アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

大事なことは何なのか?        ~言葉がけ・働きがけ~

子育ての真っ最中・・・

悩むことだらけです。

 

そして、

指導者歴が増えても、

時代の変化と共に、

考えさせられることばかりです。

 

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また一方で、

気づかされることも多々あります。

 

 

紆余曲折の中、

 

先日、久しぶりに、“指導の原点”に帰るべく、

インターネットや書籍で、

指導者が(大人が子どもに対して)心がけるべきポイント を探りました。

 

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その一端をご紹介します。

 

 

【他律期の特徴をうまく活用】

大凡、10歳ぐらいまでの他律期といわれる子どもに対しては、

その時々にサッカーとの関わり方は異なり、

指導者の創意がポイントになります。

 「これできる?やってみない?できるかな?」

 「このフェイントすごいよね」

と子どもの興味関心を刺激し、また「A君のこれすごいよね」と

皆の前で褒めることによって、向上意欲や競争心を刺激し、

子どもたちが楽しみながら、自然に課題が身に付くように工夫しましょう。

 *他律期とは…「保護者や教師など、大人の言うことを大事」とする(思う)時期。

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【サッカーの競技性を強調】

競い合いの原理をとことん適用します。

ウォーミングアップ、技術練習、ゲーム等に競争原理を取り入れて、

子どもを夢中にさせましょう。

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【個人差への配慮】

特徴を充分に理解したとしても、

子どもたちには精神的・肉体的に極端な個人差があります。

個人の中でも個人内差や、

アンバランスが存在することを決して忘れてはいけません。

また異年齢の子どもたちを、

一度に同じ場所で同時に指導しなければならない時がほとんどです。

個に対して、どのように対応するかが常に求められます。

 *個人内差異とは…同一個人について異なる特性間の比較をした場合にみられる差、

 例えば、「身長が高いがそれに比べて体重はそれほど重くない」というような特性間の差。

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・・・

 

大切なことばかりです。

 

 

 

さらに約20年前、

 

諸先輩方から指導者になりたての自身が、

徹底的に叩き込まれた

 

『良い指導をする上においての留意点(ポイント)』

 

を述懐しますと・・・

 

以下のような事柄です。

 

 「立ち位置 ~その1~ 太陽の向き」・・・眩しくて目を開けづらいから

 「立ち位置 ~その2~ 風の向き」・・・顏に砂ぼこりなどが当たり煩わしいから

 「話す時間」・・・子どもは長い話を聞くのが苦手だから

 「声の大きさ」・・・全員に届くような声でないと話を聞かなくなるから

 「話す内容」・・・面白い内容でないと飽きてしまうから

 「表情」・・・にこやかな表情でないと恐怖心を持たれてしまうから

 「安全の確保」・・・危ないものを予め子どもの視界から排除するため

 

その他、

 

楽しさや面白さ・褒める・否定的な表現の禁止など・・・。

 

 

これらは、

毎回の指導者ミーティングで、刷り込まれましたので、

今ではそれらが自然にできるようにはなりました。

 

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必死で覚えたこれらの事柄・・・

 

そして、

 

さらに指導歴と共に、

上書きされましたその時々の最先端の指導ポイントの数々・・・。

 

 

繰り返し確認しますと

 

子どもにとっては、かなり有益なものであると感じます。

 

 

 

ただ・・・

 

自身が親となり

 

また

 

現場での指導経験、

 

さらには

 

近年、世の中で頻発しています子ども関連の社会問題など

 

総合的に考えますと

 

 ・・・

 

何年もの間

 

子どものため

 

“良かれ”と思って

 

頑なに信じ、守り、実践してきたもの

 

・・・

 

 

最近、

 

「これでいいのか?」

 

と、多々考えさせられます。

 

 

 

上記のような、自身が会得しました事柄は、

 

正に

 

『子どもたちへの配慮』

 

です。

 

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子どもを大切に想い、

 

子どもをリスペクトし、

 

子どもが活き活きと過ごせる環境づくりは、

 

必要だと感じます。

 

 

 

ただ・・・

 

これが、

 

ややもすれば、

 

「子どもたちのご機嫌取り」

 

になっているかもしれません。

 

 

 

つまり、

 

環境が整っていないと

 

・・・

 

「満足に活動できない」

 

すぐに

 

「不平不満を漏らしてしまう」

 

そのような子どもをつくってしまっているのではないかと、

 

その点を強く危惧しています。

 

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例えば・・・

 

少し目が

眩しくても

埃で霞んでも

 

話を最後まで聞く

 

『我慢強さ』

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は、いつ身につけるのでしょうか? 

 

 

 

話の時間が

少し長くても

 

話の内容が

少し難しくても

 

『自分の好きなこと(サッカー)の話』

 

を聞くことができないようであれば・・・

 

 

この先の人生・・・

 

 入社式での社長の訓示

 

 結婚式披露宴の来賓の祝辞

 

 

などの場面では、

 

どのようにその時間を過ごすのでしょうか?

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「自分に関係がない」、「興味がない」 から

 

と言って、席を立つのでしょうか?

