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アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

子ども時分のサッカーとは?

先回、スポーツに対する想いを書きましたが、

さらに加えて、「子どものサッカーの環境」について書きたいと思います。

 

大人は子どもに何を与えるべきでしょうか?

 

それに関しては、大きなポイントがあります。

『大人(親)が、子どもにサッカーをさせる“ねらい”は、何でしょうか?』

それを整理する必要があります。

 

なぜなら、その目的や意識で大きく方向が変わってしまうからです。

 

例えば、「 公式試合 」というもの・・・。

公式?

非公式?

で、何か違いはあるのでしょうか?

 

子ども時分の公式戦・・・

日本の育成年代のプレーヤーや指導者、保護者の方々が、

重要にしている固定観念のひとつです。

 

そもそも、公式試合とはどのようなものでしょうか?

 

いつ、誰が考えた、誰の為の、

何の目的の大会でしょうか?

 

どのスポーツも、もちろんサッカーも、

試合や大会を行うのは、云わば当然なのかもしれませんが、

子どもたちが試合を行う真の目的を考えた方・・・

いらっしゃいますでしょうか?

 

日本の年齢で小学生、中学生の年代で行われている大会などですが、

諸外国は、どこまでその取り組みと結果を、重要視しているのでしょうか?

 

その子どもの試合にですが、トップリーグや下部リーグを設けているところ。

 

身近なところに目を向けますと、

年間順位で上位リーグに昇格、下部に降格・・・

まるでプロ扱いといっても過言ではありません。

 

さらに、ノックアウト方式のトーナメントの試合もあります。

 

これで子どもの成長を促すことは、果たしてできるのでしょうか?

成長を犠牲にしてまでも、試合や大会に拘る必要があるとは思えないのですが・・・。

 

以前、自クラブでも自前で非公式の大会を行っていましたが、

残念ながら主催者(私)の想いとは

どんどん離れていく状況を観るにつれて、やるせなくなり、

大会運営を現在休止しています。

 

何が原因かといいますと、

やはり、試合に臨む子どもの様子に不自然さを感じるからです。

例えば、

 ①大人ばりのチーム戦術を徹底して戦うチーム

 ②公式戦の予行演習のようなかたちで参加するチーム

そして

 ③子どもの奢った(勘違いした)姿勢

・・・

 

これら全ては、大人がまいた種から出た芽であることは違いありません。

 

話は逸れますが、

日本サッカー協会の指導教本では、

試合の中から問題を抽出し、その克服のためにトレーニングを行い、

また試合に臨むという方法を紹介しています。

このようなコーチングの方法を、「M-T-M(match- training-match) 」といいます。

 

M-T-M(エム・ティー・エム)メソッドとは、

試合を行い、

そのうまくいかなかった部分を修正するため、後日ドリル練習を行うなど補強し、

再度ゲームに臨み、

更なるステップアップを目指す手法です。

 

そして、年間の大きな流れとしては、月の内の数回試合を行い、

子どもたちのスキルアップを図っていく・・・

というものです。

 

これは、上手く取り入れて行うと、確かに効果はあるかと思います。

 

しかし、これを育成の方法としてきちんと理解できる大人が、

どのくらいいるでしょうか?

 

残念ながらこれまでの経験では、

試合や大会は、

『育成』という名を借りた、

大人の自己満足の世界があるような気がしてなりません。

 

一方、それは当然ともいえます。

 

誰も、負けるより勝ったほうが嬉しいものです。

つまりモチベーションが高まりやすいのです。

(*これをモチベーションというのは、少々語弊がありますが・・・)

そして、賞が手に入れば・・・よりその魅力は高まることでしょう。

賞を得る、上位リーグでプレーする・・・

そのチームに所属することは子どもにとってはもちろん、

大人(指導者、保護者)にとっても喜びとなります。

 

気がつけば、試合を行い、勝利を追求することが、

両者(大人、子ども)の“欲求充足”となっている場合が多々あります・・・。

 

日本にはサッカーをイメージでとらえる大人たちが、

自らの為に都合良く作ったものが、文化として根付いてしまっている部分が

他にもあります。

 

本当のことは何でしょうか?

子ども時分にサッカーをする理由は何でしょうか?

大人の思惑でそれを歪めてしまってはいけません。

子どもたちは将来に向かって、今を生きています。

今ひと時の満足が、実は将来につながらないことも多々あります。

 

本当の意味での良い育成環境が整えば、日本の未来は変わっていくはずです。

 

最後に、

M-T-Mメソッドは、所謂公式戦を経なければ実現できないのか・・・?

持論になりますが、経験上そうだとはいえません。

M-T-M に限らず、

指導者は常に「設定した目標と現状とのギャップを把握」し、

「目標を達成するための方策を明確にすること」はとても大切なことです。

自クラブの中での真剣な試合(*SSG:スモール・サイド・ゲーム)を通して、

まずは、

「試合(相手と戦う)とは、どのようなものなのか」

ということを学ぶ必要があります。

そして、

「大会での賞獲得よりも、確実な基礎技術の習得」

です。

この2つを時間をかけて、じっくりと取り組むことが大切なことです。

 

子ども時分の正しい環境こそが、

子どもたち一人一人の将来のプレーヤーとしての成否を分けると言っても、

決して過言ではありません。