アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

2018ワールドカップ総括【日本の課題❶】

ゴールキーパー叩き”

 

・・・

 

今回のワールドカップの中で、

 

ゴールキーパーのこと」

 

もっといえば

 

「サッカーを」

 

“はき違えている(誤解している)人”が

 

この国には、未だ多い

 

ことに驚きと共に、

 

非常に残念な気持ちになりました。

 

 

 

 このたびは、巷でも大きな話題にもなった一つ

 

日本代表のGK(ゴールキーパー)を採り上げます。

 

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自身、GKは本職ではありませんが、

 

それでも見えてくるものがありました。

 

 

 

 

それは・・・

 

日本のゴールマウスを守り続けた川島永嗣 選手①ですが、

 

一つのパンチング(のミス)で、評価を大きく下げる結果となりました。

 

 

 

しかし・・・

 

それほど大きな問題を起こしたのでしょうか?

 

 

 

大半の人々が、

 

「川島のパンチングが不幸を招いた」

 

と大きく捉え、

 

さらに、監督はまるで(私情で)

 

無能なゴールキーパーを大切な試合に出し続けたかのような

 

大バッシングを起こしました。

 

 

 

その見解(批判)は、的を得ているのでしょうか?

 

 

 

では、

 

実際のパンチングが絡んでいたと思われる

 

日本の失点シーンを振り返ってみたいと思います。

 

 

 

それは、次の2試合。

 

 

 

セネガル戦とベルギー戦。

 

 

 

全く、状況やプレーのレベルが異なるものでしたが、

 

これを“同じもの”として考え

 

 SNS等で川島 選手を

 

“袋叩き”・・・。

 

 

 

最近の日本人の悪いクセです。

 

 

 

バッシングに同調してしまう拙さ

 

 

・・・ 

 

 

それをまざまざと見せつけられたような気がします。

 

 

 

 

セネガル戦から検証します。

 

Japan v Senegal - 2018 FIFA World Cup Russia™ - Match 32 - YouTube

 

 

セネガル戦の失点は・・・

 

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前半11分

 

DFムッサ・ヴァゲ選手㉒の右サイドからのクロスボールを

 

原口元気 選手⑧がヘディングでフリック(*クリア)します。

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そのクリアボールを

 

エリア内左約45度で受けたDFユースフ・サバリ選手⑫が

 

ワントラップでシュートします。

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そのボールを川島選手が両手でパンチングするのですが、

 

ボールが相手FWサディオ・マネ選手⑩の真ん前に飛び、

 

マネ選手が一瞬の判断と反応で、脛辺りでボールをプッシュ。

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日本は、早い時間帯に、相手にゴールを与える結果になります。

 

 

このプレー・・・

 

ディフェンダーで例えるならば、

 

明らかな“クリアミス”といえます。

 

 

川島 選手にとっては、

 

相手チームのエースストライカーのマネ選手が目に入り、

 

正確なプレー(技術や判断)を妨げられたかとは思います。

 

 

ただ、

 

“やってはいけないミス”

 

でした。

 

 

 

この失点の直後ですが、

 

あるネット記事は、次のようなタイトルで試合の速報を伝えていました。

 

川島永嗣が2試合連続の痛恨ミス…日本代表、セネガルに先制点を献上(GOAL) - Yahoo!ニュース

 

 

・・・

 

 

“2試合連続”のミス 

 

 

2試合とは・・・

 

前節のコロンビア戦の失点のことになるのでしょうが・・・

 

あのコロンビアのゴールは

 

川島 選手の凡ミスから生まれたゴールなのでしょうか?

