プロでもミスはしてしまうものですが・・・
ご無沙汰しておりました
当ブログの更新・・・。
にも拘わらず、
安定的なアクセスをいただき、
感謝の気持ちでいっぱいです。
これに甘えることなく、
今後も有意義な情報発信を心がけていきたいと
考えております。
また、
別ブログで恐縮ですが、
最近の定期的な情報発信のウエイトは、
「アレグランの一言」
に移行しております。
ただ、
当ブログは
先のブログでは書ききれない部分を埋める、
充分な内容の記事となっております。
より深い事柄や真理の部分は、
“アレグラン渡部のサッカーの素”で
引き続き綴ってまいりますので、
何卒よろしくお願い申し上げます。
では
今回の内容に入ります。
つい先日観ました、
ドイツブンデスリーガの一場面です。
対戦カードは
6月27日の最終節、
フランクフルト vs. パダーボルン (@ヴァルトシュタディオン)
アイントラハト・フランクフルトのホームゲームです。
日本人プレーヤーの
鎌田大地 選手⑮が
先発フル出場を果たした試合でもあります。
スコアは
ブンデスリーガ公式記録の通り、
3-2でフランクフルトが勝利。
対するパダーボルンは、
この試合を前に来季の2部降格が決定・・・。
ただ、
新しいシーズンも引き続き
シュテッフェン・バウムガルト体制のままで臨む
ことを、明らかにしていました。
「降格にも拘わらず指揮官を変えない」
その詳細は分かりませんが、
勝敗のみの観点で指揮官を変えるのではなく、
腰を据えた“強化”の方を
クラブは選んだのではないかと思われます。
バウムガルト監督ですが、
2017年4月に降格争いを展開していたSCパダーボルンの指揮官に就任。
しかしその時、任された期間が5試合と短く、
勝ち点は11で3部降格。
しかしそこから、
1年で2部に返り咲き、
昨シーズンは、2部で2位の好成績で1部に昇格。
2年連続で2度の昇格。
今シーズンは残念でしたが、
結果が出せる監督であることは
間違いありません。
余談ですが、
わが国に当てはめますと・・・
現J1、大分トリニータの
片野坂知宏 監督と私は重なりました。
さて、
前置きが大変長くなってしまいましたが、
本題です。
この試合の中で、
私が気になったことは
今回のタイトルの通り
『プロのミス』
です。
では、
このタイトルに関連する場面を
試合から切り取ります。
後半立ち上がり間もない時間、
2-0でリードしている
フランクフルトの攻撃のシーンです。
自陣深い位置でボールを保持した
フランクフルトのボランチ
MFセバスティアン・ローデ 選手⑰から、
前方右のMF鎌田大地 選手⑮へ縦パスが入ります。
そのボールを鎌田 選手は、
ツータッチでローデ選手にリターンパス。
そこから
ローデ選手はワンタッチで、
(鎌田選手を追い越し)前方のオープンスペースに走りこんだ
MFドミニク・コール 選手㉘に
効果的な縦パスを供給します。
・・・
そして、
ここからいよいよ核心部分に入ります。
では、この続きを
画像とともに追っていきます。
(👇ローデ⑰からコール㉘への縦パスのシーンからです)
そして、
ここから
中央にクロスボールが送られ、
得点が入ります。(※フランクフルト3点目)
これを踏まえた上で、
ゴールの起点になる先のプレーから、
上記の右サイドでの崩しのプレー、
そして、
ゴールまでのシーンを一気に流します。
いかがでしたでしょうか?
フランクフルトの流れるような攻撃
・・・
「さすがだな」
と、感じますね。
シンプル且つ効果的な中盤での球回し。
サイドからの崩し。
そして、
正確なシュート。
▶ポゼッション
▶ビルドアップ
▶フィニッシュ
この得点シーンは、
攻撃に必要な3点を
しっかりと観ることができました。
ただ・・・
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
得点をアシストするクロスを送った
フランクフルトのMFコール 選手㉘を
チェイシングした相手、
パダーボルンのプレーヤーの動きに
???
がつきます。
なぜ?
