アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

ファイティングポーズ・・・とれていますか?

ファイティングポーズ(fighting pose)

 

・・・

 

ボクシングや格闘技などで

 

戦うための姿勢、

 

また、戦う意志を示す構え、

 

のことを指します。

 

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ちなみに書き始めた今回の記事は

 

ボクシングのことでは全くありません。

 

 

 

 

最近、

 

“サッカー”の素

 

というタイトルにも関わらず、

 

サッカーのこと、

 

殊更、サッカーの技術のことに関して

 

触れていないことに気づき、

 

今回は、

 

自身の指導の中で

 

日頃より最も重きをおいているポイント

 

・・・

 

“ボールの置きどころ”

 

について綴りたいと思います。

 

 

 

 

ところで、

 

ボクシングではないのに

 

なぜ当然、

 

「ファイティングポーズ」

 

などというタイトルを設け

 

書き始めることにしたのか?

 

 

 

 

それは・・・

 

子どもたちとのサッカー

 

その日常の中で思うことがあります。

 

 

 

「練習はしているにも関わらず、

 

 なかなか良いサッカーができないのはなぜか?」

 

 

「それは果たして、

 

  ただただ(サッカー)経験が少ないだけなのか?」

 

 

 

一方、そのような中でも

 

良いサッカーができた時には、

 

“何か”があったこと

 

に気づかされます。

 

 

 

良いパス

 

良いドリブル

 

良いシュート

 

・・・

 

その大前提が

 

 

 

それこそが

 

このたびのタイトル、

 

ファイティングポーズがとれていたか否か

 

ということに関係してくるのです。

 

 

 

 

この言葉ですが、

 

私の住む愛知県のJ1チーム、

 

名古屋グランパス風間八宏監督が、

 

いろいろな場面で頻繁に使用されています。

 

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では、風間監督も口します

 

“ファイティングポーズ”とは

 

具体的にどんなこと?

 

なのでしょうか。

 

 

 

それは、

 

 「いつでも攻撃ができる状態になっていること」

 

・・・

 

つまり、サッカーでは具体的に

 

瞬時にボールを蹴ることができる状態になっている』

 

ということ

 

と私自身は、そう解釈しています。

 

 

 

 

サッカーという競技の中では、

 

良いボールを蹴るには、

 

「プレーヤーから見てボールがどこにあるか」

 

が、とても重要になります。

 

 

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それは、

 

サッカーというスポーツの競技特性が

 

大きく関係している

 

からです。

 

 

 

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例えば、

 

バスケットボールであれば

 

ボールを自分のものにできます。

 

 

 

なぜなら、

 

ボールをつかむこと(身体の一部にすること)が

 

可能であるから

 

です。

 

 

 

 

一方、

 

サッカーではどうでしょうか?

 

 

 

「ボールを保持する」

 

という表現は用いるとはいえ、

 

そのボールは・・・

 

足にくっついているわけではありません。

 

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前述の風間監督は具体的に

 

「ミスさえしなければ、どこにボールを置いても良い」

 

と考えているそうです。

 

 

 

しかし、

 

次に続く言葉が重要です。

 

 

 

『ただ、自分の場合は、“利き足の前”だけどね』

 

・・・

 

これをいかに考えるかが大切です。

 

 

 

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サッカーは、野球とは異なり

 

片手にグローブをはめているわけではないので、

 

どちらの足でも運んだり、蹴ったり

 

両足でボールを扱うことが可能です。

 

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だから・・・

 

どちらの足でもボールに触ることができるので

 

右でも左でも(どちらでも)よいのでしょうか?

 

 

 

 

そこでもう一度、

 

風間監督の理論を考えてみましょう。

 

 

 

「ファイティングポーズとは?」

 

 

『自分の場合は、“利き足の前”だけどね

 

・・・

 

この言葉の意味です。

 

 

 

 

ファイティングポーズとは、

 

“攻撃の構え”

 

そして、

 

そこからラストパスやフィニッシュ。

 

 

・・・

 

 

つまり、

 

攻撃の継続と得点シーンの演出

 

です。

 

 

 

 

日本サッカー界は、

 

長年、決定力不足が叫ばれています。

 

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ポゼッション(ボール支配)はしているものの

 

▶フィニッシュになかなか至らない

 

▶そもそもゴールにボールが入らない

 

。。。

 

 

 

それはなぜでしょうか?

 

 

 

 

この原因の本質に潜んでいる課題

 

・・・

 

それはいろいろあると思うのですが、

 

「どちらの足でラストパスを送ったのか?」

 

「どちらの足でフィニッシュをしたのか?」

 

この部分について、あまり深く考えていない

 

ような気がしてならないのです。

 

 

 

むしろ逆に

 

「足だったらどっちでもいい」

 

「(ボールに)近い方の足で打て」

 

・・・

 

なんてことになってはいないでしょうか?

 

 

 

 

一流プレーヤーは、

 

なぜ得点を決めることができるでしょうか?

 

 

 

それは

 

「ゴールへの嗅覚が優れているから?」

 

「ゴールをすることに飢えているから?」

 

・・・

 

感覚?意欲?才能?

 

 

 

❔❔❔

 

 

 

この点(課題克服)の気づきを

 

バルサのシュートトレーニングの様子が示しています。

 

 

 

 

世界の名手たちは、

 

どちらの足でシュートを打っているでしょうか?

