アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

正しい技術とアバウトな技術

先ほど日本サッカー五輪代表チームの初戦(ナイジェリア戦)が行われ、

4-5の激しい打ち合いの末、日本チームは敗れてしまいました。

とても残念です・・・。

 

さて、この試合を観ておりますと、

●単純なトラップミス(ボールを止めることができない)

●単純なパスミス(ボールを正確に蹴ることができない)

●ボールホルダーへのアプローチが足りない(相手に身体を寄せきれない)

といったことを痛感させられました。

 

一街クラブの、しかも低年齢(キッズ、ジュニア世代)を指導している人間が、

代表チームに物申すことは、おこがましいことだと承知しています。

ただこれは、決して文句や批判ではありません。

 

私たち、育成年代を任されています大人(指導者)が強く認識しなくてはいけない、

『大きな課題』を改めて感じたからです。

 

これまでも書きましたように、

私たちは、これから将来がある子どもたちにグラウンドで会っています。

 

正しい癖も悪い癖も、みるみるうちについてしまうものです。

 

つまり環境は、プレーヤーの将来に深く関わっているということです。

 

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『正しい鉛筆の持ち方』は、

これから先、「良い字を書くか」、「乱れた字を書くか」を決めていく

“大きな要素”になります。

 

プレッシャーのない中、

例えば

■ウォーミングアップでのボール扱い

■友だちとの遊びでのボール扱い

■ディフェンスができない相手(*正しくサッカーを理解していない相手)との試合

・・・では上手くいくでしょう。

 

その環境でできていることを、

「ボールコントロールの技術がある」

「上手い」

と勘違いしている人が、たくさんいることが現状なのです。

 真の技術とは、本物の試合の中で、ボールが扱えるということです。

つまり“強いプレッシャーを受けた中”で、

「ボールを持てる」「取られない」ということです。

その考え方が根本にない限り、

いくらボールを触って(ボールコントロールのような)練習をしていも、

それは、ただの“練習のための練習”です。

つまり、プレーヤーも指導者も自己満足しているだけなのです。

たとえ、1対1の練習でも、練習の中の試合でも、

子どもの頃から、『相手(試合)を意識してできるか否か』がカギになります。

「絶対にボールを奪われない」と、“当たり前”に思ってプレーしなくてはいけません。

その“当たり前”があるからこそ、たとえボールコントロールミスをしても、

すぐに反応してボールを自分のものにしよう(戻そう)とする感覚がつくられます。

当然、相手に奪われたら取り戻そうと、“自然に”行動を起こすようにもなります。

 

残念ながら、私の知る限り、日本の多くの育成年代の環境は、

『ピッチ外でのボールコントロール』にとらわれ、

それを「技術」と思い違いをしています。

 

「そんなアバウトなボールの止め方、持ち方、蹴り方でいいのでしょうか?」

という状況が許されている・・・

といいますか、

逆に、真っ当だと思い込んでしまっている感覚・・・

考えてみると恐ろしいことです。

 

習慣は、人間をつくります。

正しい技術は、良い習慣の中で培われます。

 

サッカーとは、どのようなスポーツでしょうか?

その『特徴』、『特性』は?

大人が正しい理解のもと、環境づくりをしなくてはいけないと思います。

そして、その正しい環境の中で、正しい努力を積み重ねた子どもが、

将来活躍し、そしてその子たちが日本を世界の頂に導いてくれるはずです。