 

 

 

その(コロンビア戦)失点の場面を振り返ります。

 

Colombia v Japan - 2018 FIFA World Cup Russia™ - Match 16 - YouTube

 

 

39分、相手の直接フリーキックからの失点。

 

キッカーは、コロンビアのMF、フアン・キンテロ選手⑳。

 

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壁の下(GKの意表)をつき

 

しかも

 

コース、スピードは

 

完璧な弾道でした。

 

 

ゴールキーパーは、

 

ゴール前でのフリーキックの場合、

 

アサイドは主に壁(*フィールドプレーヤー)に委ね、

 

GK自身は、基本中央からファーサイド側をケアしながら

 

アサイドも壁上から落とされるボールに対応していきます。

 

 

 

この試合の場合も、

 

川島 選手はセオリー通りのポジションをとっていました。

 

 

しかし、蹴り込まれたボールは“ニア下隅”でした。

 

 

 

川島 選手は、逆をとられながらも果敢にセービングを試みますが

 

キンテロ選手のキックの精度が優り、

 

ボールは無情にもゴールに吸い込まれていきます。

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このシュートを防ぐのには、相当な技術と反応スピードが求められます。

 

 

 

繰り返しますが、

 

これは、凡ミスでしょうか??

 

 

 

 

では次の、

 

ベルギー戦のパンチングが絡んだ失点とは

 

どのようなものだったのでしょうか。

 

Belgium v Japan - 2018 FIFA World Cup Russia™ - Match 54 - YouTube

 

68分、 右サイド(*日本からは左サイド)のコーナーキック

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MFケヴィン・デブルイネ選手⑦のコーナーキック

 

エリア内中央でナセル・シャドリ選手㉒と長友佑都 選手⑤が競り合い

 

そのロビングボールは、ゴールエリア入口中央付近に向かいます。

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そこには、身長190㎝を誇るエースストライカー、

 

ロメル・ルカク選手⑨が待ち受けていたため、

 

川島選手は右手一本のパンチングでクリアします。

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ボールは、日本の左サイドにこぼれ、

 

そのボールをトビー・アルダーウェイレルド選手②と競り合う形で

 

乾貴士 選手⑭が右足で右サイド方向にクリアします。

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大きく上がったそのボールをヤン・フェルトンゲン選手⑤がヘディングシュート。

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ボールは、大きな弧を描いてファーポストに運ばれ、

 

川島選手はバッククロスステップでボールに追いつこうと懸命に移動しますが

 

(結果、何もできず)ボールはそのままゴール。

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では再度、コロンビア戦の相手FK(シュート)の場面を検証しましょう。

 

①味方の壁が大きく跳んだ

 ☟

 壁が役割を果たせなかった

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②向かって左手側に打たれた

 ☟

 FK阻止のポジション位置から

 ゴールに蓋をする形でセービングする場合には、

 自身がゴールポストに直撃する危険性が高まる

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とにかく失点を免れるのは、

 

かなり困難であったということです。

 

 

 

セネガル戦の序盤でのパンチングは、痛恨の凡ミスでした。 

 

 

 

 

ベルギー戦はどうだったでしょうか。

 

 

世界最高峰のフィジカルを備えるルカク選手に対し、

 

あのパンチングでのクリアは、

 

ギリギリの選択肢であったと考えられます。

 

ちなみに、ルカク選手の体格は身長190㎝・体重94㎏。

 

それに対し、川島 選手は185㎝・80㎏。

 

「キャッチングはできなかったのか?」

 

とクレームをつける方・・・

 

空中での身体接触を考慮すると、

 

「クリアが精一杯だ」ということが解ります。

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ボールに触れることができなかった

 

また

 

目の前に弾いた(落とした)

 

のであれば、

 

“凡ミス”と言えますが、

 

ボールはエリア外に飛んでいます。

 

 

局面打開という点においては、

 

最低限の仕事はこなせたのではないかと思います。

 

 

 

余談ではありますが、

 

日頃からハリルホジッチ前監督は、

 

ゴールキーパーのフィジカル面の重要性を強調していました。

 

 

2年前のGK合宿でも

 

このたびの代表チームにも選出されていました

 

東口順昭 選手(ガンバ大阪)と中村航輔 選手(柏レイソル)の他

 

西川周作浦和レッズ)、櫛引政敏モンテディオ山形)の2人と

 

身長195cm、体重91kgの林彰洋 選手(FC東京

 

 

身長197cm、体重90kgのシュミット・ダニエル 選手(ベガルタ仙台

 

の“世界基準の体格”の2人を招集。

*所属チームは現在、体格のデータは当時を参照

 

W杯本大会での(このような)場面を想定しての準備を進めていました。

 

 

ただ・・・この合宿に対しても外野(マスコミ)からは、

 