 

 

もちろんこの先、子どもたちの年齢も増して、

 

それなりに、“大人”としてのけじめも身につけていくことでしょう。

 

 

 

ただ、

 

大人になってからも「根っこ」に残された

 

 

“自分には関係がない”

 

“自分は興味がない”

 

 

とすぐに感じてしまうこと。

 

 

 

そして、そう感じた事柄に対して、

 

『耳を傾けたくない精神』

 

は、いろいろな場面において、周囲に関してはもちろん、

 

自身に対しても、災いをもたらすことが想像されます。

 

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長い話の冒頭や半ばまでは

 

「自分には関係ないかな」

 

思うことでも

 

最後まで耳を傾けると

 

「なるほど」

 

と感じることもあります。

 

 

 

しかし、

 

人の話を最後まで聞くということができない人は、

 

ここで既に(話を最後まで聞ける人よりも)損をしてしまうわけです。

 

 

 

また、

 

安全面については・・・

 

子どもの頃から全て周囲に危険を排除してもらいながら活動していますと、

 

“何が危険であるのか”

 

を察知して

 

“危険を感じたら自身でそれを回避する”

 

それらの力も養うこともできません。

 

 

つまり、

 

常に安全な中でしか活動ができない人間になってしまうのではないでしょうか。

 

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『自分の身は自分で守る』

 

この意識や力を子どものうちに体得しておく必要があります。

 

 

 

「これは気分的に ~だからやらない(やりたくない)」

 

といった子ども・・・

 

身近に増えていませんか?

 

 

 

「好きなことはやる」

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「苦手なことはやらない」

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例えば、これが食べ物であれば、栄養摂取面での偏りにつながり、

 

“発育や健康面”に直接表れてきます。

 

 

 

食事の面で、

子どもが苦手と感じると

 

それを食べさせるのに当たって

フードプロセッサーなどを使い、

 

苦手な食感や味を隠して食べさせる ことを

「積極的に勧める」専門家もいます。

 

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実際に、その専門の方から直接似たような話を耳にしたこともあります・・・。

 

プロチームを担当していらっしゃいます、栄養士さんのある講座での一言です。

 

 

「プロでも、食べ物の“好き嫌い”のある選手がいます。

 

 “苦手なもの”を食べたがらない選手に対して、

  

  例えば

 

 『クリロナも(○○を)食べているよ』

 

 と伝え、苦手なものを食べる動機を高めています」

 クリロナクリスティアーノ・ロナウド選手。○○はその選手の苦手な食べ物

 

という説明がありました。

残念ながら、このお話を伺ったチームの近年の成績は、芳しくはありません。

 

 

プロ選手(またはプロを目指す育成チーム所属のプレーヤー)である

 

その本人は、一体何を為すべきでしょうか・・・。

 

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「プロとして何を為さなければいけないのか?」

 

それは自ずと分かるものです。

 

 

プロのアスリートにとってはもちろん、

 

スポーツを楽しむ人すべてにとって、

 

『身体は資本』です。

 

 

これを“当たり前に認識できる”こと、

 

これが“自覚”というものであり、

 

この

 

“自覚を促すこと”こそが、

 

『指導者(大人)の務め』

 

のはずです。

 

 

ただ“食べさせる”という事実(苦手な食物にある栄養素を摂取することだけ)

を実現させる のが管理栄養士の方の仕事なのであれば・・・

 

それは、全く問題の本質には迫っていません。

 

 

 

なぜ自分はプロなのか?

 

プロであれば、まず何を為すべきなのか?

 

 

これを子どものサッカーに置き換えてみますと・・・

 

 

なぜ自分はここでサッカーをやっているのか?

 

サッカーを楽しむに当たっては、何を為すべきなのか?

 

 

 

『本当のこと』を『分かる』ように、

 

“何度も何度も我慢強く伝える”のが、

 

親であり、

 

指導者の役割ではないでしょうか。

 

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話は少し逸れますが、

 

指導者セミナーや勉強会に、これまで数多く参加してきました。

 

 

そして、どの会も最後には、必ず質疑応答の時間が設けられます。

 

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そこで受講者からの質問でよく耳にしますのが、次のような言葉です。

 

 

「うちのチームの子どもは、●●が苦手なのですが、

 

 それができるようになる“魔法の言葉”のようなものは

 

 ありませんか?」

 

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 

まず、『魔法の言葉』など、

 

そもそも存在しないはずです。

 

 

ただ時に、

 

ある一言や、ある一つの働きがけが、

 

「とても効果があったな」

 

と感じることもあるでしょう。

 

 

それは、

 

たまたまであったり、

 

大抵は、“その場しのぎ”が成立しただけであり、

 

本当の改善にはなっていないのがほとんど です。

 

 

即効性のあるものは、(効果が)消えるのも早く、

 

そして対象者は、その大人の言葉や働きがけに、すぐに慣れてしまい、

 

また新たな言葉がけや働きがけを期待するようになります。

 

(“よく効く強い薬と同様”とお考えいただくと解り易いです)

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大事なことは何でしょうか?

 

 

 

それは、

 

子どもの将来と真っ直ぐな成長

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そして

 

 

現代社会が抱える子どもの成長面の課題の解決

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です。

 

 

 

大人の言葉がけや働きがけは

 

この2点を充分に考慮したもの

 

でなくてはなりません。

  

 

 

子どもが喜ぶ

子どもが満足する

 

このポイントは、重要ではあります。

 

 

但し、

 

一方、

 

大人が子どもに対してただの“ご機嫌取り”になってしまっては、

 

子どもの真の成長は引き出せません。

 

 

しかし、

 

大人は子どもに対して、特別に心を鬼にする必要もありません。

 

 

自然に

 

『大事なこと』をチャンスを逃さずに

 

子どもに示すことが

 

とても重要なことであり、

 

それが“大人の責務”です。