深層にある問題(*ボールの動かし方)
現在、ここ愛知県でも全日(*全日本少年サッカー大会)の予選が
佳境に入っています。
(ベスト8が出揃ったようです)
前回の記事のメインは、
小学生のフットサルの全国大会でした。
サッカーとフットサルの競技の違いはあれど、
『足でボールをさばく』
ことには、何も違いはありません。
そして、そこに相手の存在があります。
だから、
“真の正しいボールコントロール技術”
は欠かすことができません。
しかし・・・
全国大会という、
国の最高峰を目指すチーム同士の試合で、
プレーヤーの足下を観ますと
「・・・」。
これは、子どもの責任ではありません。
子どもは何もない、
“真っ白な状態” からサッカー(またはフットサル)を
始めているからです。
上手い
できる
の観念を、大人が適正にしなければ・・・
子どもは、
『(例え誤りであっても) “それ”でいい』
と勘違いしてしまいます。
ですので・・・
子どもたち
日本のサッカー
を想い
あえて今回も書かせていただきます。
先回、取り上げました2つのシーンを
今回は、また違う視点で検証します。
〚シーン❶〛
この場合、
白のプレーヤーは、どちらにボールを動かすべきでしょうか?
右?左?
・・・
では、
ディフェンス青③の脚は、どうなっているでしょうか?
「膝の曲がり具合」に着目しなければなりません。
・・・
そうです。
右足に体重が乗り、(青)右側に重心がかかっています。
(その実、膝が大きく曲がっています)
しかし、
この後に白のプレーヤー⑩がボールを動かした方向は、
相手(青)の右ではなく、左でした・・・。
デイフェンスする側からしますと
体重が乗った方向にボールを動かされてしまったら・・・
対処は難しくなります。
つまり、この場合ですと、
「青のプレーヤー③が、右足での咄嗟のデイフェンスは無理」
であることが想像できます。
ですので、
ボールを動かす方向は、
このケースですと、相手の右足側かと思われます。
「相手の体重移動」を見極めたドリブルが求められます。
〚シーン❷〛
横からとらえた映像で、
しかも、
相手プレーヤー(緑)がほとんど画像に収まっていませんので、
イメージが難しいシーンではありますが・・・
オレンジのプレーヤーが、
相手ゴールに向かってドリブルを仕掛けている場面です。
(◇画像では、ボールのやや左上に第2ペナルティーマークが見えていますので、
相手ゴールから10m強の位置だと推測できます)
では、この場合ですと、
オレンジのプレーヤーは、どちらにボールを動かすべきでしょうか?
右?左?
・・・
まず、
この画像からも分かるように、
右側には、緑の相手プレーヤーが立っています。
ただし・・・
目の前の相手と自分の右から来る相手との間(ギャップ)を
「意図的に利用して抜ける」方法もあります。
〈例〉
ただそれ以前に・・・
この映像の前後を観ましたところ、
オレンジのプレーヤー⑩は“右利き”でしたが
しかし実際は、
ボールを左側に置いて、突破を仕掛け、
さらに、相手のいる右側に大きくボールを動かしてしまいました。
もしこれが、
右側(利き足側)にボールを置き、
(◎感覚の鋭い足で)左側の絶妙な位置にボールを動かしていたら・・・
ボールは相手に奪われることなく、
シュートまで至ったのではないかと想像できます。
では、全国レベルのプレーヤーが、なぜできなかったのか・・・。
実際の、目の前の相手のプレッシャーはもちろん、
「負けられない」ことに対しての心理的なプレッシャーが大きかったことは、
充分に想像できます。
しかし一方で、
(プレッシャーのかかる状況)だからこそ、
『いつもの癖』が出たのではないかと思うのです。
もし、この癖が、良い癖であるならば・・・
❶「相手の足下(体重のかかり具合)を観て」、
ボールを動かすことができていたでしょう
❷「利き足の良いポジションにボールを置いて」、
相手のいない方向にボールを動かすことができていたでしょう
対敵動作を行うにあたり、
下を向いていては、良い対処はできません。
『いかに顔を上げるか』
が、ポイントになります。
そして、
ボールを動かす(相手をかわす)前に、
ボールを置く位置が、
『利き足の小指周辺』
であるべきです。
そうすれば、必然的に顔は上がり、
且つ次のアクション(動かすボールの質)も
“精度の高い”ものになるはずです。
逆に
ボールばかりを見てドリブルする
ボールを置く位置が定まらない
といったことは、
自らを苦しめることにつながります。
では、
プレーを“楽(自由)”にするには・・・
子どもであれば、
正しいことを子どもに植えつけてあげることです。
つまり、
躾
です。
しかし・・・
この大会での食事風景を観て、
(残念な意味で)驚愕しました。
昼食で、カレーを食べている子どもたちの
ワンシーンです。
・・・
???
この「スプーンの持ち方」で、
上手く食べることができるでしょうか?
ボールの持ち方も
動かし方も
同じです。
やはり、
正しい方法
は存在します。
その正しい方法を知り、
習得するのが
正に育成年代です。
その子どもたちの育成期に大きく関与する
大人
指導者、保護者は責任を持って、
子どもたちを正しい方向に導いてあげなくてはなりません。
小学生の頃は、
例えば
身体が強い
足が速い
で、一見上手い子に見えるかも知れません。
実際に、それで勝てることも多々あるでしょう。
しかし、
子どもたちの将来、
夢は、
プロサッカー選手
日本代表・・・
そして、“世界” のはずです。
(子どもたちの七夕飾りなどには、たくさん見かけます)
基礎が不安定では、
家の柱を建てると(そこまでは良くとも・・・)
屋根を乗せて、
窓をはめ込み、
人が家に入った途端、
崩れてしまうことは、
必然です・・・。
そうならないためにも、
子どもたちの過ごす環境は、
大人が子どもの将来を考えた、
“良い躾” が為される環境
でなければなりません。