アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

夏休みの宿題(基礎基本とは?)

いよいよ夏休みも終わり、各学校の2学期が始まります。

 

ちょうど一週間前のあるテレビニュースで、

夏休みも残りわずかとなった子どもたちに向けた、

あるプログラムについての紹介がありました。

それは、児童館で、宿題の終わっていない子どもたちを支援するための内容です。

夏休みの宿題は、自身も思い出があります。

「宿題がなかったら夏休みも楽しいのにな・・・」と、考えたことを・・・。

 

さて、その宿題を終わらせる企画ですが、

ある児童センターに集まり、“みんなで宿題を片づけてしまいましょう”という、

企画です。

施設の指定管理者となっています、ある社会福祉法人さんが、

集中できる環境で夏休みの宿題をやり終えてもらう目的から、

そこでは毎年、開かれているそうです。

今年は、8月23日から始まり(*25日まで)、

24日には小学1年生から中学1年生までの13人が訪れて、

漢字や計算のドリル、読書感想文などに取り組んだそうです。

さらに子どもたちにとっては、ありがたいことに、分からない問題があれば、

ボランティアの、大学生のお兄さんお姉さんに教えてもらうこともできるそうです!

 

このニュースを見ていまして、

私はこの企画に参加しています子どもたちの、『ある特徴』を感じました。

 

それは・・・

 

f:id:alegruntokai:20160831121144j:plain

f:id:alegruntokai:20160831121211j:plain

f:id:alegruntokai:20160831121536j:plain

f:id:alegruntokai:20160831121616j:plain

 

画面に映し出される子どもたちの大半が、鉛筆の持ち方に難があったことです。

これは、たまたまでしょうか・・・?

『勉強が進まない・・・⇒ 鉛筆の持ち方が不自然である』

これが、全てではないとは思います。

しかし、“基本の大切さ”を理解しているか、どうかということは、

例えば、鉛筆の持ち方ひとつ見ても分かる部分はあります。

 

勉強の一番初めのところ、つまり鉛筆を持つところは、

少し面倒なところではあります。

 親指、人差し指で持ち

 その力の入れ具合

 さらに、鉛筆の角度 など・・・

最初はとてもやりにくい部分だと思います。

ただ、その「難しい」、「面倒」な部分にしっかりと向き合い、

“クリアした人”は、ある程度、字を書くことは困らないと思います。

一方、「面倒だから」という理由で、おざなりにしていては・・・

後から不都合なことが、出てくることが予想されます。

(*例えば、指が疲れる、字が上手く書けない、鉛筆を持つのが嫌になる等)

 

これは、スポーツでも同じことが言えます。

例えば、サッカーのボールの持ち方、

ボールを保持した時の姿勢について、

を考えてみましょう。

 

FIFAバロンドール(世界年間最優秀選手賞)を4回受賞しています、

リオネル・メッシ選手の、ボールを保持した時の様子を確認してみましょう。

f:id:alegruntokai:20160831123043j:plain

◇ボールはどこにありますか?

◆利き足(感覚が鋭い足)のつま先の前です

 

◇目線はどこにありますか?

◆ボールではなく、周囲のプレーエリアです

 

◇姿勢はどうなっていますか?

◆背筋は伸び、前進はもちろん、いつでもボールを蹴ることができる姿勢です

 

これを身につけるには、やはり“良い”反復練習は欠かせません。

特に、日本には至るところに、身近な良いお手本がいるわけではありませんから

正しい指導に基づいた反復練習は、必要不可欠です。

 

しかし、反復を疎かにする(適当に行う、そもそも反復を避ける)ようでは、

決して一流にはなれないのが現実です。

それには、

楽しくないこともあるでしょう。

辛い日もあるでしょう。

ただ、基本を正しく習得しておくことは、自身を助ける糧となります

 

日本の伝統文化、狂言の第一人者である、野村萬斎 氏は語ります。

 

自己表現の“前の段階”で、基礎の型をみっちりと叩き込んで、

狂言というソフトを体にプログラミングするのが稽古です。

僕が今、映画や現代劇など、さまざまな現場で仕事をさせていただけるのも、

父に叩き込まれた基礎があるからだと思います。

「型」「基本」という制約の先に、自由があるんですね。

 

狂言には“型”という特有の技術があるそうです。

狂言ならではの動きや所作のことで、

「立ち方」「歩き方」の細部まで定められているそうです。

しかし、その型・・・基礎が固められると、その先、自由が開けます。

 

夏休みの宿題が終わらず、かけこみ寺に来た子どもの中には、

夏休みの最終日を1週間前に控えて・・・

「まだ半分も終わっていない」

とインタビューに答える子もいました。

 

勉強は、繰り返しの連続(*ドリル)です。

それには、少し長い時間、イスに座ることも求められます。

小学生、中学生の勉強は、正に基礎固めの内容です。

面倒くさがり、ドリル形式の内容を避けていては、

基礎を身につけることは困難です。

ただそれに向き合い、基礎を固めた子は、これから先に自由が待っています