

 

 

 

経済的に苦しいと言っても、

 

そこまでではありません。。。

 

 

 

「むしろ、恵まれている」

 

のだと思います。

 

 

 

その恵まれた豊かな環境下で

 

サッカーをすると・・・

 

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ぐだぐだ、ダラダラ

 

が、日常茶飯事になります。

 

 

 

で、

 

上の写真のように、

 

親が少し厳しく指摘すると

 

ふてくされたり(時に泣いたり)

 

・・・

 

それを見かけた他の方からは、

 

「その接し方は~」

 

といった具合に、

 

白い目で見られることもしばしばあります。

 

 

 

私は、

 

(自身の強い希望)

 

「子どもをサッカー選手にさせたい」

 

との思いから、

 

わが子にサッカーをさせているわけでは

 

決してありません!

 

 

 

 

 

これは確信があります。

 

 

 

 

では、なぜ❓❔

 

 

 

 

わが子の自慢話ではありません。

 

 

参考までに・・・

 

他の方からよく言われることがあります。

 

 

「女の子なのに、サッカーが上手だね」

 

と。

 

 

 

女の子がサッカーをするのは、やはり不自然なのか?

 

サッカーが上手いとは、リフティングが少しばかりできることなのか?

 

・・・

 

全て違います。

 

 

 

サッカーは楽しいスポーツです。

 

 

そして、子どもたちは

 

その楽しいサッカーを、身近なところでできる時代になりました。

(この日本では)

 

 

 

サッカーが上手くなればサッカー選手という職業もあり、

 

そして、

 

さらに上手く、強くなれば、日本代表にもなれる可能性があり、

 

海外の相手と国際試合で優勝カップをかけて相対することができる、、、

 

そのような時代になりました。

 

 

 

でも・・・

 

それが目的ではないのです。

 

 

 

「(わが子が)サッカーをするその目的は、

 

 有名になることでも、

 

 スター(アイドル)選手になることでも、

 

 なく、

 

 『サッカーからもらえる様々なことを吸収し、

 

  しっかりとした大人になること』

 

 なのです」

 

 

 

最後に

 

世界的なサッカープレーヤーの一人、

 

サミュエル・エトー氏(元カメルーン代表)の言葉を書きます。

 

 

「アフリカから欧州に渡ってきたときから、

 “危険を冒さなければ成功は得られない”という考えでやってきた。

 成功は与えられるものではなく、勝ち取るものなのだ。

 自分を『我が強い人間だ』と実感するときもあるよ。

 けれども、その気の強さが自分を後押しし、苦境でも助けてくれたんだ」

 

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数年前のミニ国体の試合会場で、

 

ある有名なサッカー指導者の方(※元日本代表)と

 

直接お話をさせていただく機会がありました。

 

 

それは、立ち話でしたが、とても中身の濃い内容でした。

 

 

そして、その指導者の方から私は訓示を受けました。

 

 

「これからはアフリカがくるよ(世界を席巻するよ)。

 

 アフリカの人は、ハングリーだからね。

 

 『ぜひ、育成の現場で“負けず嫌いの子”をつくってください』」

 

と。

 

 

あれから数年が経ち、

 

さらに日本は豊かになりました。

 

 

 

わが子もあと3カ月で、

 

13歳になろうとしています。

 

 

 

本人も私も

 

おかげさまで、

 

現在もなんとかサッカーにしがみついています。

 

 

 

(わが子の方は、なんとなくの程度しか分かってはいないと思いますが)

私たちは、まだまだサッカーから学びたいから。

 

 

 

この素晴らしいサッカーから

 

生きるために大切なことを

 

これからも学んでいきたいと思っています。

 

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