ホームページ
遅ればせながら、私たちのクラブもホームページを立ち上げました。
これまで、いろいろなところで
「クラブのホームページはありませんか?」
と尋ねられることがありました。
以前にも書きましたが、実は、私はこの手のものが本当に苦手です。
なぜなら、顔の見えない不特定多数の方に、自分の意見を述べることなどは、
気が引けるからです。
一方で、インターネット・・・
本当に便利なものであると、つくづく感じます。
分からないことがあれば検索で、大体のことは解ってしまいます。
一説では、現代人の一日の情報量は江戸時代人の一生分と言われています。
さらに、中世の人々が一生の間で得る情報量は、新聞に例えますと、
現在の新聞1部ほどに収まってしまうという説さえあります。
あくまで“説”ですが、それは想像ができます。
現代社会は、正に情報洪水と言えます。
情報量が過度にあるからこそ、
判断が難しく、迷いも生じます。
だからこそ、
自分の良識を『信じる(働かせる)こと』
が大切ではないかと思います。
イソップ寓話に、“ロバを売りに行く親子”という話があります。
その話は・・・
ロバを飼っていた父親と息子が、そのロバを売りに行くため、市場へ出かけます。
2人でロバを引いて歩いていると、それを見た人が言います。
「せっかくロバを連れているのに、
乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ」
なるほどと思い、父親は息子をロバに乗せます。
しばらく行くと、別の人がこれを見て、
「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」と言うので、
なるほどと、今度は父親がロバにまたがり、息子が引いて歩きます。
するとまた別の人が見て、
「自分だけ楽をして子どもを歩かせるとは、悪い親だ。
一緒にロバに乗ればいいだろう」と言います。
それはそうだと、今後は2人でロバに乗って行きます。
するとまたまた、
「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。もっと楽にしてやればどうか」
と言う人がいました。
それではと、父親と息子は、こうすれば楽になるだろうと、
ちょうど狩りの獲物を運ぶように、1本の棒にロバの両足をくくりつけて吊り上げ、
2人で担いで歩きます。
しかし、不自然な姿勢を嫌がったロバが暴れだし、不運にもそこは橋の上でした。
暴れたロバは川に落ちて流されてしまい、
結局親子は、苦労しただけで一文の利益も得られなかった。
・・・という話です。
この話は、
『人の意見ばかり聞き、それに左右されて
主体性のない行動を取れば、時としてひどい目に遭う』
つまり、「自らの識別」や「判断」、
他者の考え方を実行に移す前の「思索」は、
最も大切であるという古人の教えです。
当然、インターネットもない時代に作られた話です。
反対に、そのような(情報量も少ない)時代ですので、
人の意見が耳に残りやすいのかも知れません。
ただ、いつの時代も『自ら考えること』は大切であることは間違いありません。
現在のように情報過多の時代だからこそ、
『個人の正しい目(心)』が必要となります。
私どものクラブもホームページが公開され、
これから閲覧される多くの皆さまにご判断を仰いでいただくこととなります。
サッカークラブにもいろいろなカラーがあります。
例えば
・創立からの年数もあり、ブランド力の高いクラブ
・年間数多くの試合をこなし、諸大会で入賞をねらうクラブ
・難易度の高い究極のリフティングやドリブルに集中して活動するクラブ
・気軽に入団でき、コーチはプレーヤーのお父さんの(学校単位の)クラブ
・全国、地域展開されている大きな組織のスクール、クラブ
・・・インターネットを見るだけでも、
本当に多すぎて、何が何やら分からなくなります。
結局、大人は噂や雰囲気だけで、
子どものサッカーの環境を決めてしまわれるケースが多いような気がしてなりません。
一方で、『育成期にサッカーをする環境』はとても大切
であります。
だからこそ大人の良識が必要となるのです。
アレグラン(※自クラブ)だけが、全てではないとは思っています。
しかし、子どもたちには将来があり、
その子どもたちは未来を担っていく立場にあります。
アレグランは、その大切な子どもたちに
これまでの指導の現場で培った経験、
試合会場でも見受けられる現代社会の課題、
そして自身が何度も何度もボールに向き合って痛感したことを、
真摯に伝えていきたいと思っています。
繰り返しになりますが、情報過多の本当に難しい時代です。
ただその中でも、私たちは信念に基づいて、
サッカー、そして指導に向き合っていきたいと考えています。