アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

感動すること・・・

先月下旬、

 

わが子の小学校の音楽祭が開催されました。

 

 

会場は、東海市芸術劇場。

 

 

今から2年前の2015年、オープンしたとても新しい施設です。

 

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しかも、大ホール(*1,025席)。

 

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子どもたちは気づいていないようですが・・・

 

このような素晴らしい会場で、

演奏、合唱ができることは、

とても稀なことで本当に幸せなことです。

 

 

感謝しなくてはなりません。

 

 

 

 

例年、私たちは自クラブのトレーニング(サッカー)があるため、

わが子の出番のみ観た後、

バタバタと会場を後にしていました。

 

 

 

しかし、今年は少し時間に余裕があったため、

 

会の最後まで観ることができました。

 

 

 

今年の音楽祭・・・

 

先のタイトルでも触れましたように、

 

この音楽祭での長女の演奏は少年時代。

(次女は子犬のマーチ)

 

alegruntokai.hatenablog.com

 

 

練習の成果でしょうか(?)

 

 

 

良い演奏でした。

(といっても、合奏ですから娘自身の演奏が上手くいったか否かは分かりません。笑)

 

 

 

低学年、中学年が終わりましたので、

 

わが家の子どもの出番はここまで。

 

 

昨年までは、ここで慌てて帰ることが多かったのですが、

 

今年は最後まで観ることができます。

 

 

5年生、6年生と続きますと、

 

その小学生のパフォーマンスに驚かされます。

 

 

わが子も歳を重ねればこのようになるのか・・・

 

少し想像ができません。

 

 

 

そして、いよいよプログラムは最終の演目へ。

 

 

 

全校生徒による合唱。

 

 

 

曲目は・・・

 

『ふるさと』。

 

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芸能、

 

殊更、今流行りの歌に疎い私にとっては、

 

どんな歌なのか分かりませんでした。

 

 

ただ・・・

 

そういえば次女の10月の音読のお題が、

 

この歌だったことを思い出しました。

 

 

 

あの歌です・・・。

 

 

 

1年生の子どもが家で一人で歌っている時には、

 

(良い歌だとは感じていましたが)

 

正直なところ、それほど心に響くことはありませんでした。

 

 

 

しかし・・・

 

全校生徒で歌い始めると・・・

 

「感動」

 

その一言でしか言い表せない感情が込み上げてきました。

 

youtu.be

 

 

自身の4分の1程度の年齢の小学生に

 

 

・・・

 

負けました。

 

 

 

心が震えました。

 

 

 

最近、年齢のせいでしょうか。

 

 

ことあるたびに、涙することが多くなっています。

 

 

 

しかし、

 

涙すること

 

 

つまり

 

『感動すること』

 

は、人間にとって大切なことではないかと思うのです。

 

 

 

特に、

 

自身はサッカー人です。

 

 

 

サッカーとは?

 

 

 

サッカーで大切なことは??

 

 

 

足(Ball Control)

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頭(Brain)

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・・・

 

です。

 

 

ただもう一つ、

 

Heart(心)

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の部分は、置き去りにされてはいないでしょうか。

 

 

 

「正確な技術」

 

「正しい判断」

 

それらがサッカーのプレーの基礎

 

になります。

 

 

 

 

ただ・・・

 

サッカーをプレーするのは人間です。

 

 

 

その人間が

 

(プレーを)“イメージ”できるか。

 

 

(状況を)感じることができるか。

 

 

 

そこに“美しさ”が、どのように絡んでくるのか・・・。

 

 

 

 

サッカー先進国から考えてみましょう。

 

 

ブラジルには

 

「フッチボウ・アルチ(芸術サッカー)」

 

という文化があります。

 

 

 

ただ勝利するだけでは不満で、

 

“美しい”攻撃を要求される部分です。

 

 

 

それを体現したといわれるのが、

 

1970年W杯のセレソン(*ブラジル代表)。

 

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20世紀最高のサッカー選手と称されるペレを筆頭に、

 

リベリーノ、ジェルソン、トスタン、ジャイルジーニョ

 

という攻撃陣を擁したセレソンが、W杯3度目の優勝を飾り、

 

規則により当時の「ジュール・リメ杯」の永劫所有権を獲得しました。

 

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チームの個々がしっかりとした技術を有し、

 

