アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

信義

現在、日本の首都の東京は、首長の問題で揺れています。

 

東京では、4年後にオリンピックが開催されます。

昨日は、今夏開催されますリオデジャネイロ・オリンピックのメダルの

デザインが発表されました。

[(公財)日本オリンピック委員会公式ホームページより]

 

さて、その東京都議会の中での、首長の発言に、気になった言葉がありました。

 

それは、“シンギ”という言葉です。

漢字で書けば、『信義』。

意味は、自ずと見えてきます。

信じるの“信”、義理の“義”です。

 

しかし、もう少し詳しく知りたくなり、信義の意味を探りました。

 

信義とは・・・「信にこたえ、義をなすこと」

さらに、「真心をもって約束を守り、相手に対するつとめを果たすこと」

使い方としては、「―に厚い」「―を重んじる」などがあります。

 

儒教の基本に、”五つの徳”というものがあります。

五徳とは、仁・義・礼・知・信。

 

それぞれを簡単に説明しますと・・・

仁:人を思いやる心
義:正義を貫く心
礼:礼を尽くす心
知:知徳を磨く心
信:人を信じる心

どれも大切な心ですね。

 

さらに、『信』と『義』を詳しく・・・

『信』とは、誠実であること。

友情に厚く、言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ることなど。

裏表がなく やるべきことを 言葉にして 実行に移すこと。

『義』とは、私利私欲にとらわれないこと。

利欲にとらわれず、なすべきことをすること。正義。

中国思想において、常に「利」と対比される概念。

過去にお札のモデルにもなりました、新渡戸稲造氏の著書「武士道」では、

”義”を武士道の中で、(最も重要な徳目として)一番最初に紹介しています。

さらに書では、義は「自分の身の処し方を道理に従ってためらわずに決断する力」

のこととして述べられています。

 

打算的(損得感情)が溢れている昨今、

”道理”という意味も分からなくなってしまっていますが・・・。

簡単にいえば、”人としての正しい行い”であり、

個人的な観念、つまり『モラル(道徳)』ということではないでしょうか。

 

義は、反すれば罰せられる法律とは異なります。

法律は明文化されていますが、自己の観念に基づくモラルは、

心の中の”良心の掟”とえいます。

(このブログ内でも過去に、『モラル』というタイトルで書きました…)


「信義に反する」という表現もあります。

これで分かったように、

『人間として当たり前のことを守らない』ということになります。

 

なぜ、このような言葉(信義)が気になったかといいますと、

やはり東京都の一件からなのですが・・・。

“法に触れていないから”ということが、ひとつの焦点になっていましたが、

なぜ都民や全国民が、これほどまでに違和感を覚えたのでしょうか?

逆に違法行為でなければ、ここまで問題にならなくてもよいところです。

しかし、この件で、首長に対する支持や期待は、完全に失墜しました。

 

私は、改めて

「人間社会が豊かに円滑にいくためには、

 “信義”というものを欠いてはいけない」

ということを痛感させられました。

 

お辞めになられる首長さんのことを、ここで述べるつもりはありません。

既に世間の評価は、下されたのではないかと思います。

答弁の中で「政治家としての信義から・・・」とおっしゃられた一言。

重い言葉です。

 

実は、アレグランのスタッフ訓の中に、「正直」、「素直」というものがあります。

これは正に、信義と通ずるものがあります。

正直な人、素直な人は、信じてもらえます。

つまり、他者から信頼していただけるということになります。

 

たとえどんなに素晴らしい“指導のメソッド(技法)”を持っていたとしても・・・

信頼してもらえなければ、それは対象者には届きません。

宝の持ち腐れともいえます。

 

一方通行な指導や、接し方ではいけません。

指導者が、「裸の王様」と呼ばれてしまうような己では、

対象者を『成長』というゴールに、決して導くことなどできません。