アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

真実を見極める目と心

いきなりですが、

『情弱』という言葉・・・

ご存知でしょうか?

 

これは「じょうじゃく」と読みます。

 “情報弱者”・・・つまり「情報に弱い人」という意味です。

情報に弱い人というのは、

どういう人かといいますと・・・

つまりは、「情報化社会についていけていない人」になり、

一般的にインターネットに、疎い人を指します・・・。
 
ところで昨日、日頃よく見かけます、

テレビショッピングの特別番組を放送していました。

 

メインは、電子辞書でした。

 

そこでも伝統(?) の3点は、健在でした。

 

「お囃子(おはやし)調の語り口」

 ・・・購買意欲を煽る

「値引き率を過剰にアピール」

 ・・・お得感を前面に出す

「付属品をセット売りする」

 ・・・ラストのダメ押し

 

そして、最後の決め台詞が

『総額約63万円相当、総重量約147kg相当の情報が手のひらサイズに!』

でした。

 

しかし、そもそもこの“電子辞書”というもの、

皆さん使われるのでしょうか?

 

現在、パソコンと同等に近い機能を備えたスマートフォンの普及率は、

70%に迫る勢いで伸びてきています。

[※総務省 平成27年度版 情報通信白書:スマートフォンの世帯保有率の推移 ⇒ 64.2%]

 

スマートフォンの性能は、ご存知の通り、

インターネットに接続しているため、

基本的に、大よそ何でも調べることができます。

電子辞書は、残念ながら叶いません。

 

では、売り手(テレビショッピングの会社)は、誰に向けての誘いなのでしょうか?

といいますと、先に挙げました情弱者といわれる人たちです。

スマートフォンも使えず」

「インターネットも分からない」

そのような対象者の、弱い部分に上手く入り込んで、

(※「○○台限りの」・・・)販売目標台数を売り切ろうとします。

 

しかし、買った人は、本当にこの電子辞書をどこまで活用するのでしょうか?

ちなみに、このたびの価格は税込みで32,378円。

これに、送料が加算されるため・・・総計は33,000円以上!

 

ここで得をするのは、一体誰でしょうか?

 

インターネット上には、“Wikipedia”という(誰でも編集ができる)

フリー百科事典がありますが、一方でこれを

あまり「信用できない」と考えている方もいらっしゃるようです。

また、ネット上の辞書は、履歴が残らないので多少不便・・・

と感じる方もいらっしゃるようです。

一概に電子辞書を否定することもできないでしょう。 

 

ただやはり・・・若干、時代遅れの感が漂う電子辞書。

購入後、早期にタンスの肥やし(?) になる運命も否めません。

 

購入された方は、その時に

「(小?、大?)金を、遣わされたなぁ・・・」

と悔むのでしょうか?

 

実は、子ども向けのサッカースクール、スポーツクラブにも、

似たような“勧誘手法”を取り入れている団体があります。

 

しかし、電子辞書などの“モノの購入”と、

最も異なる「問題となる部分」があります。

それは

『将来のある、人間(子ども)に関係しているところ』

です。

 

モノを購入した後、

 「損したな・・・」

 「もっと違うものを買っておけばよかったな・・・」

と思っても、

 (もったいないのは変わりありませんが、電子辞書程度であれば)

“使わない商品を買った” で、済んでしまいます。

 

ただ一方で、子どもの教育の

「手段」や「選択」を誤り、その後に後悔しても・・・

哀しいことに、人間の人生は逆戻りはできません。

 

近年、JFAも育成と併せて、“普及”を大きなテーマにしていますが、

普及とは、一体どのようなことを言うのでしょうか?

 

普及の時期は、「大事だ」という声は聞こえてはきますが、

実際の現場は、普及という意識はとても適当で、

曖昧な雰囲気が蔓延しています。

 

しまいには、

 「年齢が低い時期だから・・・」

 「気づくのは(分かるようになるのは)もう少し後だから・・・」

と流されてしまいがちです。

 

確かに、

(歳を数えると)「一つ、二つ、三つ・・・」と、

“つ”がついている年齢の時期のことは、

大人になってからは、あまりはっきりと覚えてはいないものです。

 

しかし一方で、『三つ児の魂百まで』という言葉もあります。

 

実は、人間の成長の中で、とても大切な時期・・・なのですが、

この時期に、大人は何を子どもに与えますか?

 

このたび取り上げました、テレビショッピングは、

サッカー、スポーツには、全く関係のないことではあります。

 

ただ、そこから感じるものがありました。

 

商品であれば、“購入”。

スポーツクラブであれば、“入会”。

 

同じような感覚で、決定して良いものかどうかということ・・・。

 

『子どものスポーツの活動を援助するのは大人(親)』です。

 

その親が(実際は)子どもがするスポーツの環境を、

テレショップで商品を購入するような感覚、

“安直な理由”で決めてしまっては、伸びるはずの芽も育ちません。

 

子どもは、初めて出会う指導者により、

(そのスポーツの)観念が形成されていきます。

 

もちろん、技術面の良い癖も、一方で悪い癖もついていきます。

 

子どもの将来を考えると、親は何を想い、何を為すべきでしょうか?

 

“真実を見極める(見極めようとする)”『目と心』が、必要不可欠ですね。