アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

子どもは大人によってつくられる

女子サッカーについて・・・

 

サッカーをしている

 

娘をもつ

 

親は、考えさせられることです。

 

 

女の子だから・・・

 

女子サッカーを考えるのは、

 

親として考えるのは、当たり前じゃない?

 

といえばそうなのですが・・・

 

 

そういう単純なことではなく・・・

 

 

もう少し深いところです。

 

 

 

現在の日本の環境の中で、

 

女の子がサッカーを始めた時、

 

最初から女子クラブ(*女子のみのクラブ員)で

 

活動をスタートすることは、少ないと思います。

 

 

理由は、そのチーム数が少ないことです。

 

 

日本サッカー協会が分類するカテゴリー(チーム)は、

 

次の“6つ”に分かれます。

 

 第1種…年齢を制限しない選手により構成されるチーム

 第2種…18歳未満の選手により構成されるチーム

 第3種…15歳未満の選手により構成されるチーム

 第4種…12歳未満の選手により構成されるチーム

 女 子…女子の選手により構成されるチーム

 シニア…40歳以上の選手により構成されるチーム

 

 

実は・・・

 

この全てのチームに

 

「女子プレーヤーは入る」

 

ことが“可能”です。

 

 

実際のところ

 

第1種では、総数172,700人の内、「21人」

第2種では、総数154,559人の内、「21人」

第3種では、総数237,964人の内、「1,335人」

シニア では、総数18,045人の内、「2人」

 

の女子が、男子に混じって活躍しています。

 

 

そして、

 

小学生年代の第4種では、

 

総数280,380人の内、「25,268人」

 

の女子プレーヤーが存在します。

 

 

さらに全小学生年代の女子の詳細を確認しますと、

 

総数14,705人の内、9,976人が男子チームに

 

4,729人が女子チームに所属しています。

 

 

『男子チームに68%、女子チームに残り32%』

 

に所属しているという割合になります。

 

 

つまり、小学生年代では、女子チームに所属している女の子よりも、

 

男子チームの中でプレーしている女の子の方が多いことになります。

 

 

数字は、少し古い2009年のデータ(*JFAのデータ)になりますので、

 

この後のなでしこジャパンの活躍で、

 

女子チームも増え、数字に動きがあるかとは思います。

 

 

しかし、

 

現在の日本では、小学生年代で男子と女子が一緒に活動することは、

 

別段珍しいものではないのです。

 

 

そこで、この状況に変化を出すべく、

 

近年JFAからも女子プレーヤー向けの様々なプログラムが

 

開かれるようになりました。

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JFAなでしこひろば | JFA|公益財団法人日本サッカー協会

JFA・キリン レディース/ガールズサッカーフェスティバル | JFA|公益財団法人日本サッカー協会

 

 

 

女性向けの企画が広がる中、

 

考えてしまうことがあります・・・。

 

 

 

男性サッカー指導者の中には、

 

「男子と女子は人間と猿ほど違う」

 

と口にされる方もいらっしゃるようですが・・・。

 

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では、

 

男性と女性の明らかな違いとは、何でしょうか?

 

 

具体的には・・・

 

 ◆男性は声が低く、女性は声が高い

 ◆男性は体毛が濃く、女性は体毛が薄い

 ◆男性は筋肉質で、女性は体に丸みを帯びる

 ◆男性よりも、女性の方が少し長生き(*平均寿命から)

 

といった違いでしょうか。

 

 

自身、生物学の専門ではありませんので、

 

この部分を深く認識しているわけではありませんが・・・

 

少し調べてみました。

 

 

人間のY染色体に乗っている遺伝子の数は諸説ありますが、

 

21程度とされています。

 

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そして、人間の遺伝子の総数は、約21,000。

 

 このY染色体上の遺伝子数21が性差のため、

 

男女の性差は 21/21000(0.001%)ということになります。

 

 

つまり、

 

『人間の男女間は、99.9%で一致する』

 

わけです。

 

 

前出の男性指導者の方の言葉と全く逆行

 

人間の男女差は・・・『遥かに小さい』といえます。

 

 

 

しかし、

 

指導の現場では(男性指導員の嘆きとして)

 

「小学校高学年から中学生の女子は扱いにくい」

 

「男子とは本質的に違う」

 

さらに

 

「突然泣くのはずるい」

 

という声さえあるようです・・・。

 

 

「女性は感情的になりやすい」といわれる点では、

 

“脳の働き”という観点から見ると、興味深いことがあります。

 

 

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会話をする時に女性は脳全体を使って話をし、

 

逆に、男性はほとんど言語中枢がある“左脳だけ”を使って会話をしているそうです。

 

男性は、「理論を組み立てるときに使う部分」、「感情的になる部分」というのが

 

脳の中で区分けされているので、会話中などは感情的になりにくく、

 

理論立てて必要事項を話そうとするのに対し、

 

女性は、会話している時に言語中枢以外のところも使っているため、

 

全ての情報が混在し、理論立ててまとまった話ができなくなる傾向があるそうです。

 

 

但し・・・

 

女性でも常に冷静で理論的に話せる人もいますし、

 

一方、男性でも感情丸出しの人もいます・・・。

 

 

あくまでもこれも“傾向”であり、

 

『万人に通用することではない』ことが分かります。

 

 

 

 

わが家の長女は、現在小学4年生。

 

 

いよいよ来年は高学年になります。

 

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しかし、今現在、娘と接する上での難しさは、

 

感じたことがありません。

 

 

「これから変わるんですよ」

 

とよく言われますが・・・

 

 