「自陣ゴール側のコースを切らずに、
相手を自陣深くに侵入させてしまったのか」
ということです。
〈👇別角度から〉
もう一度、再確認します。
フランクフルト㉘は、
ボールに出会う直前に減速。
パダーボルン㊴は、
そこでマーカー(フランクフルト㉘)に追いつきます。
しかし、
そこで、
「なぜか
自ゴール方向とは逆方向からボールにチャレンジし、
相手の突破を許してしまった」
のです。
で、
ここで判るのが、
身体を寄せてきた相手守備者㊴が
“ボール保持者㉘の動きにくいついてしまった”
ことです。
つまり、
㉘が後方に位置する
鎌田選手⑮(※画像には映ってはいません)の方向にターンをして、
“バックパスをするようなステップを踏んだ”こと
で、それに“くいついてしまった”と思われます。
その㉘の誘いが的中し、
相手はパスを警戒して、
思わず足を出してしまったのではないか
と推測されます。
体重移動とステップ、ボールの置き場所で
相手を行きたい方向とは逆に誘い出し、
相手がくいついたらすぐさま逆にボールを押し出し、スピードアップ
・・・
これで
縦のオープンスペースに
抜け出すことができたのです。
ただ、
そうはいっても
(相手が誘導をしてきたといっても)
プロのプレーとしては、
いささか“安易”
ではなかったでしょうか。
Q.
危険度の度合いはどちらが高い?
A.
ボールが
❶後退する
❷前進する
・・・
どちら❔❓
これは明らかなことです。
「ボールが前進することこそ
守備側にとっては問題」
なのです。
この場面では、
ボール保持者の誘い
(☝恐らく、ボール保持者はフェイントをかけたのだと思われます)
に騙されることなく、
正しい方向からプレッシングをする必要があった
のではないでしょうか。
⇩
守備の指導の中で、
『守備の原則』
というものが存在します。
・・・
「ボールとゴールを結ぶ線を切る」
このキーワードを
サッカーを経験したことがある方は、
必ずどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
云わば
ごく当たり前のこと。
(※時に、その当たり前を崩さなければならないケースも出てきますが)
この場面では
その当たり前がなく、
守備者は
セオリーから外れた方向からチャレンジし、
相手の突破を許してしまいました。
もし、
ここが正しく対応できていたら
・・・
少なくとも
こうも易々と
「正確なクロスボールを放りこまれることはなかった」
かと思われます。
因みに、
対応しています(守備側の)プレーヤーは、
ギリシャの若手の有望株の一人。
私如きが
口を挟めるようなプレーヤーではないことは
重々承知しています。
しかし、
(あくまでリプレー画像を観る限りですが)
この場面では
プロらしからぬ無謀なチャレンジをして
相手の得点を許す切っ掛けをつくってしまいました。
ただ、繰り返しになりますが、
メンバーリストを見る限り、
この舞台に立つ(立てる)選手は
やはり実力者なのです。
このゴールまでのプレーに関与しているプレーヤーは、
全て各国の育成年代代表経験者か現代表選手です。
▷縦パスを供給したプレーヤー
↡
MFセバスティアン・ローデ 選手⑰
〔ドイツ代表:U-18,U-19,U-20,U-21 〕
▷ポストプレーをしたプレーヤー
↡
MF鎌田大地 選手⑮
〔日本代表:A代表 ※2019- 〕
▷右サイドでパスを受け、縦に突破後にクロスを入れたプレーヤー
↡
MFドミニク・コール 選手㉘
〔ドイツ代表:U-18 ,U-19,U-20,U-21〕
▷右クロスを右足のワンタッチシュートでゴールを挙げたプレーヤー
↡
FWバス・ドスト選手⑨
〔オランダ代表:U-20,U-21,A代表 ※2015-2018〕
錚々たるメンバーです。
その中に
日本人プレーヤーが含まれていることは
やはり誇らしいことです。
話題が横道に逸れましたので、
本題へ戻します。
そのような
世界屈指のメンバーでも
誤ってしまうことがあるのが
サッカー
・・・
でもあるのです。
ただ
・・・・・・
「そこ(大事な部分)を誤ってしまうと
失点してしまう」
・・・
それも
サッカー
なのです。
「安易なミスは許されない」
ということを
肝に銘じておかなければならない
のです。
最後に
クロスを上げたプレーヤーの
ファーストタッチの部位は
どこだったと思いますか?
後方からきた
浮き球のボールを
背後から相手の気配を感じる中で
“ヘディング”
で、自分の次のプレーへと繋げた
のです。
👇
「プロもミスはしてしまう」
というテーマで今回は綴りましたが、
・・・
「プロはやはり、上手い」
・・・・・・
つまり、
『ボールを自分のものにする力を有している』
のです。
「大きくなったらプロ選手」
これは、
子どもたちの口から出てくる言葉ですが、
「サッカーは、手が使えない」という
実は、とてもきつい制約あるスポーツです。
では、
そのサッカーという競技で
プロになるために必要な力
とは?
自らの身体を動かしながら
ボールを手以外の部分で
(ボールを)自分のものにする(コントロールする)力
なのです。
プロ選手も
ミスをします。
人間だから。
しかし、
プロ選手は
我々が想像しているそれとは比較にならないレベルで
ボールを自分のものにすることができる力を
有しているのです。
〈このたびの試合のハイライト動画は、こちらでご覧いただくことができます〉