副審について考えます ~ラインズマン?~
つい先日、
とある動画サイトを観ていましたら
驚くような映像が目に入ってきました。
それは・・・
あるサッカー先進国の
公式試合での一場面です。
今回のテーマになる国のサッカーリーグについて
簡単にご紹介します。
その国とは
スコットランドです。
スコティッシュ・プレミアシップ (Scottish Premiership) は、
スコットランドのサッカーリーグです。
スコットランドの最上位に位置するサッカーリーグであり、
現在12のクラブで構成されています。
設立は、2013年。
?!
日本のJリーグは
1993年ですから
・・・
日本の方が先輩?
・・・
いえいえ違います。
1997年、当時のスコットランドのトップ10クラブは、
新リーグを設立。
そして、
その新リーグをスコティッシュ・プレミアリーグとしてスタート。
2000-01シーズンに、クラブ数を12に増やします。
さらに2013年6月27日、
現在に至っています。
つまり、先に述べました
スコットランドのサッカーリーグの最上位カテゴリー(*1部)。
日本では、J1リーグに置き換えることができるかと思います。
元々、スコットランドのサッカーリーグは1890年創設。
世界で2番目に出来たサッカーリーグです。
かつて、この国のリーグに日本人が所属し、
大活躍しました。
セルティックFCで、数々の素晴らしいプレーを披露しました。
ところで
サッカー先進国といえば・・・
瞬時に浮かぶのは(*様々なイメージや考えがあるかと思いますが)
アルゼンチン、イタリア、イングランド、スペイン、ドイツ、ブラジル、フランス、…
といったところでしょうか。
では、スコットランドは?
この記事を書いています現在・・・
日本は50位で
スコットランドは38位。
そして、
歴史の面からいってもスコットランドは(日本と比較しますと)
“サッカー先進国”と言えるのではないでしょうか。
さて、本題に入ります。
昨年のことになります。
スコットランド・プレミアシップ(1部リーグ)のある試合で、
副審が主審にレッドカードを出される事件(?)があったのを
ご存知でしょうか。
この動画は、
某動画投稿サイトにも挙がり、
思わず観てしまいました。
まず、気になったのは
・・・
動画の主題、
「“ラインズマン”がレッドカードで退場」というタイトル
です。
・・・。
・・・・・・
マン(man)・・・・・・・・・。
画像のように担当が女性であれば、
“man”
なのでしょうか?
自ずと違和感を覚えます。
例えば、
アニメのキャラクター、特撮ヒーローもの、職業、
世の中の大半の~マンは
凡そ、
“男”を表してはいないでしょうか?
先のアシスタントレフェリーの画像は
敢えて、女性のアシスタントレフェリーを載せました。
そこで・・・
もう一度考えてみてください。
画像の女性レフェリーは
“man”
なのでしょうか?
ジェンダー(*性区別)論になると
今回の場合、論点が逸れてしまいますので、
ここでは焦点をサッカーだけに絞ります。
なぜ、ラインズマンなのでしょうか?
それは、
「昔(以前)からそのように呼んでいたから」
というのが多数の意見かと思います。
実際に、
先の某動画投稿サイトに思い切ってコメントを投稿したところ・・・
いろいろな反響がありました。
私の見解に否定的な意見(*無関心も含め)の方も
いらっしゃいました。
その例を少し紹介します。(*文はそのままです)
「昔はラインズマンが当たり前・・・
級(←審判ライセンス)取りにいっていなかったら知らんかったし」
「ラインズマンではなく、
アシスタントレフェリーと呼ぶのが最近の常識ではありますが、
身内では『誰がライマンやる?』なんて普通に言いますね」
・・・
文面から推測して、
投稿者の方々はサッカー経験者で
現在も何らかの形でサッカーに関わっていらっしゃる
ことも間違いないところです。
しかし・・・
大変申し訳ないのですが、
投稿者の方々の認識の低さに呆れてしまいました。
このことに関しては、
JFAの姿勢も大きく(負の意味で)関与しているように感じます。
日本サッカー協会は、
『JFA選手登録者 = サッカーファミリーの数』
と捉えているようですが・・・
それは本当に、“サッカーファミリーの数”と呼べるのでしょうか?
育成年代の2種、3種、4種のカテゴリーも同様です。
サッカーをやっている(選手登録している)
ということが、
何か、日本のサッカーの向上に繋がっているのでしょうか?
「(数が)いないより、いたほうが良い」
「(サッカーに)触れていないより、触れていた方が良い」
ということでしょうが・・・
ただ単に、登録者(競技者)数が増えれば、
それで良いのでしょうか?
大切なことは
『どのような人間を増やすか』
が、とても重要なポイントではないでしょうか?
(この件に関してはまた別の回で書きたいと思います)
話は戻ります。
先の投稿者の方々・・・
『だから良いのでしょうか?』
昔から「ラインズマン」とそう呼んでいるから?
「ラインズマン」と周りではそう呼んでいるから?
だから良いのでしょうか?
manとは
humanという単語があるように
“人間”
を表す言葉でもあります。
しかし、
これも昔々より
人は知らず知らず、
男性中心の考えの中で生きてきたことの表れ
ともいえるのです。
これだけ広く
女性がサッカーをすることが認知されている世の中です。
(☞もちろん、昔からそうあるべきでしたが・・・)
この現在の状況を考えますと、
サッカーを取り巻く人々の観念を
何とかしなくてはならないと、
私は強く感じるのです。
日本でも
なでしこジャパンの活躍が、
飛躍的に女子サッカーの人口を増加させました。
だからこそ、女性の立場を考える必要があります。
当たり前に女性を尊重する(大切にする)意味からも
「ラインズマン」
という名称を変えるべきではないでしょうか。
さらに、
現代サッカーにおいてアシスタントレフェリー(副審)の任務は大きく広くなり、
“ライン付近”に位置し、
「その辺りを行ったり来たりしておけばよい」わけでは
決してありません!
ここで、今一度副審の任務を確認してみましょう。
[副審は、次のときに合図をする]
◦ ボール全体が競技のフィールドの外に出たときに、
どちらのチームがコーナーキッ ク、ゴールキックまたはスローインを行うのか。
◦ オフサイドポジションにいる競技者が罰せられるとき
◦ 競技者の交代が要求されているとき
◦ ペナルティーキックのとき、
ボールがけられる前にゴールキーパーがゴールラインを 離れたかどうか、
またボールがゴールラインを越えたかどうか。
追加副審が任命された場合、副審はペナルティーマークの延長線上に位置する。
副審の援助には交代の進め方の監視も含まれる。
副審は9.15m(10ヤード)の距離をコントロールする援助を行うために、
競技のフィー ルドに入ることができる。
《サッカー競技規則 2018/19 第6条》
今回は、
「ラインズマン」
という、その考え方についての問題点を炙り出しました。
そして、
副審に対する概念を変える必要性について述べました。
次回は
今回は触れることができませんでした
問題の動画の内容に関して、深掘りしたいと思います。