アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

日本代表は変化した?(2014⇒2016)

 

今から2年前のことです・・・。

 

「足りないところは、当然、あると思っていて、

昨日も内容を見たら、

支配率やシュート、攻撃の回数、CK、FKの回数、成功率、

相手をすべて上回っているのに1-4で負けている。

“何か足りないところ”があるのかなと思っています。

『全ての面で上回っている』のに1-4で負けてしまう、

何かがこのチームには足りないと言えると思っていて、

これを踏まえて今朝、協会の方々と話をしました。

ランチには選手と話しました」

 

これは、現地時間6月25日、サンパウロ州イトゥ市のチーム本拠地で、

志半ばで終わった2014 FIFAワールドカップを振り返り、

悔しさを滲ませながら、日本代表ザッケローニ監督(*当時)の

記者会見の言葉の一部です。

(△上記のスコア等に関しては、グループステージ最終戦のコロンビア戦についてになります)

f:id:alegruntokai:20160902101312p:plain

 

そして、データは物語っています。

ボールを奪ってからシュートまでの平均時間は、

4点を挙げたコロンビアは、14.57秒に対して、

1点しか挙げることができなかった日本は、25.25秒。

ボールを奪ってからシュートまでの時間を比較すると、

『コロンビアの方が10秒近く短い』ことが分かります。

 

さらに、このコロンビア戦の日本代表の

ボールポゼッション(*ボール支配率)は56.7%、

パス数は449本、

成功率は76.7%。

相手よりも『ボールを保持していた』ことが明らかです。

(◎一方、「相手にボールを持たされていた」のかも知れません)

 

さらに、総パス数に対し、

アタッキングサード(*相手陣地)で出したパスの割合を見ますと、

今大会で最も高い32.7%と高い割合を示しており、

『より相手のゴールに近い位置でボールを動かせていた』ことが分かります。

 

その結果、シュート数は

コロンビアが13本であったのに対して、日本代表は25本でした・・・。

 

では、なぜグループステージで敗退したのでしょうか?

 

日本が戦いましたグループステージ(*グループC)全体を振り返ります。

①ボール支配率(平均)

 1位:日本・・・55.6%

 2位:コートジボアール・・・55.3%

 3位:コロンビア・・・45%

 4位:ギリシャ・・・44%

②パス本数 

 1位:日本・・・1635回

 2位:コートジボアール・・・1532回

 3位:コロンビア・・・1238回

 4位:ギリシャ・・・1095回

データをここまで見ますと、

日本はボールを保持し、

試合を優位に進めている感じがしないでもありません。

しかし実際は、ボールを保持し、パスを多く回せていた、

“日本とコートジボアールグループリーグで敗退”します。

それには、やはり理由があります。

 

前回のW杯の考察の続きになります。

ペナルティーエリア侵入回数

 1位:コートジボアール・・・42回

 2位:コロンビア・・・40回

 3位:日本・・・35回

 4位:ギリシャ・・・20回

❹シュート本数(*かっこ内は枠内シュート数です)

 1位:コートジボアール・・・48本(31本)

 2位:日本・・・46本(28本)

 3位:コロンビア・・・36本(25本)

 4位:ギリシャ・・・34本(17本)

❺得点

 1位:コロンビア・・・9点

 2位:コートジボアール・・・4点

 3位:日本ギリシャ・・・2点

 

データを確認しなくても、試合を実際にご覧になられた方は、

理解されたことと思います。

それは、日本代表は

●ボールを保持していることが、勝利につながっていない

●ボールを保持しているのに、ペナルティーエリア内にボールを運べない

●シュートは放っているのに、ゴール数が少ない

 

そこで、さらに浮き彫りになることが、次の3つです。

▲パス本数の多さは、攻撃の組み立てに時間がかかっていたという側面の表れでもある

▲ボールはキープはするが、効果的に相手を崩すというプレーができていない

▲決定機に、ボールが枠に入らない

 

つまり具体的には・・・

「他国のプレーヤーができることが、日本はできていない」

ということがあるわけです。

 

■ゴールを狙う局面でも、パスを選択すること

ドリブルでのペナルティーエリア侵入ではなく、パスを選択すること

アタッキングサードでのパスが縦ではなく、横方向への(逃げる)パスになること

 

丁寧さでしょうか?

それとも

弱さでしょうか?

 

プレー全体が、ボールを保持することに拘り、

『(リスクはあっても、強引でも)『点を獲る』という強いプレーが出せない』

ことです。

 “ボールをきれいに運ぶ、動かす”ことではなく、

いかに速く相手ゴール前に迫り、

そして、「得点を決める」か・・・ではないでしょうか。

 

そして、ボール支配等、云々はさておき・・・

昨日のW杯ロシア大会アジア最終予選の初戦、

UAEのプレーヤーの

 基本的なボールの持ち方(置く場所)

 相手に身体を寄せられた中でのボールさばき(ドリブル、パス)

 体勢が崩された中でもボールをつなぐ意志(ねばり強さ)

数字ではなく、画面からも伝わってきました。

FIFAランキングを上回る力を感じました。

 

日本代表については、

2年前の悔しい光景が、脳裏に焼き付いていますが・・・

 

 

「ボールに触れども、ゴールは奪えず・・・」

 

 

f:id:alegruntokai:20160902113729p:plain

 

昨日の日本代表が同じに見えてしまったのは、私だけでしょうか?