がっかりさせられる・・・小学校サッカー
小学生の子どもたちは、冬休みに入りました。
各小学校の校庭では、冬の部活動が行われているようです。
今日、外出した先でも見かけました。
その活動の内容は・・・
次のようなものでした。
※図の説明 ⇢:人の動き,→:ボールの動き,↝:ドリブル
サッカーをご存知の方でしたら、一目瞭然かと思いますが、
サイド(*この場合は左サイド)を崩し、
シュートまでもっていく、
とてもオーソドックスなトレーニングです。
❷が❶とのワンツーパスでボールを前に進め、
その後、❷はドリブルで縦方向に前進。
❶は、少し膨らみながら(時間とタイミングを計り)ゴール前にラン。
❷は、中央にクロスボールを送り、
❶は、そのボールを受け、シュート。
◎サイドの突破
◎アタッキングサードへの進入
◎フィニッシュ
これらを導くためのトレーニングとしては、効果的かと思います。
しかし・・・
全くできていませんでした。。。
フィニッシュ、
つまり、
得点ができない・・・
ゴールまで行き着かない
ことを
延々時間を費やしていました。
指導者も
部員も
攻撃の戦術練習に取り組んだ
気持ちになっていたことかと思いますが・・・
得点が入らないトレーニングをやっていて・・・
何とも感じないのでしょうか??
つまり、
これらの様子を観ていますと、
日頃から
『何のため(目的)のトレーニングなのか?』
ということが、
そもそも意識づけがなされていないように感じました。
上記のトレーニングには、
それを成り立たせる基本技術が必要です。
そのポイントを解説しますと・・・
次の4つのポイントです。
①「ワンツーパス」
●正確にボールを蹴る、止める・動く味方にタイミング良くボールを送る
②「ドリブル」
●正確に運ぶドリブル・クロスを蹴ることができるところにボールを置く
③「クロス」
●体の向きとは異なる方向にボールを蹴る・走り込む味方のタイミングを計る
④「シュート」
●体の向きとは異なる方向から来たボールを蹴る・ゴール枠内の狙ったコースに蹴る
・・・つまり、全て基本技術 です。
基本とは?
詳しくは、2つ前のブログをご参照ください。
👇
攻撃であれ、
守備であれ、
ある一つの形を成すためには、
基礎がなければその形を作りだすことはできません。
そのサイド攻撃の『基本の高さ』が感じられる動画があります。
動画のサイドは、右ですが、
「右サイドでも左サイドでも、“基本”は変わりません」
画像は、元ブラジル代表サイドバック、マイコン選手(ASローマ)です。
マイコン・ダグラス・シセナンド(Maicon Douglas Sisenando、1981年7月26日 - )
…ブラジル・サンタカタリーナ州クリシウマ出身。ポジションはディフェンダー(右サイドバック)。
ポルトガル語では、ダグラスではなくドグラスと発音。 ちなみに余談ですが・・・
「マイコン・ダグラス(Maicon Douglas)」という名前は、
俳優のマイケル・ダグラス氏(Michael Douglas)に由来するそうです。
マイコン選手の父親がカーク・ダグラス氏のファンで、息子にカーク氏の実子と
同じ名前を付けることを考えていたそうです。
ただ、戸籍を登録する際、担当者に「外国風の名前は認められない」と言われたことで、
英語の発音に近いポルトガル語の綴りで"Maicon"と名付けたそうです・・・。
個人技術、クロスの精度、上がるタイミング、守備、サイドバックとして高い能力を有しています。
ボールを止める、蹴る、運ぶ
そして
それをハイプレッシャーの中でも確実に行うこと。
これを最終形と考え、
小学生年代に何を為すべきか?
それは、
『最終形を見据えて、“基礎を固める”こと』
です。
しかし、自身が知っている小学校の部活動では、
その意識や姿勢が、残念ながら感じられることがありません。
「部活動は、教育の一環で、
サッカープレーヤーの育成には関係ない・・・」
という現場の意見も多いことかと思います。
しかし・・・
小学生年代の子どもたちは、
「プレゴールデンエイジ」
「ゴールデンエイジ」
という人生の中で、
基礎・基本を習得するのにとても重要な役割を果たす時期である
ということは、
子どもの発育発達を少々勉強した方でしたら、
職業が教師ではなくても、多くの方がご存知のはずです。
その重要な時期を過ごす子どもたちに、
何を為すべきか?
考えなくてはいけません。
では・・・
サッカーのことはよく分からない・・・
部活動は教育の一環ですから
というご意見、多いように感じます。
今年、ある小学校のトレーニングマッチを観戦しました。
一般的な練習試合でよく行われます、
A戦
と
B戦
を交互に行っていました。
Aチーム(一軍)の子どもたちは、
最高学年(6年生)を中心で占められ、
体格やスピードの面でも優っているように感じました。
ただ、いわばそのチームの顔でもあるAチームの子どもたちが、
自分の試合が終わればどうしたか・・・
自チームのゲーム(A戦)が終われば・・・遊具に直行。
副審を頼まれた兄弟チームのゲーム(B戦)では・・・仲間と談笑。
ここの場面でも引率者として、監督さんは関わっていらっしゃるわけで・・・。
教育的な観点、
つまり、スポーツ(サッカー)を通した人間形成としては、
外からは感じ取ることができませんでした。
先に述べました、冬休みのサッカー部の練習の風景に戻ります。
子どもたちは
・指導者の集合の指示にも集まらない
・指導者の話を聞かない(ボールの上に座り雑談、後方でフラフラする)
・ポケットに手を入れている
このような子どもたちが、
「学校教育の一環」の部活動にいるのが現状です。
保護者も(家から子どもが出て行った後は)
スポーツでもまれて良い子になっていると、
単純に誤解をしています。
日本全国全ての学校に対して述べているわけではありません。
情熱を持って、現場で汗を流して、
育成に努力される先生方も、現実にはいらっしゃいます。
その先生方のご尽力を否定するつもりは、まったくありません。
ただ・・・大変申し上げにくいのですが、
身近なところに(情熱を持っている指導者の方が)
たくさんいらっしゃるわけではない
それが、自身としての実感です。
小学生の間は、
技術習得が大切だ
いや
人間教育が大切だ
はたまた
楽しむことが大切だ
・・・
いつも様々な意見が飛び交います。
果たして、どれを取るべきでしょうか?
私は、
全てである
と確信しています。
大切なことは、
ひとつひとつの場面において、
子どもを育てているという責任
と
拘りと誇り(プライド)を持って
大人が臨めるか
です。
たとえ不器用で泥臭くとも・・・
その大人の真摯な姿勢に影響を受け(想いを感じ取り)、
子どもたちは、より良い姿に成長していきます。