アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

誰にでもできる仕事?

今月中旬、

 

「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環

 

というタイトルのニュースサイトの記事に対し

 ある有名な実業家の方がSNS(Twitter)上で、

次のようにコメントしました。

 

 

「誰でもできる仕事だからです」

 

この(Twitterを通した)発言は、

大きな物議を醸しました。

 

 

当然この発言に、

現場関係者を中心に憤りの声が挙がりました。

 

 

そのような声に関して氏(*実業家の方)は、答えます。

 

「おれバカにしてないんだけど笑。

 単に誰にでもできる仕事っていっただけで別にバカにしてないだろ」

 

と切り返されたので、更に波紋は広がることとなります。

 

「保育士の仕事をバカにしているようにしかとらえられない発言をしたから

 大勢の人の反感を買っている」

「『誰でもできる仕事だから』ではなく『市場競争原理が働くわけではなく

 お金に換算して評価するのが難しい仕事だから』とするだけで全然印象が違う」

 

などという意見も挙がり、

Twitter上の一言を通じて、意見の応酬合戦が展開されました。

 

 

そして、さらに発言主の氏は、釘を刺します。

 

「誰でも(やろうとしたら大抵の人は)出来る(大変かもしれない)仕事だから

 希少性が低く(コンビニバイトなどと同様に)給料が上がらない構造になっている、

 がより丁寧な言い方だね」

 

と・・・。

 

 

 

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、

非常に便利な手段の一つではあります。

 

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しかし一方で、危険な手段でもあります。

 

 

今回のようなTwitterという短文投稿では、

確かに真意は伝わりにくいものです。

 

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ですから・・・乱暴にただ言葉を発するのではなく、

「丁寧に説明すること」は大切なことです。

 

 

これらのことは、とても大切なことですので、

また後日述べたいと思います。

 

 

 

 

 

本題に戻ります。

 

「タクシー運転手と同じく誰でも出来る仕事だからこそ工夫次第で

 年収に差がつくということもある」

 

とも、氏は発言されています。

 

 

どうやら「誰にでもできる仕事」発言は

 

 ▶保育士の仕事の内容

 ▶保育士の勤務時間(勤務体制)

 

さらに

 

 ▶保育士個々の質

 

についての見解であると認識しました。

 

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世間一般の

 

「保育士、また幼稚園教諭とは?」

 

このイメージが一律化されており、

 

ざっくりと表現すれば

 

「子どもと遊んであげる“遊び相手”」

 

になっているように感じる時が多々あります。

 

 

これは、「非常に残念」なことです。

 

 

 

 

保育園とは?幼稚園とは?

 

(特に私立の場合は)個性的な教育システムを表に出して、

それをウリに園の運営をされているスタイルが多いです。

 

 

しかし、

実際の現場は旧体質的な部分も多く

 

 ▽勤務時間が長い

 ▽残業(持ち帰りの仕事)

 

そして

 

 ▼書類は手書き(修正テープ、修正ペンの禁止など)

 ▼長時間の会議(園全体、学年、担当部門など)

 ▼季節ごとの手作りの壁面飾り

 ▼行事の準備

 

など

 

『保育時間外の業務、また制約』が多岐に及びます。

 

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しかし一方、

報酬(給与)の面では、決して恵まれていません。

 

 

マーケティングリサーチの大手企業、マクロミルが今年4月に発表した調査では、

会社員・公務員として働く70人の保育士の平均月収は・・・

「19万1176円」であったと発表しています。

 

 

 

その現状を踏まえ

先の実業家の方は、保育士問題に提議するわけです。

 

「業務の効率化を図るべきだ」と。

 

 

現実に目を向けて、工夫をし、

効率化を図ることは、絶対に必要であると思います。

 

 

私の昔話です。

 

といっても、10年程過去の話です。

大学を卒業して長年勤めていました教育団体付属の幼稚園では、

先生方(特に若手の先生方)は、

夜の9時頃まで事務所に残り、ミーティングや作業などをされていました。

 

しかし、朝は早く、園児が登園する随分前から出勤されます。

 

さらに、お弁当持参の園でしたので、起床時間はさらに早くなります。

 

「先生の睡眠時間は?」

「先生といえどもプライベートな時間は必要では?」

 

と余計なことまで考えてしまったものです。

 

 

思わず

 

「大変ですね」

 

と言ってしまうこともありました。

 

 

それに対して先生方は、

 

「大変だ・・・けれどもね・・・

 

でした。

 

 

『けれども』

 

 

という部分は、

 

“仕事”だからという、割り切りだけではなく

 

「園児の健やかな成長」を願うから

「保育への情熱」から

 

・・・つまりとても尊いでした。

 

 

ただ一方で、先生方とお話ししていますと・・・

 

どこか少し浮世(現実)離れしているといいますか、

 

頑なところがあるところが気になる点でした。

 

 

『子ども好きだから』

『がんばることは大切だ』

 

に重きが置かれ、

 

その仕事の結果や効率というものは、

残念ながら感じられませんでした。

 

 

もっとその部分に目が向くようになれば・・・

 

きっとその情熱は、さらに良い結果を導くだろうなと遠くから感じていました。

 

 

 

私は、過去も現在もスポーツの世界で仕事をし、その現実に触れています。

 