「身体的な部分を強調し過ぎである」

 

「(身体の)サイズが大きければ良いというものではない」

 

といった否定的、懐疑的な意見が大半でした。

 

 

例えば、

 

このたびのようなルカク選手や同等の体格のプレーヤーとの

 

競り合いで勝つことを求めるのなら

 

やはり、

 

ゴールキーパーの身体的な面を要求せざるをえないのではないか

 

と、感じます。

 

 

 

そして、フェルトンゲン選手のヘディングシュートですが、

 

あれをあの状況でセーブするのは・・・

 

かなり難しいのではないでしょうか。

 

 

川島 選手が

 

「なぜボールを見送ったのか?」⇉ 集中していたのか

 

「そもそもなぜニアサイドにいたのか?」⇉ ポジショニングのミスではないか

 

など、

 

否定的な見解が多いことがとても気になります。

 

 

挙句の果てには・・・

 

「周りのチームメイトも呆れていたのでは?」

 

との見解すらあります。

 

 

では、ここも検証してみましょう。

 

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👆シュート前の時点で

 

アサイドのスペースを埋めるプレーヤーはいません。

 

やむをえず、GKが危険なニアサイドを切るのは、セオリー通りです。

 

 

「あの状況ではニアにはボールは来ないのだから、

 

 初めからファーへの折り返しに備えるべきだった」

 

と言う人もいます。

 

 

ですが、『来ない』と言える根拠が何もありません。

 

 

そして、最大の問題は、

 

シュート直前の場面です。

👇

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これを別アングルで確認します。

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競り負けているというか・・・

 

このケースの場合、

 

競っていません。

 

 

さらに

 

この位置へのコントロールシュート・・・

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推定飛距離は18.6メートル。

 

具体的には、一般的な4車線の道路の端から端までよりもさらに長い距離。

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ヘディングシュートとしては、W杯史上最長。

 

・・・

 

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周囲のプレーヤーも、

 

(GKに)呆れているのではなく

 

半端ないゴールに度肝を抜かれた

 

というところが、本音ではないでしょうか。

 

 

 

このたびのゴールキーパー叩きについてですが、

 

昔から日本には

 

「批判することをためらう」傾向がある

 

ともいわれています。

 

 

ですから

 

「ミスをミスとして指摘する文化が無い」

 

ともよく耳にします。

 

 

 

それはその通りだとも思います。

 

 

「ミスはミス」

 

「おかしいものはおかしい」

 

「納得できないものは納得できない」

 

と、これまで毅然と指摘するのは・・・

 

(辛口で評判の)S・E氏ぐらいだったのかも知れません。

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ただ、

 

今回のGK叩きを

 

「日本人もSさんのような批判ができるようになってきたことは

 

 とても良いことだ!」

 

という見解は・・・

 

少し短絡的ではないかと思うのです。

 

 

『批判の文化がある、批判ができる国は健全である』

 

ということ自体には、全く賛成です。

 

 

ただ・・・

 

「人の失敗を面白おかしく書き立てる記事を書く“記者”」

 

「人が言っていることに右に倣えでツイートしている“誰か”」

 

・・・

 

その姿勢は明らかに間違っています。

 

 

 

Sさんにも同じような疑問を覚える部分があります。

 

「(自分は)プロの評論家だから」

 

とおっしゃるのですが・・・

 

ご自身は、なぜ監督をなさらないんでしょうか?

 

「今の職を失うから?」

 

「評論家としてのポジションをキープしたいから?」

 

・・・???

 

 

 

辛口な人は必要ですが、

 

S氏も含め、

 

皆さま

 

・・・・・・

 

“ただの評論家” 

 

ばかりですか?