“即興性”で観客を魅了する・・・

 

フッチボウ・アルチ。

 

 

 

 

その伝統は、今も決して変わりません。

 

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スピードとフィジカルが要求される現代サッカー。

 

 

その中でも、伝統の上で現代に適合するプレーヤーでセレソンを組み

 

世界のサッカーをリードし続けています。

 

 

 

ブラジル代表は現在、FIFAランキング2位。

 

 

 

そのセレソンに、

 

 

今日、日本代表が挑戦します。

 

 

国際親善試合 [11/10] | JFA|公益財団法人日本サッカー協会

 

 

 

 

ただ(無理やりに)勝負を決める(勝つ)

 

のではなく

 

「どのようにしてゴールを奪うか」

 

セレソンはイメージするはずです。

 

 

 

そのイメージの素となるものが、

 

Heart・・・心、心情の部分。

 

 

 

 

日本の子どもたちは、

 

“この部分”を大切に育成されているのでしょうか?

 

 

 

美しいプレーとは・・・

 

 

このブログでも挙げていますが、

 

所謂、“おしゃれなプレー”

 

とは「異なるもの」だと私は解釈しています。

 

 

 

この部分を区別しなくてはなりません。

 

 

 

勘違いした大人に振り回されている子どもたち・・・

 

日本には、そのような子どもが多く存在することが非常に残念です。

 

 

 

美しい攻撃とは・・・?

 

 

具体的な例を挙げますと

 

プレーに時間をかけて

 

 ▼のらりくらりボールを回す(キープする)こと

 

 ▼足下でボールをこねくり回すこと

 

 ▼不必要なフェイントを見せびらかすこと

 

とは、明らかに違います。

 

 

 

「今こそ」

 

という

 

“タイミング”

 

 

“突然”

 

行われた

 

“最適なプレー”

 

こそが

 

『美しいプレー』

 

になり、そして・・・

 

ゴールへとつながるのです。

 

 

 

 

つまり、

 

“即興性”がカギとなる

 

です。

 

 

 

 

では次に、

 

プレーヤーがその突然にそれが出せるかが、

 

ポイントになるわけですが・・・。

 

 

 

その源 になっているのは、

 

繰り返しますが、Heart の部分です。

 

 

 

 

美しいものをたくさん観た人、経験してきた人

 

 

そして

 

美しいものを素直に「感動できる」人は

 

“プレーの美しさを表現できる”

 

のではないでしょうか。

 

 

 

 

サッカーのどこに感動するのか・・・

 

 

いろいろありますが、

 

その最たるシーンが、

 

ゴールシーンではないでしょうか。

 

 

 

勝負を決定づけるゴールシーンには、

 

やはり感動があります。

 

 

 

その(感動する)シーンを生み出すには、

 

ボールを触り足技を磨く

 

試合を観て、サッカー理解を深める

 

ことはもちろんですが、

 

一方、それだけで充分でしょうか?

 

 

 

 

どのようにしてゴールを奪うのか?

 

 

美しいプレーを生み出すためには

 

『人間の心を耕し、豊かにする』こと

 

が、実はとても大切なのではないでしょうか。

 

 

 

私が日頃から

 

「サッカーはサッカーだけではいけない」

 

と感じるのは、そのような理由からです。

 

 

 

 

最後に

 

セレソンの盟友で最大のライバル国、

 

アルゼンチンナショナルチームの監督も務めた

 

セサル・ルイス・メノッティ氏について触れたいと思います。

 

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メノッティはかつて、粗暴なイメージのあったアルゼンチン代表に、

 

クリーンで“美しく”攻撃的なサッカーを浸透させ、

 

1978年に母国で開催されたワールドカップでは、

 

マリオ・ケンペスなどを擁したチームを率いて、初優勝に導きました。

 

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メノッテイ氏は監督時代、試合前のロッカールームで

 

これから戦いに向かう選手たちに花などの美しいものを見せたり、

 

感動したことを思い出させたそうです。

 

 

 

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心が美しいサッカーを創り出す

 

ことを充分に理解していたのではないでしょうか。

 

 

 

『プレーヤーの心が豊かなこと』・・・

 

 

それはプレーヤー自身が、人を感動するプレーを生み出します。

 

 

 

サッカープレーヤーは、感動できることが大切です。

 

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