 

 

 ・・・

 

 

基本、“利き足”です。

 

 

そして

 

利き足でフィニッシュしやすいように

 

ボールをコントロールしています。

 

 

 

つまり、

 

トッププロには

 

「ゴールから逆算してどうするべきか?」

 

という道筋がはっきりと見えており、

 

それを成すためのボールコントロール技術が

 

完璧に身体に染みついているのです。

 

 

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ファイティングポーズをとる・・・

 

 

 

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それは

 

己のストロングな形でボールを持つこと

 

そこにボールを置くこと

 

です。

 

 

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そのベースは、

 

世界共通のものです。

 

 

 

 

自身の(ストロングな)形が確立されており、

 

そこでボールを持つ(置く)ことが

 

非常に自然で、全くの無駄が見当たりません。

 

 

 

 

今年の1月、

 

先の4人の名手が所属する世界の強豪クラブ、

 

FCバルセロナに加入することが決定した

 

ある一人の若手プレーヤーのプレーが

 

それ(ファイティングポーズ)の大切さを

 

十二分に教えてくれます。

 

 

 

21歳の若手ミッドフィルダー

 

フレンキー・デ・ヨング選手(アヤックス・アムステルダム/オランダ)の

 

ボールの持ち方をご覧ください。

 

 

youtu.be

 

 

デヨング選手のボールの持ち方は、

 

世界のトッププレーヤーの“それ”と共通するものです。

 

 

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“ファイティングポーズ”

ご理解いただけたでしょうか。

 

 

 

 

そう考えますと・・・

 

日本の育成環境は、

 

「両足、両足~」との指導が先に立ち

 

対人競技で相手を凌駕するための真のテクニックである

 

ボールの置き場所、持ち方

 

というものが疎かにされ過ぎているように感じます。

 

 

 

 

 

▶ドタバタとしたドリブル

 

▶その場凌ぎのトラップ

 

・・・

 

哀しいかな、それでは強い相手を叩くことはできません。

 

 

 

 

日本の子どもたちは、

 

“ファイティングポーズ”というものを

 

持っているのでしょうか?

 

 

 

 

ただ誤解しないでいただきたいのは

 

「非利き足を全く使うな」

 

ということではなく、

 

技術の軸(型)はありますか?」

 

ということを問いたいのです。

 

 

 

 

小学生の頃は抜群に目立っていたにも関わらず、

 

中学、高校と進むにつれて色褪せ始め、

 

期待通りにプロに到達できない子どもには

 

何か重要な問題点が潜んでいるのです。

 

 

 

▶持って生まれた“対敵動作の感覚”

 

▶力、スピードに代表される“フィジカル要素”

 

 

それだけでは上には上がれないのが実情です。

 

 

 

にも関わらず、巷では

 

「対人に強くなる」ということで、

 

(不必要とも思われるぐらい)

「無数のフェイントを練習すると良い」

 

という幻想まであります。

 

 

 

 

 

正しいファイティングポーズがとれなければ

 

一向に実戦で使うことはできないのに・・・。

 

 

 

 

繰り返しますが、

 

その姿を直に観ることは叶いませんが、

 

動画や静止画像を観る限り、

 

世界のトッププレーヤーは

 

自身のファイティングポーズを

 

やはり持っています。

 

 

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これは絶対です。

 

 

 

 
しかし、

 

そのファイティングポーズを

 

身体に染み込ませるには・・・

 

安易な考えで成すことはできません。

 

 

 

 

ファイティングポーズを習得するためには

 

次の2つが求められます。

 

 

 

 

◎サッカーという競技の正しい理解

 

◎トレーニング、ゲーム時のボールの置き場所の徹底

 

 

この2つです。

 

 

 

ただ頭で分かっているだけではいけません。

 

 

 

 

技術習得に最適な育成期の時間を有効に使い、

 

反復するのです。

 

 

 

 

もちろん、

 

二度や三度で成せるものではありません。

 

 

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意図を持って、

 

具体的に刷り込んでいくのです。

 

 

 

 

レーニングを繰り返す過程で、

 

子どもたちは大切なことを少しずつ吸収していき、

 

その成果を次第に、ゲームの中で見せ始めるようになってきます。

 

 

 

しかし一方で、

 

実際にはそれは、微かな成長(成長の断片)にしか過ぎません。

 

 

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 千里の道も一歩から。

 

 

 

但し、

 

プレーヤー(子ども)自身が

 

『ボールを自由に操れる“その場所”にボールを置くこと』

 

それを理解し、対人の中で表現でき始めたら

 

実りへの大きな第一歩を踏んだ証でもあります。

 

 

 

 

「ファイティングポーズをとれるプレーヤーに

 

  この先なれるか否か?」

 

 

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それには絶対

 

育成年代初期からの正しい働きがけが

 

求められます。

 

 

 

 

「ただサッカーの機会を与えてあげているだけ」

 

「ただたくさんボールに触らせているだけ」

 

・・・

 

そのような取り組みであるなら

 

残念ながらそれは、

 

先細りのサッカー人生を辿っているといえます。

 

 

 

 

サッカーは、

 

「ボールを如何にコントロールするか」

 

が重要で

 

それが競技力を大きく左右します。

 

 

 

そして、

 

それを成す上で、最も大きなポイントがあります。

 

 

 

 

そのポイントとは

 

ボールの置きどころ(ボールの持ち方)

 

 です。

 

 

 

そのボールの置きどころが

 

ファイティングポーズの源

 

になります。

 

 

 

そして、

 

その技術や考え方は『世界標準』

 

です。

 

 

 

 

大人の正しい目と正しい働きがけが

 

子どもの将来を拓きます。

 

 

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