 

 

 

私は現場の人間として、サッカーの近くにいたいのです。

 

 

 

つまり

 

・・・

 

「じゃあ、お前なら具体的にどうするの?」

 

と問われた時に

 

・・・・・・

 

きちんとした(私なりの)実現可能な打開策を持ち、

 

実践できる人間でありたいのです。

 

 

 

ですから、

 

“実現不可能”な(空想のような)

 

“ないものねだり”のような

 

インパクトの強さだけ”をねらった

 

考えや発言は、慎みたいと考えています。

 

 

 

私は、一個人として川島 選手のファンというわけではありません。

 

 

また、各記事や論評にもあるように、

 

川島 選手が

 

時にリスキーなプレーをしてしまうこと

 

時に(外から観て)集中力を欠いたようなプレーをするところ

 

が、あることも理解しています。

 

 

しかし・・・

 

どのプレーヤーにも

 

“特徴”

 

というものがあり、

 

その個人の“ストロングポイント”が、

 

チームにとって必要であるならば

 

監督はそのプレーヤーを起用するはずです。

 

 

このたびの大会は控えでした

 

東口 選手や中村 選手も大きな魅力を持ったGKです。

 

 

 

ただ、その中で

 

なぜ川島 選手が、日本のゴールマウスに立ち続けたのでしょうか?

 

 

 

その理由は、

 

『豊富な海外での経験』であったり

 

『瞬間的な反応の速さや勇気』であったり

 

そして

 

コーチングやリーダーシップ』であったり

 

ではないでしょうか。

 

 

 

 

余談にはなりますが、ベルギー戦の最終盤です。

 

 

 

2-0でリードしながら2点を返され、

 

後半アディショナルタイムには、高速カウンターから逆転ゴールを決められました。

 

 

コーナーキックからの相手の反撃で、

 

ベルギーゴール前にいた昌子源 選手③は全速力で戻りましたが、

 

あと一歩のところで、決勝ゴールを決めたシャドリ選手㉒をブロックできず、

 

その場で倒れ込みました。

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この時・・・

 

昌子 選手の手を引いて体を起こし、

 

どうにか前を向かせようとしたのが川島 選手でした。

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『まだいける』

 

と言って、引っ張りました。

 

 

 

メディア

 

SNS

 

・・・

 

良い面が多々あることも理解しています。

 

 

 

ただ、

 

デメリットの方が気になって仕方がありません。

 

 

 

それは、

 

無責任な見解が、無謀に飛び交うからです。

 

 

 

そして、

 

その情報に右往左往させられる、洗脳される人が増えるからです。

 

 

 

 今のその考え、その言葉は

 

「日本サッカーが強くなって欲しい」

 

という本気で思ってのものなのでしょうか?

 

 

 

ただ、面白がって煽っている・・・

 

 

正しく観ていないにも関わらず、評論家になりきっている・・・

 

 

 

このような人々が多い現状で、

 

この先の日本国民のサッカーIQが高くなるとは到底思えません。

 

 

 

実は、今回採り上げました“日本の課題”とは

 

ゴールキーパーディフェンダーのことではありません。

 

 

 

日本人のサッカーに対する意識や考え方でした。

 

 

 

世間に似非S・E氏が増えたところで・・・

 

日本のサッカーが良くなるとは考えられません。

 

 

 

また、W杯が一過性の楽しみでは、

 

日本のサッカーは一向に発展しません。

 

 

事実、私たちが行っている活動(サッカーのトレーニング)にも、

 

大会期間中(*厳密には日本が試合をしていた頃)は、

 

老若男女問わず、足を止めて観ていらっしゃいましたが

 

・・・

 

W杯が終われば、またいつもの通り、

 

素通り・・・。

 

 

 

最近の日本人のいけないところですね。

 

 

 

新聞もテレビもW杯(サッカー)一色だったのに、

 

ブームが去れば、跡形もなく消え、次の興味に代わっていきます。

 

(例:平昌五輪の際のカーリング娘ブームは一体どこに・・・)

 

 

 

大切なことは真実を見極めることです。

 

 

 

そして、

 

ただのブームではなく、文化として根付かせていくことが大切なことです。

 

 

 

流行り文句を連呼したり、

 

他人のコピペをしていてもダメで、

 

また

 

コアな人間だけが、追求していくだけではダメなのです。

 

 

 

もっと身近なところで、

 

継続して、正しいサッカーの論議が行われることを切に願います。

 

 

 

本当にそれが当たり前になった時、

 

 

・・・・・・・・・

 

 

ようやく日本は、W杯ベスト8の壁を越えることができるのではないでしょうか。

 

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