全くその気配すら感じたことはありません。

 

 

 

早熟、晩熟の違い

 

でしょうか。

 

 

 

確かに、それはあるかとは思います。

 

 

 

しかし、

 

“早熟”といわれる子どもの様子を見ていますと・・・

 

 

環境の中に見える特徴があることが分かります。

 

 

 

一概には言えない部分もありますが・・・

 

 

例えば

 

 スマートフォン(携帯電話)を持っている

 

 ▲おしゃれ系の雑誌やテレビを目にしている

 

 ▲アイドルが好きである(アイドルが出演する番組を好んで観ている)

 

 

そして・・・

 

 

親から

 

「学校で好きな子はいる?」

 

「誰がイケメン?」

 

「結婚するならどんな男子?」

 

などという問いかけを

 

わが子に対し、日常的にしていたとしますと・・・

 

 

子どもは必然的に、“ませて”きます。

 

 

 

ただ・・・

 

『子どもは本来、子ども』

 

のはずです。

 

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しかし、

 

大人が“大人の価値観”での働きがけによって、

 

知らず知らずのうちに、

 

「子どもが子どもらしくなくなっていく」ものです。

 

 

 

恋愛感情

 

結婚感

 

・・・

 

そんなものは、

 

普通の小学生には、ほとんどないものです。

 

 

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思春期に入り、なんとなく感じ始めるのものですが・・・

 

 

成人式を迎える歳になっても・・・

 

『本当の愛』

 

について分かる人・・・

 

いますか?

 

 

 

自分自身の学生時代を振り返っても、

 

愛についてなど、

 

全く分かってはいませんでした。

 

 

 

それを人生経験の少ない子どもに問いかけて、

 

どんな答えが返ってくるのでしょうか?

 

 

 

きっと「意味のない質問」になるはずです。

 

 

 

ただ、

 

その意味のない問いかけ(働きがけ)も・・・

 

それを繰り返しているうちに・・・

 

 

妙に“大人びた答え”を返してくるようになります。

 

 

それは、明らかに“背伸び”をしているだけであり、

 

子ども時分の、「自然な姿ではありません」。

 

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そのような女子、男子・・・

 

周囲に増えているように感じます。

 

 

 

それは、云わば

 

大人が誘導、操作し、

 

つくられた子どもたちです。

 

 

 

そのような子どもは、往々にして

 

 「“妙に”女子が男子を意識」したり

 

 「“妙に”男子が女子を意識」したり

 

します。

 

 

 男子と女子は、本当に共存できないものでしょうか?

 

 

そして、

 

本来の子ども(年相応)の姿とは・・・

 

どのようなものでしょうか?

 

 

考えさせられます。

 

 

 

 

次に

 

サッカーをしている女の子が

 

年齢を重ねてくると出てくるのが、

 

「身体が当たるの(ぶつかり)が嫌になってきた」

 

というものです。

 

 

確かに男子は

 

徐々にスピード、力といったパワーの部分が

 

女子に比べると高くなってはきます。

 

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しかし・・・

 

サッカーとはどのようなスポーツなのか?

 

という

 

小手先だけでないサッカーの本質の部分に

 

低年齢の頃から触れさせておけば

 

“身体接触”も致し方ないものと自然に捉えることができ

 

たとえ、男子にパワーがついてきたとしても

 

女子プレーヤーはそれを普通のこととして

 

受け入れながら競技を続けていくはずです。

 

 

 

サッカーとは?

 

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男子も女子も同じ・・・

 

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ボール保持者は、相手の激しいアプローチを受けます。

 

 

女子であれ

 

男子であれ

 

・・・

 

小柄であれ

 

大柄であれ

 

それは関係ありません。

 

 

 

一方、守備に回れば、

 

数的有利な状況をつくり

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相手の自由を奪い

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激しくアプローチして、相手の攻撃をブロックする必要があります。

 

 

もし少しでもそれを怠れば・・・

 

 

本物になればなるほど(世界レベルになるほど)

 

 

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失点につながってしまいます・・・。

 

 

だからこそ、

 

“球際の競り合い”

 

“ゴール前の攻防”

 

は、

 

サッカーを始めた頃から、

 

正しく子どもに向き合わせる必要があります。

 

 

女の子だから・・・

 

それに向き合わせないのは、

 

「逆に失礼なこと」

 

だと考えています。

 

 

 

突然、

 

ある年齢からサッカーの本質に向き合わせるのは・・・

 

はっきり言いますと

 

その子にとって“酷”なことだと思います。

 

 

 

子どもは

 

『無知』であり

 

『無邪気』であり

 

『純粋』である

 

と、私はそう認識しています。

 

 

 

だから、

 

子どもに添う大人が

 

男女に分け隔てなく

 

且つ

 

正しい認識をもとに

 

子どもたちに接する必要があります。

 

 

 

自クラブの子どもは、

 

男女の間に“妙な壁”は、

 

『ほとんど見当たりません』。

 

 

ただ、これまでの経験上

 

全くなかったわけではありません。

 

 

高学年に入り、

 

茶化したり

 

冷やかしたり

 

・・・

 

考えのない人間に見られる

 

誤った(子どもの)態度を見かけたことが

 

なかったわけではありません。

 

 

 

しかし、そのような時だからこそ

 

私は真摯にその誤った考えや行動をとり始めた対象者に対して

 

話をして、そして考えさせます。

 

 

「男子と女子の差、違い・・・あるの?」

 

 

「サッカーが本当に好きな人間は、誰とも一緒にできるはず」

 

 

 

 

子どもは大人によってつくられます。

 

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