 

例えばJリーグ。

 

現在、Jリーグも佳境に入り、

優勝争いはもちろん、昇格・降格争いも熾烈を極めています。

 

クラブは、どんなに素晴らしい理念や情熱を持って日々活動していても、

試合の結果で順位が決まり、

その年間順位でクラブが受けるお金の額にも差が生じます。

 

ちなみにJリーグの配分金は

「均等配分金」「理念強化配分金」「降格救済金」「ACLサポート」「賞金」

の5つに分類されています。

 

全クラブ一律に支払われる「均等配分金」の原資は99.9億円で、

1クラブあたりではJ1が3.5億円、J2が1.5億円、J3が3000万円になっています。

それ以外の項目は成績に応じて大きな違いを生むことになります。

例えば、「賞金」はJ1リーグ年間1位が3億円、2位が1.2億円、3位が6000万円。

ルヴァン杯の優勝チームには1.5億円、準優勝チームは5000万円、3位の2チームには

それぞれに2000万円。

富士ゼロックススーパー杯は5000万円。

 

 

つまり・・・

 

プロスポーツの世界は、どんなに“がんばっていても”

結果が伴わなければ(勝たなければ)、運営は苦しくなるだけなのです。

 

 

とても厳しい世界です。

 

 

この考えが頭のどこかにある私には、

 

『ただがんばっている』だけではダメ

 

だとも思うのです。

 

 

しかし・・・

 

このたびのタイトルは

プロスポーツの世界(の仕事)ではありません。

 

 

保育士が主です。

 

 

ただ一方で、保育士もプロです。

 

職業として、それ(保育)を担いながら自身の生計を立てています。

 

 

 

ごちゃごちゃになりそうなので、

ここで整理して考える必要があります。

 

 

保育士(幼稚園教諭も含む)は、

子どもを健全育成する役割を担っていると私は考えています。

 

ただの子どもの“お預かり”ではありません。

 

 

Twitter上でも、この部分が争点になっていましたが、

 

子どもの健やかな成長を助ける仕事のはずです。

 

 

しかし

 

「そんなこと(子どもの成長のサポート)は、親が為すことでは?」

 

はたまた

 

「(子どもたちの)世話役なのだから、付き添い感覚でよいのでは?」

 

という考え方をする人・・・

 

様々です。

 

 

 

これはどちらも

 

「大きな誤り」です。

 

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『親だけでは成せない』からこそ、その部分を外にお願いするのです。

 

➠ 但し、子どもを丸投げするのではありません。

 

 

子どもは、内(家庭)と外(園)の両方の刺激により、

バランス良く成長していけるものです。

 

 

 

そして2つ目。

 

全く何にも染まっていない(右も左も分かっていない)子どもだからこそ、

先生が必要なのです。

 

そして、その先生は、子どもの成長にプラスになる人でなければいけません。

 

しかし、完全な人間などいません。

 

先生にも未熟な点、また失敗もあります。

(特に人生経験の少ない若い先生は、悩まされる部分も多いと思います)

 

それでも、人間が、子どもに接することが重要なのです。

 

感情の有る生身の人間が、

人間に語りかけるからこそ、大きな何かが生まれるのです。

 

 

難しい仕事ですが、

先生は、ただ単に子どもをお預かりするだけでなく、

わが子を想うように(親心)で子どもに接し、

それ(親心)を具現化する必要があります。

 

 

 

そう考えますと・・・

 

誰にでもできる仕事

とは、私には到底思えません。

 

 

 

大変?

 

 

そう、とても大変な仕事だと思います。

 

 

 

肉体的にも精神的にも疲れる仕事だと思います。

 

 

 

しかし、

 

人間味ある“先生”が

 

子どもたち(*人間の育ちの中)には、

 

絶対必要なのです。

 

 

 

大変な毎日を

 

子どもの成長を願い

 

子どもたちと共に過ごしてくださる人だからこそ

 

保育士、幼稚園の先生方は

 

尊く

 

貴重で

 

「リスペクトされるべき人」

 

なのです。

 

 

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最後に、今回取り上げました実業家の方がネット上述べた言葉を紹介します。

 

 わたしは子育て経験者です、というとたったの2年で偉そうなこというな、

 とかこんな事言われて子供がかわいそうだとか言う人いますけど、そうかなあ?

 子育てにあまり興味ない人が育てるより、好きな人が育ててくれた方がいいと

 思うんだよね。ちなみに私は楽な子育て(ベビーシッターとかお手伝いさんとか

 フル活用)を提案しましたが元配偶者が感情論で拒否したので離婚しました。

 養育費はまあまあ良い金額を送ってると思います。

 世に送り出した責任として。これがベターだったと私は思いますけどね。

 ちなみに少子化はAI、ロボットの普及と長寿化が異様な具合で進むと思うので

 大きな問題にはならないと思います」

(*経済ニュースプラットフォーム、NEWS PICS内の投稿より引用)

 

 

・・・・・・・・・

 

 

AI(artificial intelligence:人工知能)、ロボットで、

 

真の子育てはできません。

 

 

 

人間が人間に施すのが、教育です。

 

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その人間が持つ“人間力(例えば、理性、情熱、判断)”は、

 

機械を凌駕します。

 

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