アレグラン渡部のサッカーの素

愛知県東海市のスポーツクラブ "アレグラン東海” の代表の渡部貴朗が、自身のサッカー観を中心に、スポーツ、教育など気になることを素直に書いていきます!

おしゃれプレー

先回、メディアという題名で、例えば

動画については、「テレビ」「インターネット」「DVD」など

活字については、「新聞」「雑誌」など

それぞれで目にしたものを、自分なりに精査する必要性について述べました。

 

ブログ内容が、世界的な名手、ネイマール選手のドリブルについてでしたので、

反応も少し大きかったようです。

 

今回は、その続きになりますが、

巷でよく耳にします

『おしゃれ(な)プレー』

というものを考えてみたいと思います。

 

インターネットでも、検索バーに“おしゃれプレー”まで打ち込みますと、

自動で)「サッカー おしゃれプレー」というキーワードが出てきます

 

そこで、そのまま検索しますと・・・出てきますね・・・。

 

想像通りといいましょうか・・・

 

まずは、ラボーナ(←足を交差させて蹴るキック)。

次にヒール(←かかとまたはアウトサイド気味)キックや

その他、足の裏を多用したプレーなど・・・。

 

この“おしゃれプレー”とは、どこから派生した言葉でしょうか?

(少なくとも、私の子ども時分にはありませんでした)

 

これもやはり、テレビから登場した言葉ではないかと思います

 

あるサッカー番組では、相手の意表をつくプレーが出た時に、

(決まり文句として)「おしゃれ~」となっているようです。

 

それが頭に入った視聴者にとっては、ドリブルもリフティングも、

(サッカーのボール扱いが)“見せるもの”に変わりつつあるようです。

 

つい先日は、また異なるサッカー関連の番組で、

プロのフリースタイラーの方が、

スタジオ内でデモンストレーションをされていました。

 

曲芸のようなその技の数々に、ただただ「すごいな」と感じました。

身体のコントロールも、素晴らしいものがありました。

さらに、フリースタイーラーの方々の、

自己の技をさらに極めようと努力される姿勢には、刺激を受けました。

 

しかし次に、「これがサッカーにつながっていくのかな・・・」

とも感じさせられました。

 

出演されていらっしゃったフリースタイラーの方の

実際の言葉を耳にして、その疑問は明確になりました。

 

あれほどのボールさばきができるのに、

「サッカーができない」

「フリースタイルが専門」

だそうです。

「ゴール3m前からシュートを外してしまう」といったエピソードもありました。

さらに

「トラップができない」

という言葉も聞かれました。

 その理由は

「自分の(足元の)ボールは、コントロールできる」

けど

「他者から出てきたボールは(対応)できない」

という話でした。

 

話は逸れますが、現在、海外でプレーしています本田圭佑選手は

「日本人は本当に上手い。ミニゲームなどの練習を見ても海外の選手よりは上」

とも感想をもらしています。

 

ではなぜ、日本代表チーム、日本人選手は

世界舞台において、苦戦を強いられるのでしょうか・・・。

 

それはつまり、サッカーに必要な

例えば「ゴールを奪うため」といった『真のサッカーの技術や力』

さらに詳しくは、『ハイプレッシャーの中での相手と対峙する技術や力』

欠けているからではないでしょうか。

 

サッカーには必ず相手がいます。

「ノープレッシャーの中ではプレーしません」

 

そして、その相手(※ここでは守備者)は、

ステージが上がれば上がるほど、軽いプレッシャーではなくなります。

 

当然適当な感覚での、“おしゃれプレー”などは、本来存在しないはずです。

 

サッカープレーヤーとして、成長したいのであれば、

相手からの速く激しいアプローチ(身体の寄せ)にも

対応できる力を有しておく必要があります。

 

日々のサッカーのトレーニングが、

最終的には『その目的のために』行われなくては意味がないともいえます。

 

フリースタイルをこのたび収録放送していました番組でも紹介されていました

“フリースタイルフットボール”。

番組の冒頭では次のような説明がありました。

●発祥はオランダと言われている

●リフティングやドリブルなどの技術を進化させ「みせること」に特化したスポーツ

●コートの待ち時間の暇つぶしの遊びとして技を競いあったことで定着

 

サッカーには、エンターテインメント性の部分があることも理解できます。

ただし、サッカーは採点競技ではありません。

サッカーは、「相手とボールを介して」、

『ゴール数を競い合う』スポーツです。

 

その中で、必要な力とは何か?

 

それこそが、サッカープレーヤーが身につけなればいけない、

真の力や技術だと、私は信じています。